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『メンタリスト』シーズン1第14話では、亡き妻の遺品を受け取りに訪れた資産家が、CBIの捜査官に協力を誓う紳士然とした顔の裏で、一本の電話をちらつかせて捜査官を脅しにかかります。そしてパーティ会場では、その資産家の体裁だけを取り繕う態度に、ジェーンが真正面から切り込みます。
権力や財力を笠に着た脅し文句と、それを受け流したりはねのけたりする側の言い回しには、それぞれ独特のニュアンスが詰まっています。順番に見ていきましょう。
権力を笠に着た脅し文句
亡き妻クレアの遺品を受け取りにCBI本部を訪れたウォルコットは、リズボンに愛想よく協力を誓います。
Wolcott: And I told him that I will not rest until the man who did this is brought to justice. I will not rest.
(司法長官には、この事件をやった男を裁くまで、私は決して休まないと伝えました。決して休みません。)The Mentalist Season1 Episode14 (Crimson Casanova)
will not rest until 〜は「〜するまで決して休まない」という決意表明の定型句です。目的を果たすまで手を緩めないという強い意志を示す言い回しで、公の場での宣言によく使われます。
ところが、いざチョウの尋問で妻の不倫相手の名前を明かすよう迫られると、ウォルコットの態度は一変します。
Wolcott: Are you sure, Agent Cho? Because I can make one phone call, and your career is toast.
(確かかね、チョウ捜査官?私が一本電話をかければ、お前のキャリアは終わりだぞ。)Cho: That’s impressive. The best I can get with one call is a pizza.
(大したものだ。こっちが一本の電話でできる精一杯は、ピザの出前くらいだ。)The Mentalist Season1 Episode14 (Crimson Casanova)
be toastは「もう終わりだ」「おしまいだ」という意味の口語表現です。パンが一度トーストとして焼かれると元のパンには戻れないことから、後戻りできない状況を指すようになった言い回しとされています。ここでは「career is toast(キャリアは終わりだ)」という形で、権力をちらつかせた脅し文句として使われています。それに対してチョウが「ピザの出前」という軽い返しで受け流す対比が、この場面の面白いところです。
体裁だけを取り繕う相手への切り返し
事件の夜のパーティ会場で、ジェーンはウォルコットに愛人への20万ドルの件を切り出します。「敬意を払え」と返すウォルコットに対し、ジェーンの言葉は容赦がありません。
Jane: Respectful? You contemptible little buffoon. Your wife just died, and you’re swanning around in a monkey suit drinking punch and laughing with your idiot friends, and you want respect? There’s your respect.
(敬意ですって?見下げ果てた道化じゃないか。奥様が亡くなったばかりだというのに、タキシード姿ではしゃぎ回ってパンチを飲み、間抜けな友人たちと笑い合っている。それで敬意を払えと?ほら、これが敬意だ。)The Mentalist Season1 Episode14 (Crimson Casanova)
swan aroundは、白鳥(swan)が水面を優雅に泳ぐ様子から、見せびらかすように気取って振る舞うことを指す言い回しです。ここでは喪服も着ずにパーティ会場を気取って歩き回る様子への皮肉として使われています。You contemptible little buffoonの buffoon は「道化」「おどけ者」を意味する語で、little を添えることで見下すニュアンスがさらに強まります。
丁寧な言葉遣いを保ちながら相手の体裁を切り崩すジェーンの言い回しと、権力を振りかざすウォルコットの物言いは、同じ「相手を動かす言葉」でも方向性が正反対です。表向きの丁寧さの奥に何を込めるかで、英語の言い回しの印象は大きく変わってきます。
まとめ|脅しと体裁、それぞれの英語
career is toast は権力を背景にした脅し文句、swanning around と buffoon は体裁だけを取り繕う相手への辛辣な指摘として使われています。どちらも表現の奥に、話し手の立場や感情がにじみ出ているのが分かります。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。
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