海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
台風で交通機関が麻痺したり、予期せぬトラブルで予定がめちゃくちゃになったりした時、その「大惨事」を英語でどう表現しますか?
今回は、ブレナンの怒りのセリフから、甚大な被害や大混乱を引き起こすことを表す、ニュースでも頻出のドラマチックな表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
F.B.I.の遺体安置所(モルグ)でのシーンです。
被害者の指の骨(phalanx)が、地元の検視官ハリーによって強い溶剤(Lysol I.C.)に浸されているのを発見したブレナン。
彼女は貴重な証拠が破壊されるのを防ぐため、激怒しながら慌てて容器から溶剤を捨て、ハリーを問い詰めます。
Brennan: Are you trying to break down the periosteal surface of the bone? Wreak havoc on the marrow? Did you even dilute this?
(骨の骨膜表面を分解するつもり?骨髄をめちゃくちゃに破壊して?薄めもしなかったの?)
Booth: Bones!
(ボーンズ!)
Brennan: What? You’ve removed particulates and trace elements that could potentially lead us to his killer. Is this your first day on the job?
(何よ?犯人に繋がるかもしれない微粒子や微量元素を取り除いてしまったのよ。今日が仕事の初日なの?)
BONES Season1 Episode18 (The Man with the Bone)
「骨」を何よりも愛し、そこから真実を読み取るブレナンにとって、犯人に繋がるかもしれない微粒子(particulates)や微量元素(trace elements)を溶剤で洗い流してしまう行為は言語道断です。
彼女が「destroy(破壊する)」のような一般的な単語ではなく、「wreak havoc(甚大な被害をもたらす)」という強い言葉を選んだ背景には、ハリーの無神経な処置に対する激しい怒りと、「取り返しのつかない大惨事が起きている」という焦燥感が表れています。
フレーズの意味とニュアンス
wreak havoc
意味:(甚大な被害や混乱を)引き起こす、めちゃくちゃにする
「wreak」は古英語に由来し「(怒りや罰などを)加える、もたらす」という意味を持つ少し硬い動詞です。
「havoc」は「大破壊、大混乱」を意味する名詞で、元々は軍隊に略奪を許可する際の号令として使われていました。
この2つが結びつき、主にニュースなどで大規模な被害を報じる際の決まり文句(コロケーション)としてよく使われます。
【ここがポイント!】
単に「壊す」「迷惑をかける」というレベルではありません。
自然災害、ウイルス、戦争、あるいは経済危機などが、制御不能なほどの「大惨事」や「カオス」を引き起こすという、非常にスケールが大きく、ネガティブなニュアンスを持っています。
日常会話で使うと、少し大げさでユーモラスな響きを持たせることもできますよ。
実際に使ってみよう!
The hurricane wreaked havoc on the coastal towns, leaving thousands homeless.
(そのハリケーンは沿岸部の町に甚大な被害をもたらし、何千人もの人々が家を失った。)
ニュースキャスターが原稿を読む姿が目に浮かぶような、最も典型的な使い方です。自然災害の恐ろしさを強調しています。
A computer virus wreaked havoc on our company’s network yesterday.
(昨日、コンピューターウイルスが我が社のネットワークをめちゃくちゃにした。)
物理的な破壊だけでなく、システムやデータの大規模な混乱にも使えます。担当者の絶望感が伝わってきますね。
Eating that spicy food really wreaked havoc on my stomach.
(あの激辛料理を食べたら、胃袋が本当にめちゃくちゃになったよ。)
本来は大規模な災害に使う言葉を、あえて個人的な体調不良(胃痛など)に使うことで、「もう大惨事だった!」と大げさにアピールする日常会話のテクニックです。
『BONES』流・覚え方のコツ
激怒したブレナンが、ハリーの顔に指を突きつけながら「あなたは骨髄にハリケーンを起こしたのよ!」と迫る様子をイメージしてみてください。
小さな指の骨の中で起きた出来事ですが、ブレナンにとってはまさに台風直撃レベルの「大惨事(wreak havoc)」なのです。
その凄まじい怒りのエネルギーと一緒に覚えましょう。
似た表現・関連表現
play havoc with
(〜を大混乱させる、めちゃくちゃにする)
「wreak」の代わりに「play」を使うこともあります。意味はほぼ同じですが、天候が交通機関を乱す時などによく使われる表現です。
mess up
(台無しにする、失敗する)
「wreak havoc」よりもずっとカジュアルで、日常の小さな失敗から大きなミスまで幅広く使えます。スケール感は「havoc」の方が圧倒的に上です。
cause a disaster
(惨事を引き起こす)
意味はほぼ同じですが、「wreak havoc」の方が響きに勢いがあり、ネイティブが好んで使う表現です。
深掘り知識:「Wreak」の過去形に注意!
「wreak」は少し特殊な動詞です。過去形・過去分詞形は規則変化で「wreaked」となるのが一般的ですが、ネイティブスピーカーの中には、同じく被害をもたらす意味の「work」の過去形「wrought(もたらされた)」と混同して、「wrought havoc」と言ってしまう人が結構います。
辞書的には「wreaked havoc」が正解ですが、言葉は変化するもの。
海外ドラマを見ていると、時折この「wrought」バージョンに出会うこともあるかもしれません。
まとめ|スケール感を使いこなそう
ハリーの「プロとしての18年の経験」が生み出したちょっとした処置が、ブレナンにとっては「wreak havoc(大惨事)」でした。
大きな被害を報じるニュース英語としても、日常のちょっとしたトラブルを大げさに語るジョークとしても使えるこのフレーズ。
ぜひシチュエーションに合わせて使い分けてみてくださいね。


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