相手の思い込みをくつがえす昔話を切り出すときの英語|『モダンファミリー』S10E08で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 相手の思い込みをくつがえす昔話を切り出すときの英語|『モダンファミリー』S10E08で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン10第8話では、昇進したヘイリーと母のクレアが、ヘイリーが生まれたころの話をします。父のフィルを「生まれながらの親」と思っているヘイリーに、クレアは意外な昔の姿を明かします。

相手の思い込みをくつがえす話は、切り出し方ひとつで受け止められ方が変わります。気持ちの変化を語る言い方と、意外な話の前置きを、2人の会話から順に見ていきます。

目次

「I didn’t love it at first. But then ~」で気持ちの変化を語る

昇進を報告したヘイリーは、こんな言葉をかけられます。

— Sweetheart, I’m very proud of you.
(ねえ、あなたのこと、すごく誇りに思う。)
— You really pulled it together.
(本当にちゃんと立て直したね。)
Modern Family Season10 Episode8 (Kids These Days)

I’m proud of you は相手の成し遂げたことを認めるときの言い方で、very を入れると気持ちの強さが伝わります。pull it together は「(ばらばらだったものを)まとめる、立て直す」という意味の口語です。You really pulled it together. と過去形で言うと、「ここまでよく持ち直した」と相手の歩みをねぎらう響きになります。似た形の Pull yourself together. は「しっかりして、落ち着いて」と相手を励ます命令文で、使う場面が異なります。

このあとヘイリーは、クレアに自分が生まれたころのことをたずねます。

Haley: Did you ever regret having me when you did? Like how it kinda derailed your career?
(あの時期に私を産んだこと、後悔したことある? ほら、キャリアが狂っちゃったみたいな。)
Claire: Hmm I didn’t love it at first.
(うーん、最初はあまりうれしくなかった。)
Claire: But then I saw this face.
(でもそのあと、この顔を見たのよ。)
Modern Family Season10 Episode8 (Kids These Days)

Did you ever ~? は「これまでに〜したことはある?」と、相手の過去の経験や気持ちをたずねる形です。when you did は「あなたがそうした、あの時期に」と、時期そのものに焦点を当てています。derail はもともと「脱線させる」という動詞で、derail one’s career で「キャリアを狂わせる」という比喩表現になります。

クレアの答えは at first と But then の2文で組み立てられています。最初の気持ちと、その後の変化を1文ずつ分けて言うことで、今の気持ちのほうに重心があることが伝わります。I didn’t love it は「好きではなかった」をやわらげた言い方で、I hated it. と言い切るより角が立ちません。this face は目の前の相手の顔を指す言い方で、相手そのものを理由に挙げる答えになっています。

「This is gonna come as a surprise to you, but ~」で思い込みをくつがえす

ヘイリーはさらに、父のフィルについてこう言います。

Haley: And you were lucky enough to have Dad.
(それに、ママにはパパがいてラッキーだったよね。)
Haley: He was born to be a parent.
(パパって、親になるために生まれてきたような人だもん。)
Claire: This is gonna come as a surprise to you, but your dad was a different guy than you think.
(意外に思うかもしれないけど、あなたのパパは、あなたが思ってるのとは違う人だったのよ。)
Modern Family Season10 Episode8 (Kids These Days)

lucky enough to ~ は「〜できるほど運がよかった」で、be lucky to have ~(〜がいて幸運だ)に enough を加え、恵まれていたことを強めています。born to be a ~ は「〜になるために生まれてきた」という言い方で、その人の向き不向きをほめるときによく使われます。ヘイリーのこの2文が、フィルについての思い込みを示す土台になっています。

それを受けたクレアの This is gonna come as a surprise to you, but ~ は、「意外に思うかもしれないけど」と、相手の予想と違う話をする前に置く前置きです。come as a surprise は「驚きとしてやって来る」が直訳で、This might come as a surprise, but ~ や You might be surprised, but ~ のように言い換えられます。先に「驚くかもしれない」と伝えておくと、聞き手が心の準備をしたうえで本題を受け止められます。

本題の a different guy than you think は「あなたが思っているのとは違う人」という意味です。than you think は比較の基準を「相手の頭の中のイメージ」に置く言い方で、It’s harder than you think. のように日常でもよく出てきます。そのうえで、出会ったころのフィルの姿がこう語られます。

Claire: When I met your father, he did not have his life together.
(あなたのパパと出会ったころ、あの人は全然ちゃんとしてなかったの。)
Modern Family Season10 Episode8 (Kids These Days)

have one’s life together は「生活や人生がきちんと整っている」という口語で、否定形にすると「ちゃんとしていなかった」になります。冒頭の pull it together と同じく together が「まとまった状態」を表しており、思い込みをくつがえす前置きのあとに、具体的な昔の姿が続く流れが分かります。

まとめ|思い込みをくつがえす話の切り出し方

at first と But then で気持ちの変化を語る形、This is gonna come as a surprise to you, but ~ という前置き、than you think で相手のイメージとの違いを示す言い方を見てきました。意外な話を穏やかに切り出す手がかりになります。

クレアとヘイリーの親子の会話を観ながら、前置きの置き方に耳を傾けてみるのも楽しみ方のひとつです。

同じ回のほかのコラムでは、指導のしかたを改めるよう言われたときの返し方や、昇進を告げる・報告するときの英語も取り上げています。

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