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『メンタリスト』シーズン3第18話の序盤に、検視局から医師が来ている捜査の場面があります。そこでは、近づきすぎないよう求める台詞と、それを冗談まじりにかわす返事が続きます。
同じ「離れてほしい」でも、頼み方の改まり具合や念押しの仕方、返し方の温度によって、場面の空気は大きく変わります。依頼、念押し、返しの三つを、台詞に沿って順に見ていきます。
「Three steps back, please.」距離を取るよう求める言い方
検視局から医師が来ていることが台詞で触れられたあと、捜査の場面では次のやりとりが出てきます。
— Three steps back, please.
(三歩下がってください。)
— What?
(え?)
— Please maintain a distance of at least three steps from the body.
(遺体から少なくとも三歩は距離を保ってください。)
The Mentalist Season3 Episode18 (The Red Mile)
Three steps back は「三歩分うしろへ」という意味で、step を数の単位にして距離を示しています。末尾の please がつくことで、短い依頼の形に整います。
聞き返す What? のあと、同じ内容が Please maintain a distance of at least three steps from the body. と、改まった言い方で言い直されます。maintain a distance of ~ は「〜の距離を保つ」、at least ~ は「少なくとも〜」という意味です。from the body は、何から離れるのかを一文の中で示す部分です。
歩数で示すと、メートルやフィートを持ち出さずに、その場で距離を伝えられます。短い依頼から改まった言い換えへ進む流れには、依頼の温度が一段上がっていく様子が表れています。
「Clear?」守らなかった場合を示して念押しする
同じ場面には、念押しにあたる台詞も出てきます。
— If you do, a deputy will remove you. Clear?
(その場合は、保安官助手が退場させます。いいですね?)
The Mentalist Season3 Episode18 (The Red Mile)
If you do, ~ の do は、直前に述べられた事柄を受ける語です。「それをした場合は」と結果を告げる形になっています。a deputy will remove you は「保安官助手があなたを退場させる」という意味で、deputy は保安官を補佐する立場の人を指します。台詞の別の箇所でも、保安官助手にあたる人たちが話題に出てきます。
will remove you と未来形で言い切ることで、結果があらかじめ決まっているものとして告げられます。最後の Clear? は「分かりましたか」と短く確かめる言い方です。同じ立場の相手との日常の場面で使うと、上から言い渡す響きを帯びることがあります。
この場面の言葉の中には、ジェーンの名前を組み込んだ「立入禁止区域」をもじった言い回しもあり、制止がジェーンに向けたものだと分かります。依頼で終わらず、結果を示して念を押す二段構えが、この場面の特徴です。
「That’s a little harsh, no?」きついと返して、冗談でかわす
制止の言葉のあと、次のようなやりとりが続きます。
— That’s a little harsh, no?
(ちょっときつくない?)
— You have driven me to desperate measures.
(あなたのせいで、必死の手段に出るはめになりました。)
— Well, I’m nothing if I’m not respectful of my fellow crime-fighters.
(仲間の犯罪と戦う人たちへの敬意がなければ、私は何者でもありません。)
— But I can see everything I need to from here anyway.
(でも、ここからでも必要なものは全部見えます。)
The Mentalist Season3 Episode18 (The Red Mile)
harsh は「厳しい・きつい」という意味で、a little がつくと言葉の角が少し和らぎます。文末の no? は、「そうじゃない?」と同意を求める付け足しです。
You have driven me to desperate measures. は、直訳すると「あなたは私を必死の手段へ追いやった」です。drive ~ to … が「〜を…へ追い込む」を表します。me は制止した側を指し、「きつい」と言われたことへの返答として、大げさな言い方で制止の理由を示しています。
I’m nothing if I’m not respectful of ~ は、「〜への敬意がなければ何者でもない」と言い切る形です。fellow crime-fighters は、同じ犯罪と戦う仲間を指しています。
礼儀の話をしながら、最後の But I can see everything I need to from here anyway. で、距離があっても困らないと切り返しています。anyway は、前の話を受けたうえで「それでも」と進める語です。from here は「今いる位置から」を指し、離れた場所でも事足りると言うための部分です。
きついと言い返すと、制止した側は大げさな言い方で応じ、それを礼儀の話と anyway でかわす、という順に言葉が行き来します。返し方の選択肢が、短い言葉の中に並んでいます。
まとめ|依頼、念押し、返しの三つで場面が動く
Three steps back, please. から maintain a distance of ~ へと改まる依頼、If you do, ~ と Clear? の念押し、That’s a little harsh, no? や anyway を使ったかわし方を見てきました。三つがそろうと、距離をめぐる短いやりとりが立体的に見えてきます。
次回も『メンタリスト』と一緒に、ほかの場面の英語を見ていきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の別の場面の英語を扱っています。


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