「like」と「respect」はどう違う? 新しい職場で上司と部下の距離をはかる英語|『モダンファミリー』S05E02で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「like」と「respect」はどう違う? 新しい職場で上司と部下の距離をはかる英語|『モダンファミリー』S05E02で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン5第2話は、家族それぞれの「初日」が重なる回です。クレアは父ジェイのクローゼットの会社で働き始め、職場での振る舞い方をめぐって、さっそく父と考えが食い違います。

好かれることを大事にするのか、一目置かれることを大事にするのか。今回は like と respect の違いを軸に、上司と部下の距離を表す英語を、場面の順に追っていきます。職場で自分の立ち位置を伝えたいときにも役立つ言い回しがそろっています。

目次

「like」と「respect」の違いをジェイの忠告から

クレアは会社のためにクッキーを作って持ってきていました。それを見たジェイは、クッキーを置くように言い、理由をこう説明します。

Jay: Put the cookies down.
(クッキーを置け。)

Claire: Why?
(どうして?)

Jay: You’re management.
(お前は管理職だ。)

Jay: Makes you look desperate.
(必死に見える。)

Jay: Makes you look like you want everyone to like you.
(みんなに好かれたがってるように見えるぞ。)

Modern Family Season5 Episode2 (First Days)

Makes you look ~ は文頭の It が落ちた口語の形で、「(それをすると)〜に見える」という意味になります。好かれたがっているように見えることを、ジェイは管理職の弱みとして挙げています。これに対するクレアの答えと、ジェイの言い直しが続きます。

Claire: I do want everyone to like me.
(好かれたいに決まってるでしょ。)

Jay: You want everyone to respect you.
(お前が求めるべきは、みんなに一目置かれることだ。)

Jay: You got to be tough.
(厳しくなきゃだめだ。)

Modern Family Season5 Episode2 (First Days)

like は「好意を持つ」、respect は「敬意を払う」「一目置く」を表します。好かれるかどうかは親しみの問題で、敬意を持たれるかどうかは立場や仕事ぶりへの評価の問題だ、という線引きがジェイの言葉から読み取れます。

You’re management. の management は、ここでは「管理する側の人」をまとめて指す使い方です。You got to be tough. の got to は have got to のくだけた形で、「〜しなければならない」と強く勧めるときに使われます。

クレアの I do want ~ は、do を足して「本当に〜したい」と強める形です。ジェイはこのあと、部下と距離を保つようにとも言い添えます。クレアが言い返すと、ジェイはこう切り返します。

Claire: Well, maybe we are different kinds of managers.
(まあ、私たちはタイプの違う管理職なのかもね。)

Jay: Yeah, I’m yours.
(ああ。で、お前の上に立つのが俺だ。)

Jay: Just leave the cookies.
(クッキーは置いていけ。)

Modern Family Season5 Episode2 (First Days)

I’m yours. は、直前の managers を受けて「俺はお前の管理職だ」と言っている形です。言葉を省いて相手の言い分を自分の立場の話にすり替える、短い切り返しが印象的です。

「I’m a friend. I’m a colleague.」で距離を縮める

クレアは父のやり方を cold, distant authority figure(冷たく距離を置いた権威者)という言葉で言い表します。父とは反対に、親しみやすさで職場に入ろうとするのが、クレアの選んだやり方です。

同僚たちに声をかけた場面で、トッドがクレアについてこう言います。

Todd: That’s Pritchett’s daughter.
(あれがプリチェットの娘だよ。)

Claire: Um, yeah, but I don’t want you to think of me like that.
(ええ、そうだけど、そういうふうに見ないでほしいの。)

Claire: I’m
(私は……)

Claire: I’m a friend.
(友達よ。)

Claire: I’m a colleague.
(同僚なの。)

Claire: I’m just like you.
(あなたたちと同じなのよ。)

Claire: I’m Claire, you know worker bee, just Great to meet you.
(クレアよ、ほら、働きバチっていうか……会えてうれしい。)

