「You betcha」と「Yeah, right」はどう違う?本気の返事と皮肉の返事の英語|『フレンズ』S03E06で学ぶ英会話

『FRIENDS』コラム: 「You betcha」と「Yeah, right」はどう違う?本気の返事と皮肉の返事の英語|『フレンズ』S03E06で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『フレンズ』シーズン3第6話は、物語の大半が3年前の回想として描かれます。回想の中のバーで交わされるチャンドラーとモニカの会話には、二、三語で終わる短い返事が続けて出てきます。

同じ「はい」に聞こえる返事でも、本気の肯定なのか、皮肉なのか、その場の社交辞令なのかで意味は変わります。短い返事の字面と、作中での中身の違いを、3つの場面から順に見ていきます。

目次

「Do I ever.」と「Got me.」質問に二語で返す

3年前の回想で、バーに入ってきたチャンドラーに、先に来ていたモニカが話しかけます。

Chandler: Hey, Mon.
(よう、モン。)
Monica: You want to hear something that sucks?
(最悪な話、聞きたい?)
Chandler: Do I ever.
(聞きたいに決まってるだろ。)
Monica: Chris says they’re closing down the bar.
(クリスが言うには、このバー、閉店するんだって。)
Friends Season3 Episode6(The One With the Flashback)

Do I ever. は疑問文の形をしていますが、質問ではありません。相手の Do you want ~? を受けて「聞きたいかって? そりゃもう」と、強い肯定を返す言い方です。ever が「本当に」「とても」という強調の働きをしていて、文字にすると疑問符を付けずに書かれることもあります。ここでは、ひどい話をわざわざ聞きたがる軽い冗談として使われています。

モニカの話には続きがあり、閉店したあとの店の話になります。

Monica: They’re turning it into some kind of coffee place.
(コーヒーの店みたいなのに変えるらしいの。)
Chandler: Just coffee? Where are we going to hang out now?
(コーヒーだけ? じゃあ俺たち、これからどこでたむろすればいいんだよ?)
Monica: Got me.
(さあね。)
Friends Season3 Episode6(The One With the Flashback)

Got me. は、You’ve got me. を縮めた形で、ここでは「さあね」「分からない」という意味です。答えが見つからない質問に、肩の力を抜いて返すときの一言です。チャンドラーの hang out は「(友達と)たまる」「過ごす」という意味で、集まる場所がなくなる話を受けた問いです。Do I ever. と Got me. はどちらも二語ですが、片方は強い肯定、もう片方は答えられないことを伝える返事です。

「You betcha」と「Yeah, right」本気の肯定と皮肉の肯定

同じ場面で、モニカはルームメイト探しのことを尋ねます。

Monica: Did you pick a roommate?
(ルームメイトは決まった?)
Chandler: You betcha.
(もちろん。)
Friends Season3 Episode6(The One With the Flashback)

You betcha. は You bet をくだけた発音どおりに書いた言い方とされ、「もちろん」「そのとおり」という明るい肯定です。You bet. と同じように、相手の質問にそのまま「はい」と答える場面で使われます。チャンドラーはこの時点で、ルームメイトにする相手を決めていると答えています。

続けてモニカに、候補の一人のことかと聞かれると、チャンドラーは Yeah, right. と返し、こう続けます。

Chandler: Oh, yes, that’s what I want— A roommate that I can walk around with and be referred to as “the funny one.”
(ああ、そうだよ、それこそ俺が欲しいもの……一緒に歩いてたら俺が「面白いほう」って呼ばれるようなルームメイトがね。)
Friends Season3 Episode6(The One With the Flashback)

Yeah, right. は字面だけ見れば「うん、そうだね」ですが、ここでは「まさか」「冗談だろう」という否定の皮肉です。そのあとの Oh, yes, that’s what I want も、肯定の形をとりながら、望んでいないことを伝えています。二人並ぶと自分が「面白いほう」とだけ呼ばれてしまう、という続きの台詞で、皮肉だと分かる流れです。

返事 字面 この場面での意味
Do I ever. 疑問文の形 強い肯定
Got me. 「参った」 分からない
You betcha. 肯定 本気の「もちろん」
Yeah, right. 肯定 皮肉の「まさか」

You betcha. と Yeah, right. はどちらも yes に近い形の返事ですが、意味は反対です。文字だけでは区別しにくいため、続く一言や声の調子で読み分けることになります。

「Oh, that’d be great.」別れ際の誘いへの返事

同じバーで、モニカは高校の同級生だったレイチェルを見かけて声をかけます。レイチェルはこのとき婚約していて、二人は少し言葉を交わします。モニカが友達のところへ戻ろうとすると、レイチェルはこう誘います。

Rachel: Listen. Can we please have lunch the next time I’m in the city?
(ねえ、今度街に出てきたとき、ぜひランチしようよ。)
Monica: Oh, that’d be great.
(わあ、いいわね。)
Friends Season3 Episode6(The One With the Flashback)

Can we please ~? は please を入れて「ぜひ〜しようよ」と気持ちを込める誘い方です。the next time ~ は「今度〜するとき」で、具体的な日付を決めない誘いになります。モニカの That’d be great. は that would be great の短縮形で、would が「そうなったら」という仮定を含むため、「実現したらうれしい」という前向きな返事になります。

ただ、別れのあいさつを済ませたあと、モニカはチャンドラーに Ten bucks says ~(〜に10ドル賭けてもいい)という言い方で、あの人にはもう二度と会わないだろうと話します。That’d be great. が本気だったのかどうかは作中では語られていませんが、返事の言葉と直後の一言の差がこの場面の笑いになっています。のちにレイチェルがモニカの部屋で暮らすようになることは、シリーズの第1話で描かれています。

まとめ|短い返事の本気と皮肉

Do I ever. の強い肯定、Got me. の「さあね」、You betcha. の本気の「もちろん」、Yeah, right. の皮肉、That’d be great. の前向きな返事を見てきました。短い返事ほど、続く一言で意味が決まることが分かります。

次回も『フレンズ』の会話を手がかりに、言葉の裏側にある意味を一緒に読み解いていきましょう。

同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の会話の流れがつかみやすくなります。

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