海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン2第9話では、フィービーが父に会いに行き、チャンドラーとジョーイが車で付き添います。ところが家の前まで来ても、フィービーはなかなか中に入れません。
意気込んで出かけた友達が、結局できずに戻ってくることがあります。そんなとき、責めずに受け止める一言は英語で何と言うのか。送り出す場面から、引き返したあとの会話までを順に見ていきます。
「Good luck」で送り出し、「How far did you get?」と聞く
家の前に車が止まると、フィービーは This is it.(いよいよだ)と口にし、続けて I’m going in.(中に入る)と宣言します。ジョーイはそんなフィービーを、短い一言で送り出します。
Joey: Good luck, Pheebs.
(がんばれよ、フィーブス。)
Phoebe: Here I go.
(行くよ。)
Phoebe: Here I go.
(行くよ。)
Phoebe: I’m going.
(行ってくる。)
Friends Season2 Episode9(The One with Phoebe’s Dad)
Good luck. は、これから何かに挑む相手にかける「がんばって」の基本の一言です。後ろに呼びかけの名前を添えるだけで、親しい相手への声かけになります。
フィービーの Here I go. は「さあ、行くぞ」と自分に合図を送る表現です。主語が I なので、相手ではなく自分に向けた言葉になります。ここでは同じ言葉を何度も繰り返しながら、車から降りないまま場面が終わります。言葉と行動がずれていく様子が、この場面の笑いどころです。
後の場面で、フィービーは車に走って戻ってきます。二人はこう迎えます。
Joey: How far did you get?
(どこまで行けた?)
Phoebe: Mailbox.
(郵便受け。)
Chandler: All right. We’re getting closer.
(よし。近づいてきてるな。)
Friends Season2 Episode9(The One with Phoebe’s Dad)
How far did you get? は「どこまで進んだ?」と、途中までの到達点を尋ねる問いです。できたかどうかではなく、どこまでできたかを聞く形なので、相手を追い詰めにくい聞き方になります。チャンドラーの We’re getting closer. は「近づいてきている」と、わずかな前進を拾う返しです。郵便受けまでという小さな一歩を、軽い調子で前向きに受け止めています。
「You took a big step today」で、引き返した友達を受け止める
チャンドラーにノックしない理由を聞かれたフィービーは、会うことへの不安を口にします。写真の人物が父ではなかったと分かったばかりの彼女は、こう続けます。
Phoebe: You know what?
(あのね。)
Phoebe: I’ve already lost a fake dad this week and… I don’t think I’m ready to lose a real one.
(今週はもう、偽物のパパをなくしたばかりなの。それで……本物までなくす準備はできてないと思う。)
Joey: Pheebs, that’s okay. You took a big step today.
(フィーブス、それでいいんだよ。今日は大きな一歩を踏み出したじゃないか。)
Friends Season2 Episode9(The One with Phoebe’s Dad)
I don’t think I’m ready to ~. は「まだ〜する準備ができていないと思う」と、気持ちが追いついていないことを伝える形です。I’m not ready と言い切るより、I don’t think を前に置くことで、迷いを含んだ響きになります。
ジョーイはまず that’s okay と受け止め、You took a big step today. と続けます。take a big step は「大きな一歩を踏み出す」で、できなかった部分ではなく、ここまで来たこと自体を認める言葉になっています。
続けてチャンドラーとジョーイは、先のことに話を向けます。
Chandler: And someday when you’re ready you’ll make it past the hedges.
(それに、いつか準備ができたら、あの生け垣の先まで行けるさ。)
Joey: And when you do, he’ll be lucky to have you.
(で、そうなったら、向こうこそ君がいてラッキーだよ。)
Friends Season2 Episode9(The One with Phoebe’s Dad)
when you’re ready は「準備ができたら」と、急がなくていいことを伝える一言です。make it past ~ は「〜の先までたどり着く」の意味で、ここでは家の前の生け垣を越えることを指しています。He’ll be lucky to have you. は「相手のほうこそ君がいて幸運だ」と、本人の価値に目を向けさせる励まし方です。
「That’s enough for now」で、今はここまでと区切る
パーティーの終わったモニカとレイチェルの部屋に、フィービーたち三人が戻ってきます。ロスに How did it go?(どうだった?)と聞かれたフィービーは、I couldn’t go in.(中に入れなかった)と答えます。
Ross: Well, are you okay?
(それで、大丈夫か?)
Phoebe: Yeah, yeah. No, it’s okay. ‘Cause, I mean, I know he’s there so that’s enough for now.
(うん、うん。ううん、大丈夫。だって、ほら、あそこにいるって分かったから、今はそれで十分なの。)
Friends Season2 Episode9(The One with Phoebe’s Dad)
How did it go? は、出かけた用事や挑戦の結果を尋ねるときに使われることの多い問いです。答えが思わしくなさそうなときは、ロスのように Are you okay? と相手の気持ちを先に気づかう一言を添えることもできます。
フィービーの返事は Yeah, yeah. No, it’s okay. と、yes と no が並ぶ形で始まります。ここでの No は質問への否定ではなく、「ううん、心配いらない」と打ち消す働きをしています。
最後の That’s enough for now. は「今はそれで十分」と、区切りをつけるときの表現です。for now が付くことで、この先にまた続きがあることも含んだ言い方になります。友達に励まされたあとで、本人の口からこの言葉が出てくる流れになっています。
まとめ|できたところまでを認める英語
Good luck の送り出し、How far did you get? の問いかけ、You took a big step today と when you’re ready の励まし、そして That’s enough for now を見てきました。結果ではなく途中までの一歩に目を向けると、声のかけ方が見えてきます。
友達同士のやりとりを思い出しながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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