海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
BONESのシーズン2、エピソード8では、ブースとブレナンが偽装の夫婦、そして婚約者としてラスベガスに潜入します。今回は、その”設定”を保ち続けるために交わされる英語表現を取り上げます。
潜入捜査という特殊な状況設定は、日常会話ではなかなか出会わない言葉の使い方を教えてくれるジャンルです。身分を偽り、関係性を演じながら、それでも会話としては破綻させない。そうしたやり取りをホテルの部屋での準備から格闘クラブでの潜入まで見ていきましょう。
“We’re newlyweds”から”We’re engaged”へ ― 二転三転する偽装身分
ホテルの部屋で、ブースが潜入用の設定を確認します。
BOOTH: We’re newlyweds, I said. Takin’ Sin City by storm. Ready for action.
(新婚夫婦だって言ったんだ。シン・シティを席巻する準備万端の二人ってな。)BONES Season2 Episode8 (The Woman in the Sand)
ところがブレナンが結婚制度そのものに異論を挟むと、ブースはすぐに設定を切り替えます。「Fine. We’re engaged.」(わかった、婚約中ってことにしよう)という一言で、newlywed(新婚)からengaged(婚約中)へと身分が変わる様子が見どころです。さらにブースは「a loosely committed couple of hot high rollers」(そこそこ本気の、金離れのいいカップル)という肩書きも加えます。設定の細部を固めることよりも、その場を破綻なく乗り切ることが優先されているのが読み取れます。
| 表現 | 意味 | 使われた場面 |
|---|---|---|
| We’re newlyweds | 私たちは新婚です | 最初に用意していた設定 |
| We’re engaged | 私たちは婚約中です | ブレナンの反論を受けての切り替え |
| a loosely committed couple of hot high rollers | そこそこ本気の、金離れのいいカップル | カジノで浮くための肩書きの補強 |
三つとも「私たちの関係」を説明する表現ですが、状況に応じて即座に選び直されている点に、潜入捜査という場面ならではの言葉の使い方が表れています。
役に呼び戻す合図と、任せてもらうための言い方
ホテルの部屋を出て、ジムに足を踏み入れた直後、ブースはブレナンに念を押します。
BOOTH: Alright, you know, you play your part and I’ll play mine.
(いいか、お前は自分の役をやれ、俺は俺の役をやる。)BONES Season2 Episode8 (The Woman in the Sand)
play one’s part(自分の役割を果たす)という言い方の少し前には、「I know what I’m doing… just stop arguing」(俺のやり方は分かってる、口を挟むな)という、相手に反論をやめて任せてもらうための一言もあります。just stop arguingという短い命令形が、議論を打ち切って自分に主導権を寄せる働きをしている点も見どころです。地下格闘クラブの雑踏に入り、ブレナンが人類学者らしい分析口調に戻りかけると、ブースは指を鳴らして「Come back to me Roxie」(戻ってこい、ロキシー)と偽名で呼びかけます。素の会話から役への呼び戻しが、こうした短い合図ひとつで行われている場面です。
こうして見ると、潜入捜査中の会話は、事実をそのまま話す会話とは違うルールで動いていることが分かります。相手の反応に合わせて肩書きを差し替え、素に戻りそうになれば短い合図で引き戻す。その場その場での調整力が、二人のやり取り全体を支えているのが伝わってきます。
まとめ|設定を守るという、もうひとつの会話術
newlyweds、engaged、play your part and I’ll play mineという言い回しは、潜入捜査という特殊な状況の中で、二人の会話が一貫した設定を保つために積み重ねられていく様子を見せてくれます。
潜入捜査の緊張感の中にも、二人らしいやり取りが息づいています。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでもあわせて扱っています。
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