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『フレンズ』シーズン3第6話は、物語の大半が3年前の回想として描かれる回です。回想の中のフィービーは、モニカと住んでいた部屋をすでに出てほかの場所で暮らしているのに、そのことをモニカに話せていません。
一緒に暮らす相手に「もうここには住んでいない」と伝えるのは、友達同士でも気をつかう場面です。打ち明けを促される一言、最初の一言、相手を責めずに理由を伝える言い方を順に見ていきます。
「When are you going to tell ~?」と打ち明けを促される
3年前の回想は、モニカとフィービーの部屋から始まります。モニカが出かけていったあと、フィービーは同じ部屋にいたロスに、だから自分は出ていったのだと口にします。ロスはその言葉を受けて、モニカにはいつ話すのかと切り出します。
Phoebe: And that’s why I moved out.
(だから私、出ていったの。)
Ross: You know, while we’re on that when are you going to tell my sister that you don’t live here anymore?
(なあ、その話が出たついでに聞くけど、もうここに住んでないって、いつ妹に言うつもりなんだ?)
Phoebe: I think on some level she already knows.
(ある意味では、もう分かってると思うけど。)
Ross: She doesn’t know you sneak out every night… That you sneak back every morning. She doesn’t know that you’ve been living at your grandmother’s for a week now.
(妹は知らないよ、君が毎晩こっそり出ていって……毎朝こっそり戻ってくることは。もう1週間おばあさんの家で暮らしてることだって知らないんだ。)
Phoebe: Okay, well, maybe not on those levels.
(分かった、まあ、そういう意味では知らないかもね。)
Friends Season3 Episode6(The One With the Flashback)
When are you going to tell ~? は「いつ〜を伝えるつもり?」と、相手がまだ話していないことを前提に、その時期を尋ねる形です。ロスは while we’re on that(その話が出たついでに)と前置きしてから本題に入っています。フィービーが自分から「出ていった」と口にしたのを受けて、言いにくい話題へつなげている流れです。
フィービーの on some level は「ある意味では」という言い方で、はっきり伝えなくても相手は察しているはずだ、と答えをぼかしています。ロスはこれに対して、毎晩こっそり出かけて毎朝こっそり戻ってくること、もう1週間祖母の家で暮らしていることを挙げ、モニカはそこまでは知らないと返します。
フィービーの maybe not on those levels は、自分が使った level を複数形にして言い直した一言です。「そういう意味では知らないかもね」と相手の指摘を認める形になっており、言い分を引っ込めるときの軽い言い直しとして使える組み立てです。
「I don’t live here anymore」最初の一言と言えなかった理由
回想の場面が移り、モニカは部屋で掃除機をかけていて、フィービーのベッドがないことに気づきます。フィービーはとぼけてみせたあと、本当のことを口にします。
Phoebe: I-I-I don’t live here anymore.
(わ、私、もうここに住んでないの。)
Monica: What are you talking about?
(何言ってるの?)
Phoebe: I’m sorry. I… I… I… I don’t live here anymore. I-I didn’t know how to tell you, but you know
(ごめんね。私……私……もうここに住んでないの。ど、どう言えばいいか分からなくて、でもほら)
Friends Season3 Episode6(The One With the Flashback)
I don’t live here anymore. は、今の状態を現在形で伝える一文です。not ~ anymore が「以前はそうだったが、今はもう違う」という変化を表します。フィービーは同じ文を繰り返し、その間に I’m sorry. を挟んでいます。続く I didn’t know how to tell you は「どう伝えればいいか分からなかった」と、すぐに話せなかった理由を添える言い方です。how to ~ を使うことで、伝え方に迷っていたことに焦点が当たります。
モニカがみんな知っているのかと聞き返すと、フィービーは、ソファのクッションの1つにインクの点を付けてしまい、1か月ほど眠れなかったという話を持ち出します。モニカが裏返せばよかったと言うと、フィービーは反対側にスパゲッティの大きなしみがあったと答え、こう続けます。
Phoebe: Okay, this is what I’m talking about— this. I need to live in a land where people can spill.
(ほら、こういうことなの、これ。私は、人がものをこぼしてもいい国で暮らさなきゃだめなの。)
Monica: Well, you can spill… In the sink.
(別にこぼしてもいいわよ……流しでならね。)
Friends Season3 Episode6(The One With the Flashback)
this is what I’m talking about は「私が言っているのはこういうことなの」と、その場のやりとりを例にして要点を示す言い方です。a land where people can spill は大げさなたとえで、眠れなかった話と合わせて語られます。モニカは in the sink と条件を後ろに付け足して返しています。
「It’s not your fault」相手を責めずに決断を伝える
フィービーはここで、なぜ出ていったのかを自分の言葉で伝えます。
Phoebe: Aw, honey, it’s not your fault, you know. This is who you are and I love you And I want us to be friends and if I keep living here I don’t see that happening.
(ねえ、あなたのせいじゃないのよ。これがあなたなんだし、私はあなたが大好き。これからも友達でいたいの。ここに住み続けたら、そうなるとは思えないの。)
Monica: I love you too.
(私も大好きよ。)
Phoebe: What?
(なに?)
Monica: What? I’m just sad.
(なに? ただ悲しいだけよ。)
Phoebe: No, you’re wondering which cushion it is.
(違う、どのクッションか気になってるんでしょ。)
Friends Season3 Episode6(The One With the Flashback)
フィービーは最初に It’s not your fault. と、モニカを責めていないことを伝えています。続く This is who you are は「これがあなたという人なの」と、相手のあり方をそのまま受け入れる一言です。そのうえで I want us to be friends と、これからの関係を望んでいることを示します。
最後の if I keep living here I don’t see that happening は、keep ~ing(〜し続ける)で同居を続けた場合を仮定し、I don’t see that happening(そうなるとは思えない)で見通しを控えめに否定する組み立てです。出ていく理由を相手への不満としてではなく、友達でいるための選択として説明する形です。
モニカは I love you too. と返し、二人は抱き合います。そのあとフィービーに「What?」と聞かれたモニカは、I’m just sad.(ただ悲しいだけ)と答えます。just は「〜なだけ」と気持ちを限定する働きです。フィービーはそこで、どのクッションか気になっているのだろうと返し、話はインクの点の件に戻ります。モニカが本当にそう考えていたのかは、作中では描かれていません。
まとめ|同居をやめたことを打ち明ける英語
When are you going to tell ~? で促され、I don’t live here anymore と I didn’t know how to tell you で事実と理由を伝え、It’s not your fault で相手を責めずに決断を示す流れを見てきました。言いにくい話を切り出す順番として使いやすい組み立てです。
3年前の回想の中の二人のやりとりから、友達との距離の取り方を言葉にする英語が見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、この回の別の場面の英語を取り上げています。


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