「Forget the fish!」予定していた作戦を途中で切り替えるときの英語|『モダンファミリー』S08E05で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「Forget the fish!」予定していた作戦を途中で切り替えるときの英語|『モダンファミリー』S08E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン8第5話では、ジェイがかつてのライバルであるアール・チェンバースに向けて、マニーを巻き込んだ作戦を立てます。ところがその作戦は、途中で中身ががらりと変わります。

予定を取り消す、別の案に差し替える、最後には手放す。計画が動くたびに出てくる短いひと言は、日常の段取りの会話にもそのまま応用できます。ジェイの作戦の移り変わりに沿って見ていきます。

目次

最初の作戦と、「play innocent」

マニーは、ルークのパーティーではなく、アール・チェンバースの一家のソフィーが開くパーティーに行きたがっています。グロリアがルークのパーティーに行くよう言いつけると、ジェイは声をそろえたうえで、別の指示を出します。

Jay: You heard your mother! You’re going to Luke’s!
(母さんの言うことを聞いたろ! ルークのとこへ行け!)

Jay: You’re going to Earl’s.
(アールのとこへ行くんだ。)

Manny: What?
(え?)

Jay: You’re gonna put dead fish in his shoes.
(あいつの靴に死んだ魚を入れてこい。)

Modern Family Season8 Episode5 (Halloween IV: Revenge of Rod Skyhook)

You heard your mother! は「母さんの言ったことは聞こえただろう」が直訳で、親が子どもに「言われたとおりにしなさい」と念を押すときの決まり文句です。You’re going to ~. は予定をそのまま告げる形で、命令文より有無を言わせない響きがあります。同じ形を2回続けて行き先だけを入れ替えているところに、この場面のおかしさがあります。

作戦の背景には、ある写真をめぐる因縁があります。ジェイによれば、もともとはサイン入りの写真の話です。

Jay: Well, one day, the picture disappears and Earl plays innocent.
(ところがある日、その写真が消えて、アールはしらばっくれた。)

Jay: But the whole time, he’s had it.
(だが、ずっとあいつが持ってたんだ。)

Modern Family Season8 Episode5 (Halloween IV: Revenge of Rod Skyhook)

play innocent は「無実のふりをする、しらばっくれる」という意味です。play には「〜の役を演じる」の働きがあり、play dumb(知らないふりをする)も同じ組み立てです。the whole time は「その間ずっと」で、後から事実が分かったときによく添えられます。

「Forget the fish!」で作戦を差し替える

マニーとのやりとりの中で、ジェイは目当てを魚から写真に切り替えます。

Jay: Steal that picture!
(その写真を盗め!)

Manny: But what about the fish?
(でも魚は?)

Jay: Forget the fish!
(魚はもういい!)

Manny: Oh, so, for no reason, I’ve just been carrying around this red herring?
(じゃあ僕は、何の意味もなく、このおとりの魚を持ち歩いてたってこと?)

Modern Family Season8 Episode5 (Halloween IV: Revenge of Rod Skyhook)

Forget ~! は「〜のことは忘れろ」が直訳で、それまでの予定を「もういい、やめだ」と打ち切るときに使います。Forget the cake, let’s just order pizza.(ケーキはもういいや、ピザを頼もう。)のように、代わりの案とセットで使うと切り替えがはっきりします。取り消された側の What about ~? は「〜はどうするの?」と、宙に浮いたものの扱いを確かめる問いかけです。

マニーの red herring は、本来は「人の注意をそらすもの、偽の手がかり」を指す慣用句です。推理小説の用語としても知られています。ここでは、実際に魚を持ち歩いてきたのに、その魚が作戦から外れてしまった自分を、この言葉で言い表しているのが面白いところです。

その後、ジェイはグロリアとこんな会話をします。

Gloria: So disappointed in him.
(ほんとにがっかり。)

Jay: I know, and I hate to drive over there and drag him to Luke’s, but I know better than to try to stop you.
(ああ。向こうまで行ってあいつをルークのとこへ引っ張っていくのは気が進まないが、お前を止めても無駄なのは分かってる。)

Gloria: I feel bad about embarrassing him, but I was very clear about this.
(恥をかかせるのは気の毒だけど、このことははっきり言っておいたもの。)

Jay: Well, maybe next time he’ll get the picture.
(まあ、次こそあいつも察するだろうよ。)

Modern Family Season8 Episode5 (Halloween IV: Revenge of Rod Skyhook)

I know better than to ~ は「〜するほど愚かではない」という意味の表現です。get the picture は「状況を理解する、察する」という慣用句で、ここでは作戦の目当てである写真(picture)と重なって聞こえます。この直後にグロリアが、ジェイの笑いの理由を尋ねます。

「I don’t want to do this anymore」で手放す

アールの一家のパーティーで顔を合わせたあと、ジェイはアールにこう切り出します。

Jay: I don’t want to do this anymore.
(もうこんなことはやめにしたい。)

Earl Chambers: Wh– What are you saying?
(な、何を言ってるんだ?)

Jay: This has gone on too long.
(長く続きすぎた。)

Jay: The lies, the anger.
(うそも、怒りも。)

Jay: And what I left in your sock drawer tonight.
(今夜お前の靴下の引き出しに置いてきたものもな。)

Earl Chambers: What?
(何だって?)

Jay: Keep the picture, Earl.
(写真は持っていていい、アール。)

Jay: I forgive you.
(許してやる。)

Modern Family Season8 Episode5 (Halloween IV: Revenge of Rod Skyhook)

I don’t want to do this anymore. は、続けてきたことをやめたいと告げる率直な言い方です。This has gone on too long. は「長く続きすぎた」で、やめる理由を時間の長さに置きます。

アールの What are you saying? は「何が言いたいんだ」と相手の真意を問い返す言い方で、思いがけない申し出に戸惑う気持ちが表れています。続く The lies, the anger. は動詞のない名詞だけの並べ方で、やめたいものを一つずつ挙げていく形です。会話ではこうした省略が、言葉に重みを持たせる効果を生みます。

Keep the ~. は「〜はそのまま持っていていい」と相手に譲る形で、Keep the change.(お釣りはいりません)と同じ組み立てです。

ただし、続くジェイの言葉からは、許すこと自体がアールを悔しがらせる一手でもあったことが分かります。作戦を手放す言葉が、最後の一手として使われている点が見どころです。

まとめ|作戦を切り替える短いひと言

Forget ~! で予定を打ち切り、What about ~? で残ったものを確かめ、Keep the ~. と I don’t want to do this anymore. で手放す。ジェイの作戦の移り変わりから、計画を動かすときの短い英語がそろって見えてきます。

次回も『モダンファミリー』の家族の騒動と一緒に、使える言い回しを集めていきましょう。

パーティーの空気を動かす言い方や、宿敵をめぐる夫婦の会話は同じ回のほかのコラムで、個々の表現の使い方はフレーズ記事で扱っています。

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