海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン3第14話では、レイチェルが職場を辞める同僚のマークと土曜の講演に行くことをめぐって、ロスとのあいだで話がこじれます。その流れの中で、二人は「一緒に行きたい」と「一緒に来てほしい」を、よく似た形の英語で伝え合います。
I would love to go と I would love for you to go では、for you が入るかどうかで、行くのが誰なのかが違ってきます。mind を使った言い返しとあわせて、二人のやりとりを見ていきます。
「It’s not the lecture I mind」と、嫌なのはそこではないと伝える
その日、レイチェルの職場では、同僚のマークがよりよい仕事に移るために辞めることになりました。マークは別れ際、レイチェルに「じゃあ土曜に」と声をかけました。場面がロスの寝室に移り、本を読みながら笑っているロスに、レイチェルが面白い本なのかと聞きます。ロスは、今日聞いたおかしなこと、つまりマークの「じゃあ土曜に」を思い出していたのだと話します。
Rachel: Yeah, at the lecture. I told you that last week. You said you didn’t mind.
(そう、講演でね。先週話したでしょ。気にしないって言ったじゃない。)
Ross: Oh, no, no, it’s not the lecture I mind.
(ああ、いや、講演が嫌なわけじゃないんだ。)
Rachel: Um… please tell me it’s not ‘cause I’m going with Mark.
(ねえ……まさかマークと行くからだなんて言わないでよ。)
Friends Season3 Episode14(The One With Phoebe’s Ex-Partner)
mind はここでは「嫌だと思う」「気にする」という意味の動詞です。レイチェルの You said you didn’t mind. は、先週ロスが気にしないと言ったことを、「言ったよね」と過去の発言として持ち出す形で、時制がそろって didn’t になっています。
ロスの it’s not the lecture I mind は、It’s not A (that) I mind の形で「嫌なのは A ではない」と的を絞る言い方です。講演そのものは否定しないまま、ほかに嫌なことがあると伝える形です。それを受けたレイチェルの Please tell me it’s not ‘cause ~. は「まさか〜だからじゃないよね」と、そうでないことを願いながら確かめる一言です。
続くやりとりでは、ロスがマークとの付き合いそのものに疑問を向けます。もう一緒に働かないのに、なぜまだ何かを一緒にするのかと聞くロスに、レイチェルは友達だからだと返します。
Ross: Okay, but do you really need another friend?
(そうか、でも本当にもう一人友達が要るのか?)
Rachel: Okay, well if I stop playing with Joey and Chandler can I play with Mark?
(わかった、じゃあジョーイとチャンドラーと遊ぶのをやめたら、マークと遊んでいい?)
Ross: Is that funny? Am I supposed to be laughing?
(それ、面白いのか?笑うところなのか?)
Rachel: I don’t know. You thought “see you Saturday” was funny.
(知らない。あなたは「じゃあ土曜に」を面白がってたじゃない。)
Friends Season3 Episode14(The One With Phoebe’s Ex-Partner)
play with は子ども同士が遊ぶときにも使われる言い方で、レイチェルの「ジョーイとチャンドラーと遊ぶのをやめたら」は、遊び相手の許しを求める子どものような言い方を借りた皮肉と読み取れます。ロスは Am I supposed to ~?(〜することになっているのか)を使い、「ここは笑うところなのか」と返します。レイチェルは、ロスが最初に面白がっていたマークの一言を持ち出して、同じ funny で切り返しています。
「I would love to go with you」と「I would love for you to go with me」
レイチェルは、マークがファッションの仕事をしていて、こうした話を分かち合える友達がいるのがうれしいのだと説明します。share ~ with 人 は「〜を人と分かち合う」で、a friend that I can share this stuff with の最後の with は、前の a friend につながる形です。続けてレイチェルは、ロスたちは講演には一緒に来ないだろうと言います。
Rachel: Honey, Mark is in fashion. I like having a friend that I can share this stuff with.
(ねえ、マークはファッションの仕事なの。こういうことを分かち合える友達がいるのがうれしいのよ。)
Rachel: You guys would never want to go to a lecture with me.
(あなたたちは絶対、私と講演になんか行きたがらないでしょ。)
Ross: I would love to go with you.
(ぜひ一緒に行きたいよ。)
Friends Season3 Episode14(The One With Phoebe’s Ex-Partner)
レイチェルが本当かと聞き返すと、ロスは、服くらい持っているし自分で選んでもいると答えます。それを聞いたレイチェルの返事が次の一言です。
Rachel: Okay, honey, I would love for you to go with me.
(わかった、ねえ、ぜひ一緒に来てほしい。)
Rachel: What?
(何?)
Ross: What should I wear? Now I’m all nervous.
(何を着ていけばいい?なんだか緊張してきたよ。)
Friends Season3 Episode14(The One With Phoebe’s Ex-Partner)
二つの文は、for you が入るかどうかだけの違いに見えますが、行くのが誰なのかが入れ替わります。
| 形 | 行くのは誰か | 意味 |
|---|---|---|
| I would love to go with you. | 話し手(I) | 自分が一緒に行きたい |
| I would love for you to go with me. | 相手(you) | 相手に一緒に来てほしい |
I would love to do は「(自分が)ぜひ〜したい」で、ロスの文では行くのはロス自身です。一方の I would love for 人 to do は、for 人 が to do の主語の役目を持ち、「(その人に)ぜひ〜してほしい」という意味です。レイチェルはこの形で、ロスに来てほしいと伝えています。
この for を入れる形は、アメリカ英語の会話で使われることが多いとされます。for を入れずに I would love you to ~ と言う形もあります。誘いに応じるときは I would love to、来てほしいと頼むときは I would love for you to と覚えておくと、言い分けやすくなります。
ロスの What should I wear? は「何を着ればいい?」と相手に意見を求める形で、Now I’m all nervous. の all は「すっかり」と気持ちを強める働きです。レイチェルの You guys would never want to ~ の would never は「(どうせ)〜しようとはしないでしょう」という見込みを表し、ロスの I would love to はその見込みを打ち消す答えにもなっています。
まとめ|一緒に行きたい・来てほしいを伝える英語
I would love to go with you と I would love for you to go with me の違い、It’s not the lecture I mind で嫌な点を絞る言い方を見てきました。for 人 の有無に気づくと、誘う側と誘われる側の聞き分けがしやすくなります。
寝室での二人の会話を観ながら、二つの love の形を聞き比べることができます。
講演の日の二人の会話は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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