「I’m like a big runaway charity truck and Mitchell is my off-ramp full of safety gravel.」に見る、誰の頼みも断れない世話焼きを表す英語表現|『モダンファミリー』S01E12で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「I'm like a big runaway charity truck and Mitchell is my off-ramp full of safety gravel.」に見る、誰の頼みも断れない世話焼きを表す英語表現|『モダンファミリー』S01E12で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』のシーズン1、第12話では、困っている人を放っておけないキャメロンの性格をめぐって、ミッチェルとキャメロンがやり取りを交わす場面が描かれています。今回は、そこで使われている、誰の頼みも断れない世話焼きな性格を表す英語表現を取り上げます。

不満をぶつける言い方から、自分自身をたとえで語る比喩表現まで、順を追って見ていきましょう。

目次

“It’s like you’re incapable of hearing anyone’s sad story.” ― 世話焼きな性格への不満

人形劇の開演時間が迫る中、キャメロンが誰かの事情を気にかけて立ち止まろうとし、ミッチェルはそれをたしなめます。

Cameron: What’s going on with you?
(どうかしたの?)
Mitchell: Cam, you- you always do this.
(キャム、君はいつもこうだ。)
Mitchell: It’s like you’re incapable of hearing anyone’s sad story without making it your job to fix it.
(誰かの悲しい話を聞くと、それを解決するのが自分の仕事だと思い込むんだから。)
Mitchell: And then, my needs- my needs come second.
(それで、僕の用事はいつも後回しになる。)
Cameron: Your needs right now are a puppet show.
(今のあなたの用事は人形劇でしょう。)

Modern Family Season1 Episode12 (Not in My House)

incapable of ~ing は「〜することができない」という意味の形容詞句で、能力的にできないというよりも、性分としてそうなってしまうというニュアンスで人の性格を説明するときによく使われます。ミッチェルはこの形を使って、キャメロンが誰かの悲しい話を聞くと放っておけなくなる様子を表しています。

make it your job to ~ も合わせて覚えておきたい言い方です。「〜することを自分の使命・仕事にしてしまう」という意味で、頼まれたわけでもないのに自分から進んで引き受けてしまう性格を表すのにぴったりの表現です。ミッチェルの不満は、キャメロンの世話焼きな性格そのものよりも、それによって my needs come second(僕の用事が後回しになる)という結果に向いています。

“The obsessive helpaholic.” ― -aholic で表す依存気味の性格

ミッチェルに急かされたキャメロンは、自分がそこまで世話焼きではないと示すため、こう応じます。

Cameron: If it’ll prove to you that I’m not the obsessive helpaholic that you make me out to be, let’s go to the puppet show.
(あなたが思ってるような、何にでも首を突っ込む世話焼き依存症じゃないって証明するために、人形劇に行きましょう。)

Modern Family Season1 Episode12 (Not in My House)

helpaholic は、workaholic(仕事中毒)や shopaholic(買い物依存)と同じ作りの造語で、help に -aholic という接尾辞をつけて「世話焼き依存症」というニュアンスを表しています。-aholic は「〜がやめられない人」という意味を加える接尾辞で、性格や癖を指すときに幅広く使われる形です。

that you make me out to be は「あなたが(実際とは違う姿に)仕立て上げている」という意味の言い方で、obsessive helpaholic はミッチェルがキャメロンに貼ったレッテルとして引用されています。続く If it’ll prove to you that I’m not ~ は「〜じゃないって証明するなら」という条件の形で、キャメロンはこのレッテルを認めているのではなく、人形劇に行くことでそれを否定しようとしています。

日常会話でも、自分や誰かの癖を軽く茶化したいときに、-aholic の形は応用が利きます。

A: You checked your phone again? You’re a total phone-aholic.
(またスマホ見てる?完全にスマホ中毒だね。)

B: I know, I know. I’m working on it.
(わかってる、わかってるよ。直そうとしてるところ。)

このように、名詞に -aholic をつけるだけで、深刻さを和らげながら性格や習慣を指摘する言い方になります。

“I’m like a big runaway charity truck.” ― 自分の性格をたとえで語る言い方

別の場面で、キャメロンは自分とミッチェルの関係をこう振り返ります。

Cameron: Yes, I’m a caring person.
(私は思いやりのある人間よ。)
Cameron: And without Mitchell, I would just keep giving and giving and giving.
(ミッチェルがいなければ、与えて与えて与え続けてしまう。)
Cameron: I’m like a big runaway charity truck and Mitchell is my off-ramp full of safety gravel.
(私は暴走する慈善トラックのようなもので、ミッチェルは砂利を敷いた出口の待避路のような存在なの。)
Cameron: He knows how to say no.
(彼はノーと言える人だから。)
Cameron: He always can put himself first.
(いつも自分を優先できるのよ。)

Modern Family Season1 Episode12 (Not in My House)

runaway は「暴走する」「制御が効かなくなった」という意味の形容詞で、off-ramp full of safety gravel は、坂道などで暴走した大型車を安全に減速させるために敷かれた、砂利を敷いた出口の待避路を指す具体的な道路インフラの語彙です。キャメロンは自分を「善意で止まらなくなったトラック」、ミッチェルを「それを受け止めて止める仕組み」にたとえており、giving and giving and giving と動詞を三回重ねることで、自分の止まらなさそのものを表現しています。

He knows how to say no. と He always can put himself first. は、一見するとミッチェルの美点を認める言い方に見えますが、この直後にキャメロンは、困っている人にも平気で背を向けられるという趣旨の一言を続けており、褒め言葉のように始まった一文が皮肉へと転じていきます。それを聞いたミッチェルが慌てて止めに入る流れからも、この一連がミッチェルへの感謝ではなく、冒頭で聞かされた「僕の用事が後回しになる」という不満をそのまま切り返した皮肉であることが読み取れます。

runaway や off-ramp のように、日常のインフラ用語をそのまま人物描写に転用する比喩は、英語ではめずらしくありません。たとえば会議で意見が止まらない人を a runaway train of ideas(止まらないアイデアの暴走列車)のように表現することもでき、runaway という語一つで「制御が効かない勢い」を印象的に伝えられます。

まとめ|世話焼きな性格を表すときの言い方

incapable of ~ing や make it your job to ~ のような不満の言い方から、helpaholic のような性格をからかう造語、そして runaway charity truck という比喩まで、世話焼きな性格をめぐる表現を見てきました。同じ性格でも、指摘する側とされる側で言葉の選び方が変わってくるのが読み取れます。

次回も『モダンファミリー』と一緒に英語表現を見ていきましょう。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。

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