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犯罪捜査ドラマ『メンタリスト』シーズン1エピソード18では、事件解決を祝うオフィスの一幕と、取り調べの相手から心理的な揺さぶりをかけられる一幕という、性質の異なる2つの場面が続けて描かれます。
どちらの場面でも、CBIチームのメンバーは指摘や揺さぶりをただ受け止めるのではなく、言葉で切り返します。その2つの言い返し方を見ていきます。
「Pot meet kettle」―自分を棚に上げた指摘への切り返し
ケースクローズを祝うピザの席で、誰かがジェーンに向かって、暗示ばかり見えている、むしろジェーン自身の方が暗示にかかりやすいのではないか、とからかいます。それを受けて、ジェーンが返すのが次のひとことです。
Jane: Oh, right, too much of a control freak for that? Hmm. Pot meet kettle. Kettle, pot.
(そういうそっちこそ、支配欲が強すぎてそれどころじゃないだけじゃないのか? ふむ。鍋がやかんの黒さを笑う、ってやつだね。やかんと鍋、どっちもどっちだ。)The Mentalist Season1 Episode18 (Russet Potatoes)
pot meet kettle は、”the pot calling the kettle black”(鍋がやかんを黒いと笑う)ということわざを砕けた形で言い切ったフレーズです。どちらも同じように黒く煤けているのに、一方がもう一方を非難する滑稽さから、自分を棚に上げて相手を非難することを表す言い回しとして定着しています。続けて口にする kettle, pot. は、鍋とやかんの順序を入れ替えて即座に投げ返す言い方で、「そっくりそのままお返しします」というニュアンスを強めています。
話し言葉では “Pot, meet kettle.” のように単体でも使われ、相手の指摘がそのまま自分にも当てはまるときの切り返し文句として機能します。前置きなしに指摘の矛盾を一言で言い当てる、テンポの良い言い回しです。
「Up your game」―揺さぶりの土俵に乗らない切り返し
もう一つの場面は、取り調べの席です。ロイストン・ダニエル博士は、担当のヴァン・ペルト捜査官に対して、出自を言い当てるような心理的な揺さぶりをかけます。それに対してヴァン・ペルトが返すのが、次のひとことです。
Van Pelt: No offense, but I’ve been working with Patrick Jane for nine months now. You want to get under my skin? You’re gonna have to up your game. Shall we?
(悪気はないですが、私はもう9か月もパトリック・ジェーンと一緒に仕事をしています。私を動揺させたいなら、もっと本気を出してもらわないと。行きましょうか。)The Mentalist Season1 Episode18 (Russet Potatoes)
直前の get under someone’s skin は、「(人)をいらだたせる」「心をかき乱す」という意味の慣用句です。文字通りには「皮膚の下に入り込む」で、そこから転じて相手の平静さを崩すほど神経に障る、というニュアンスになります。それに対する up your game は「もっと本気を出す」「レベルを上げる」という意味の口語表現です。up を動詞的に使い、your game(自分のやり方・実力)を持ち上げるという構造になっています。スポーツの実況などでよく耳にする言い回しですが、この場面のように交渉や心理戦の場で「その程度では通用しない」と相手に言い返す時にも使われます。
pot meet kettle が慣用句をそのまま切り返しに使う言い方だったのに対し、up your game は相手の揺さぶりの土俵に乗らず、平然と条件を上げてみせる切り返し方です。指摘への反射的な言い返しと、揺さぶりへの動じない切り返し。2つの場面を並べると、CBIチームのメンバーがそれぞれのやり方で言葉を返している様子が見えてきます。
まとめ|pot meet kettleとup your gameに見るCBIの切り返し方
pot meet kettle、kettle pot、get under someone’s skin、up your game。指摘や揺さぶりをそのまま切り返す表現をたどってみると、CBIチームらしい間合いの取り方が見えてきます。
『メンタリスト』のやり取りは、これからも英語表現を読み解く手がかりになっていきます。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。
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