「元ギャンブラー」を英語でどう言う? 過去を語り直す英語表現|『BONES』S02E08で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 「元ギャンブラー」を英語でどう言う? 過去を語り直す英語表現|『BONES』S02E08で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

BONESのシーズン2、エピソード8では、ラスベガスでの潜入捜査の合間に、ブースの元ギャンブラーという過去が正面から語られます。今回はそのやり取りに出てくる、過去のラベルを言い換えるための英語表現を取り上げます。

自分の来し方をどう名指すかは、日本語でも英語でも意味を持つ選択です。ブースとブレナンの会話から、その言葉選びを見ていきましょう。

目次

「degenerate」から「former」へ ― 過去の呼び方を選び直す

カジノのフロアで高利貸しを追っている最中、ブレナンが思い出したように口にしたのが次の一言です。ブースはすぐさま訂正を入れます。

BRENNAN: Oh my god! I completely forgot! You can’t be here Booth. You’re a degenerate gambler.
(ああもう、すっかり忘れてたわ。ブースはここにいちゃだめよ。あなた、常習ギャンブラーじゃない。)

BOOTH: Former gambler, okay? Not degenerate, I been through the program, okay, and you know what? He’s on the move.
(元、だよ。堕落したなんかじゃない。俺はちゃんとプログラムを終えたんだ。それより、あいつが動いたぞ。)

BONES Season2 Episode8 (The Woman in the Sand)

degenerate(常習的に道を外れた、堕落した)という強い形容詞に対し、ブースが選んだのはformer(かつての)という一語だけの訂正です。状態を言い切るdegenerateと、時間の経過を示すformerでは聞こえ方が変わってきます。been through the program(回復プログラムを終えた)という言い回しも、通り抜けてきたという達成のニュアンスを含む表現です。二つの語は、同じ「ギャンブル好きだった過去」を指していても、どこに視点を置くかで印象が変わることが見どころです。

表現 直訳 ニュアンス
degenerate gambler 堕落したギャンブラー 現在も続く状態として断定するラベル
former gambler かつてのギャンブラー 過去の出来事として区切りをつける言い方
been through the program プログラムを終えた 回復の過程を通り抜けてきたという達成

衝動を実況し、やり過ごす ― 記憶の中の”あの夜”を語る言葉

ブレナンが「like sending an alcoholic to a distillery」(アルコール依存症の人を蒸留酒工場に送るようなもの)と気遣うと、ブースは「the sound of the winning. It’ll…it’ll pass」(勝った時のあの音がな、そのうち収まる)と、自分の中の衝動を実況するように答えます。この直後、初めてカジノで大勝ちした夜のことを振り返る場面です。

BOOTH: This kind of reminds me of the first time. I walked in the Desert Inn with 35 bucks in my pocket and I walked out with a cool 10 grand. The next night, I lost everything. Tapped out my ATM trying to get it back.
(最初の時を思い出すよ。ポケットに35ドルだけ持ってデザート・インに入って、出てくる時には1万ドルになってた。次の夜、全部すってな。取り返そうとATMで有り金を使い果たしたよ。)

BONES Season2 Episode8 (The Woman in the Sand)

tapped out(手持ちの現金や口座の残高を使い果たす)は、ギャンブルに限らず「財布が空になる」場面全般で使われる表現です。勝った夜と全部を失った夜を同じテンポで並べて語るこの一言には、良かったことも悪かったことも含めて過去をまるごと引き受けようとする姿勢が表れています。ラベルを言い換えるだけでなく、具体的なエピソードを添えて語り直すことで、過去は単なる汚点ではなく、いまの自分につながる経緯として語れるようになります。

まとめ|呼び方ひとつで、過去の語られ方は変わる

degenerate gamblerからformer gamblerへ、been through the programやtapped outという言い回しまで、自分の過去をどう名指すかという場面には、いくつもの英語表現が積み重なっています。過去の出来事をどう位置づけて語るか、その選択が言葉の端々に表れています。

次回も『BONES』の会話から、英語表現を見ていきましょう。

同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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