海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
BONESのシーズン2、エピソード8では、地下格闘クラブに潜入したブースが、わざと試合に負けることを持ちかけられます。今回はその場面から、「ringer」という単語と、わざと負けることを表す英語表現を取り上げます。
勝負の世界特有の言い回しは、日常会話ではあまり触れる機会がありません。ブレナンとブースのやり取りを手がかりに見ていきましょう。
「わざと負ける」と「巻き込まれる」を表す言い方
格闘クラブでブースが殴られて意識を失った後、場面はホテルの一室に移ります。ブレナンが頭に氷嚢を当てているところに、潜入中の別のFBI捜査官ウォルト・シュガーマンが手首を痛めていると知り、ブレナンはある提案を口にします。
BOOTH: You’re volunteering me to fight?
(お前、俺に戦えって志願させてるのか?)BRENNAN: I’m volunteering you to throw one. You can lose with your hands tied behind your back.
(わざと負けてって言ってるの。手を縛られたままでも負けられるでしょ。)BONES Season2 Episode8 (The Woman in the Sand)
volunteer 人 to do(人に~することを志願させる、押し付ける)という言い方と、throw one(わざと負ける、八百長で負ける)という勝負の世界特有の表現が並んでいます。「lose with your hands tied behind your back」(手を後ろで縛られたままでも負けられる)という誇張した言い回しも、余裕を持って負けられるはずだという含みを添えています。volunteer A to doは、当人の意思を確認しないまま何かを引き受けさせるニュアンスがあり、ブースが咄嗟に聞き返す様子にもそれが表れています。
「ringer」という言葉の正体
試合の後、格闘クラブでブースとブレナンが賞金を受け取ろうとニックに近づくと、ニックは金を払い渋り、あるルールを持ち出します。
NICK: Enjoy a taste, but never expect a meal. Least of all with a ringer involved.
(少しは味わえても、満腹にはなれないってことさ。ましてやringerが絡んでるとなればな。)BOOTH: Wait, I ain’t no ringer.
(待てよ、俺はringerなんかじゃない。)BRENNAN: Well, what’s a ringer?
(それで、ringerって何?)BOOTH: They think I cheated.
(八百長をしたと思われてるんだよ。)BONES Season2 Episode8 (The Woman in the Sand)
ringerは、実力を隠して大会や勝負に紛れ込む人物を指す単語です。わざと負けることを求められていたのに実際には勝ってしまったブースが、今度は「実力を隠して有利に立ち回った不正な選手」として疑われる、皮肉な展開がここに表れています。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| throw one | わざと負ける、八百長で負ける |
| ringer | 実力を隠して紛れ込んだ強者 |
| cheat | 不正をする、いかさまをする |
throw oneとringerは一見正反対の行為を指すようでいて、どちらも「本当の実力を隠す」という点でつながっています。ブースの状況は、その二つの疑いのあいだで板挟みになった格好です。
わざと負けてほしいと頼まれた場面から、勝った直後に不正を疑われる場面まで、一つのエピソードの中で「勝つこと」と「負けること」の意味が何度も裏返っています。ringerという単語ひとつをきっかけに、そのねじれをたどれるのが見どころです。
まとめ|「ringer」も「throw one」も、勝負の世界の言葉
throw one、volunteer 人 to fight、そしてringerという単語。格闘技の世界を舞台にした今回のエピソードには、日常会話ではあまり出会わない、勝負ごと特有の英語表現が詰まっています。
一つの単語の意味を追いかけるだけで、場面の駆け引きがくっきりと見えてきます。
潜入捜査の設定や過去の語り直しの表現とあわせて読むと、このエピソードの英語がより広がりを持って見えてきます。
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