Modern Family Season5 Episode2 (First Days)

think of A like that は「A をそういうふうに見る」という意味で、社長の娘という見られ方を打ち消そうとしています。そのあと I’m a friend. I’m a colleague. I’m just like you. と、自分を相手と同じ側に置く言葉を重ねていくのが見どころです。

colleague は同じ職場で働く人を指す、やや改まった語です。worker bee は働きバチのことで、地道に働く一員だと言いたいときのたとえとして使われます。

その後、クレアはジェイと話す場面で、あいさつの出来をこう振り返ります。

Claire: Okay, that did get a little away from me.
(ええ、ちょっと収拾がつかなくなったのは認める。)

Claire: But to be fair, I broke the ice.
(でも公平に見て、場の空気はほぐしたでしょ。)

Jay: Everybody thinks you’re a dummy.
(みんな、お前を間抜けだと思ってるぞ。)

Modern Family Season5 Episode2 (First Days)

get away from ~ は「〜の手に負えなくなる」という意味で、ここでは自分のあいさつが思わぬ方向へ転がったことを認めています。to be fair は「公平に言えば」と自分の言い分を付け加える前置き、break the ice は初対面の固い空気をほぐすことです。ジェイの返しはその自己評価をばっさり切り捨てる一言になっています。

「So maybe I should listen to you?」と「boss」

話の終盤、データ入力をしているクレアに、ジェイが進み具合を尋ねます。

Jay: How’s that data entry going?
(データ入力の調子はどうだ?)

Claire: Good.
(順調よ。)

Claire: I am up to 1998.
(1998年の分まで進んだ。)

Jay: Ah, that’s when I’d already been doing the job 20 years.
(ああ、その頃、俺はもうこの仕事を20年やってたな。)

Claire: So maybe I should listen to you?
(じゃあ、言うことを聞いたほうがいいってこと?)

Jay: Get you home a lot earlier.
(ずっと早く家に帰れるぞ。)

Claire: Thanks, boss.
(どうも、ボス。)

Modern Family Season5 Episode2 (First Days)

How’s ~ going? は物事の進み具合を気軽に尋ねる形で、仕事の様子を聞くときにも使えます。be up to ~ は「(順番に進めて)〜まで来ている」という意味です。ジェイは、その年には自分がもう20年この仕事をしていたと返し、経験の長さをさりげなく示します。

So maybe I should ~? は、相手の言い分を受けて自分の考えを見直すときの問いかけです。ジェイの Get you home a lot earlier. は主語が省かれた形で、言うことを聞けばもっと早く帰れる、という含みとも読めます。

最後の Thanks, boss. の boss は、上司への呼びかけとして使われる語です。皮肉なのか素直なお礼なのかは言葉だけでは決まらず、聞き手に解釈をゆだねる締めくくりになっています。冒頭で「好かれたい」と言い切ったクレアが、父を boss と呼んで話を終える流れが面白いところです。

実際の職場で使うなら、How’s the project going? のように進み具合を尋ね、I’m up to page 50. のように「どこまで来たか」で答える組み合わせが応用しやすい形です。So maybe I should ~? も、先輩の助言を受け止めるときに角を立てずに使えます。

表現 場面での働き
want everyone to like you 好かれたいという気持ち
want everyone to respect you 一目置かれたいという気持ち
I’m a friend. / I’m a colleague. 相手と同じ側に立とうとする
to be fair / break the ice 自分の言い分を添える・場をほぐす
So maybe I should listen to you? 相手の言い分を受けて考え直す

まとめ|好かれるか、一目置かれるか

want everyone to like you と want everyone to respect you、I’m a friend. I’m a colleague.、break the ice、So maybe I should listen to you?。クレアと父のやりとりから、距離を縮める言い方と保つ言い方の違いが見えてきます。

上司と部下の会話を思い浮かべながら、『モダンファミリー』の英語をこれからも味わっていきましょう。

同じ回の新学期の文化や、仕事の申し出に応じる英語は、ほかのコラムやフレーズ記事でも取り上げています。

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