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今回扱うのは、『CHUCK』シーズン2 第20話に登場する、気に入らない相手にも利害の一致だけを根拠に取引を持ちかける言い方です。バイ・モアの評価官対応でおとなしくさせたい部下たちをまとめてほしいエメットが、あえて信頼を求めず、互いの利害だけで話をまとめようとする場面が描かれています。
前置きを省いて要点に入る言い方から、取引の成立を宣言する一言まで、順番に見ていきます。
嫌っている相手にも、必要だから頼ると認める言い方
Buy More評価官の来店を控え、部下たちをおとなしくさせたいエメットは、モーガンを呼び出して用件を切り出します。
Emmett: Let me cut to the chase. I despise you. But these losers listen to you for some reason, so I need you.
(単刀直入に言おう。私はお前が嫌いだ。だがどういうわけか、この負け犬どもはお前の言うことを聞く。だからお前が必要なんだ。)CHUCK Season2 Episode20 (Chuck Versus the First Kill)
Let me cut to the chase. は前置きを省いて本題に入るときの合図です。エメットは I despise you. と嫌悪を隠さず述べ、But these losers listen to you for some reason, so I need you. と続けます。嫌っている相手でも、必要な理由があれば頼ると認める構文です。
自分の立場と動機を、順序立てて説明する言い方
モーガンの相槌を挟み、エメットは自分の立場を続けて説明します。
Emmett: I was brought here to make this store efficient. If corporate sees that, they will have no recourse but to do the efficient thing and promote me out of this hellhole. Get your little merry band of misfits to behave, and I’ll be out of your dirty beard forever.
(私はこの店を効率化するために送り込まれたんだ。本社がそれを目にすれば、当然のこととして私をこの地獄から昇進させて出してくれるしかない。お前のちっぽけな落ちこぼれ集団をおとなしくさせろ、そうすれば私はもう二度とお前の汚いヒゲの前に現れずに済む。)CHUCK Season2 Episode20 (Chuck Versus the First Kill)
I was brought here to make this store efficient. で役目を述べ、they will have no recourse but to do the efficient thing and promote me out of this hellhole. と続く箇所に、店を出たい動機が表れます。have no recourse but to は「〜するしかない」という必然性を強調する硬い表現です。動機まで率直に明かす進め方に、打算がにじみます。
信用を求めず、利害の一致だけで取引を成立させる言い方
エメットの説明を受けて、モーガンは慎重な問いを返します。
Morgan: How do I know that I can… trust you?
(お前を……信用できるって、俺はどうやって分かるんだよ?)Emmett: You don’t, but I want out, and you want me out, so let’s… make a deal.
(分かりはしない。だが私は出たいし、お前も私に出て行ってほしいはずだ。だから……ひとつ、取引といこうじゃないか。)CHUCK Season2 Episode20 (Chuck Versus the First Kill)
How do I know that I can… trust you? というモーガンの問いかけには、言葉の途中に間を置く … が使われており、迷いながら尋ねている様子がうかがえます。信頼を確かめようとする、ごく自然な問いです。
対するエメットの You don’t という即答は、信頼できるかどうかへの答えを最初から放棄する言い方です。続く but I want out, and you want me out, so let’s… make a deal. では、信頼の代わりに互いの利害が一致している事実だけを根拠に挙げています。let’s… make a deal という決まり文句も、間を置いてから切り出されることで、取引の成立を印象づける言い方になっています。
信頼を尋ねる問いに、利害の一致で応じる。この噛み合わなさこそが、互いに気に入らない者同士が手を組む場面らしいやり取りです。
まとめ|利害の一致がつくる取引の言葉
前置きを省いて本題に入る言い方、嫌悪を認めつつ必要性を伝える言い方、そして信頼ではなく利害の一致を根拠に取引を持ちかける言い方まで見てきました。好みではない相手とのやり取りにも、成立する会話の型があることが分かります。
次回も『CHUCK』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。
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