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『モダンファミリー』シーズン3第12話では、初めて家を買う人向けのセミナーを開くフィルが、締めくくりのために「質問役」を用意します。ところが本番では質問役がおらず、フィルは観客の質問を自分の用意した流れへ引き寄せようとします。
今回は、打ち合わせ・リハーサル・本番の3つの場面から、段取りを打ち合わせる言い方、待っていた質問に応じる返し、話を戻す言い方を順に見ていきます。
「It’s just one question.」で段取りを確認する
フィルは新しい事務所のパートナーになり、初めて家を買う人を集めるセミナーを準備しています。ヘイリーも手伝いとして呼ばれていて、フィルは You’re my support staff. と言っています。クレアには質問を一つする役を頼んでいて、フィルはこう声をかけます。
Phil: Honey, do you wanna practice your part again?
(ハニー、自分のパートをもう一回練習しとく?)Claire: Uh, no.
(えーと、いいわ。)Claire: It’s just one question.
(質問ひとつだけでしょ。)Claire: I think I got it.
(大丈夫、覚えたわ。)Phil: Yeah, but it’s the most important question because it launches me into my big finish.
(そうだけど、いちばん大事な質問なんだよ。そこから俺の締めの見せ場につながるんだから。)Claire: Yes.
(ええ。)Phil: That way, people leave excited.
(そうすれば、みんなワクワクして帰っていく。)Haley: Oh, I think people will be excited to leave.
(っていうか、みんな帰れるのにワクワクすると思う。)Modern Family Season3 Episode12 (Egg Drop)
practice your part は「自分の担当部分を練習する」で、劇やスピーチの役割分担にも使える言い方です。launch 人 into ~ は「人を〜へ勢いよく送り出す」、big finish は「締めくくりの見せ場」を指します。質問一つが、自分の最後の盛り上げへの踏み台になるという段取りの説明です。クレアの I think I got it. は「もう分かったと思う」と、これ以上の練習はいらないと伝える返事です。
ヘイリーの返しは、フィルの leave excited(ワクワクして帰る)の語順を入れ替えた excited to leave(帰れることにワクワクする)で、同じ単語のまま意味を反対方向へずらした皮肉になっています。
「is there a sixth key?」で待っていた質問を受ける
その後、クレアはルークの課題のために残りたいと言い、フィルはグロリアに手伝いを頼みます。本番の前、フィルはグロリアを相手に流れを確かめます。
Phil: And those are your five keys.
(以上が5つの鍵です。)Phil: Now if there are no more questions Ah, yes, the lovely home buyer right here on the edge of her seat.
(さて、ほかにご質問がなければ……おっと、はい、そちらの素敵な住宅購入者の方、身を乗り出していらっしゃいますね。)Gloria: I was wondering I was wondering, is there a sixth key?
(知りたいんですけど、知りたいんですけど、6つ目の鍵はありますか?)Phil: As a matter of fact, there is.
(実は、あるんです。)Phil: We’ll work on that.
(そこはこれから詰めよう。)Modern Family Season3 Episode12 (Egg Drop)
Now if there are no more questions は質疑を締めようとする決まり文句で、ここが質問役への合図になっています。on the edge of one’s seat は「椅子の端に座るほど身を乗り出している」、つまり続きを聞きたくて仕方がない様子を表す言い回しです。質問役を指名するときに、相手が興味津々であるかのように紹介するのが演出の一部だと分かります。
I was wondering, ~? は「〜かなと思っていたのですが」と控えめに尋ねる前置きで、質問の場でよく使われる形と言われます。答える側の As a matter of fact, there is. は「実は、あるんです」と肯定で応じる決まった返しです。直後の We’ll work on that. は「そこはこれから詰めよう」という意味で、まだ直す余地があると伝えるときにも使えます。フィルはそのまま、6つ目の鍵とは購入した新居の鍵だという締めの台詞に進みます。
「But back to your first question」で話を引き戻す
本番が始まっても、グロリアとヘイリーは戻りません。質疑応答の時間に、フィルは Are you sure that there are no more questions?(本当にもう質問はありませんか?)と確かめ、質問しようとした観客のところへ向かいます。
Phil: Let me just come to you.
(私のほうから伺いましょう。)Phil: I bet I know what your question is.
(あなたのご質問、きっと分かりますよ。)Phil: You’re probably wondering if there’s sixth key.
(6つ目の鍵はあるのか、と思っていらっしゃるんでしょう。)Audience Member: No, I was wondering about– I was wondering about accelerated escrow.
(いや、聞きたかったのは……エスクローの早期化についてなんですが。)Phil: If it works for both parties, it’s a great way to expedite the deal.
(双方にとって都合がよければ、取引を早める素晴らしい方法です。)Phil: But back to your first question about this mysterious sixth key.
(ですが、最初のご質問に戻りましょう。この謎めいた6つ目の鍵について。)Audience Member: I didn’t say anything–
(私は何も言って……)Modern Family Season3 Episode12 (Egg Drop)
I bet ~ は「きっと〜だ」と自信を示す言い方で、I bet I know what your question is. は相手より先に質問を言い当てようとする切り出しです。You’re probably wondering if ~ は「〜かどうか気になっているでしょう」と相手の疑問を代わりに言葉にする形で、プレゼンで話題を切り替えるときにも使われます。
観客が本当に聞きたかったのは、不動産取引の手続きに関わる escrow の話でした。expedite は「(手続きを)早める」という硬めの動詞です。フィルはこうして一言で答えたあと、But back to ~ で「さて、〜の話に戻ると」と流れを引き戻します。観客は6つ目の鍵について何も尋ねていないため、I didn’t say anything– と返すのがおかしいところです。
まとめ|話の流れを運ぶ英語
It’s just one question. で段取りを確かめ、As a matter of fact, there is. で待っていた質問に応じ、I bet I know what your question is. と But back to ~ で話を自分の締めへ運びます。質問をめぐる言葉の使い方が場面ごとに見えてきます。
フィルのセミナーを思い浮かべながら、次回も『モダンファミリー』の会話から英語を拾っていきましょう。
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