「corporate retreat」と「trust fall」に見る、アメリカ企業の研修文化|『メンタリスト』S01E17で学ぶ英会話

『The Mentalist』コラム: 「corporate retreat」と「trust fall」に見る、アメリカ企業の研修文化|『メンタリスト』S01E17で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ「ドラマdeエイゴ」へようこそ。

『メンタリスト』シーズン1エピソード17では、カーネリアン本社での聴取を終えたジェーンとリズボンが、車で長い道のりを戻る場面が描かれます。同僚の死にも動じない幹部たちの様子について語り合ううち、話題は「corporate retreat」というアメリカ企業の研修文化に及びます。

事件そのものからは少し離れた、二人だけの車内の会話をたどりながら、その文化的な背景に触れていきます。

目次

「primitive brainwashing」と評される corporate retreat

幹部たちの様子に違和感を覚えたリズボンに対し、ジェーンは企業研修についてこう皮肉ります。

Jane: “Oh, sure you can. That’s what these corporate retreats are all about. It’s primitive brainwashing via group suffering. It’s like office karaoke or, uh, fraternity hazing.”
(「できるさ。企業研修というのは、まさにそのためにあるんだから。集団で苦しみを共有させる、原始的な洗脳だよ。オフィスのカラオケ大会や、まあ、新入生いびりみたいなものさ」)

The Mentalist Season1 Episode17 (Carnelian Inc.)

corporate retreatは、社員が職場を離れて宿泊を伴う場所で行う研修・合宿を指す言葉です。チームビルディングや幹部研修の名目で、ホテルやリゾート施設を利用して数日間かけて実施されることが多く、アメリカ企業では一般的な人事施策の一つとして知られています。ジェーンが引き合いに出すoffice karaoke(職場のカラオケ大会)やfraternity hazing(学生社交クラブの新入生いびり)は、いずれも「集団に溶け込むための通過儀礼」という共通点を持つ言葉で、研修という制度そのものへの皮肉として選ばれています。

brainwashing(洗脳)という強い語をprimitive(原始的な)で修飾しているところにも、ジェーンらしい大げさな言い回しが表れています。実際のcorporate retreatは、コミュニケーション研修やリーダーシップ研修といった実務的な内容を含むことも多く、その位置づけや実施頻度は企業の規模や業種、時代によっても幅があります。ジェーンの発言は、あくまで制度そのものへの懐疑を語る彼一流の見方として受け止めておきたいところです。

リズボン自身の retreat 体験と trust fall

一方のリズボンは、自身が経験した研修についてこう語ります。

Lisbon: “Mm. I went on a retreat when I got promoted to head of the unit. I mean, I wasn’t humiliated. I wasn’t brainwashed.”
(「ん。ユニット長に昇進したとき、私も研修に行ったわ。屈辱を受けたわけでもないし、洗脳されたわけでもない」)

The Mentalist Season1 Episode17 (Carnelian Inc.)

went on a retreat(研修に行った)という一言からは、昇進のタイミングで研修に参加するという、キャリアの節目に紐づいた制度としてのretreatの位置づけがうかがえます。信頼関係を疑うリズボンに対し、ジェーンはそれならばと、こう持ちかけます。

Jane: “Well, we have to remedy this. Let’s do a trust fall.”
(「それなら、直さないとね。トラストフォールをやろうか」)

The Mentalist Season1 Episode17 (Carnelian Inc.)

trust fall(信頼落とし)は、後ろ向きに倒れる一人を、後ろに立つ相手が受け止めるという定番のチームビルディング演習です。企業研修の場でよく行われる象徴的な種目として知られており、ジェーンが軽口として持ち出すのも、この演習がアメリカの職場文化の中である程度共有されたイメージを持っているからこそ成立する冗談だと言えます。

表現 意味
corporate retreat 職場を離れて行う社員研修・合宿
team building チームの結束力を高める取り組み全般
trust fall 後ろに倒れる相手を受け止める信頼構築の演習

信頼を試す演習を軽い調子で持ちかけるジェーンと、それをやんわり拒むリズボンとのやり取りには、研修という制度が目指す「信頼構築」という建前と、実際の人間関係との距離感も表れています。研修の効果や実施率には企業・時代による差があるため、作中の描写はあくまで一つの見方として捉えておくのが妥当です。

まとめ|研修という制度をめぐる二人の温度差

corporate retreat、office karaoke、trust fall。ジェーンの皮肉とリズボンの実体験が交差する会話からは、集団への帰属を促す研修という制度に対する、二人の温度差が見えてきます。

『メンタリスト』の登場人物たちの会話を通して、アメリカの職場文化にもこれからも触れていきます。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。

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