海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン3第20話では、ミッチェルとキャメロンの家にキャメロンの父マールが訪れ、その晩はジェイとグロリアも加わって夕食をとる予定になっています。ところがジェイとマールは、どちらも相手をあまりよく思っていません。
苦手だという気持ちを、英語ではどんな強さで口にするのか。仮病の断りから本音の打ち明けまで、父親たちと子どもたちの会話を順に追っていきます。
仮病の断りを見抜く「Knock it off」と、本音の「bugs me」
ミッチェルがジェイからの着信に気づくと、キャメロンは What’s his excuse this time?(今度はどんな言い訳?)とキャンセルの電話だと先回りします。ミッチェルは give my dad a break(父さんを大目に見てあげて)とかばいますが、折り返した電話でジェイはこう切り出します。
Jay: Mitch.
(ミッチ。)Jay: I’m sick.
(具合が悪い。)Jay: I gotta cancel tonight.
(今夜はキャンセルだ。)Mitchell: Yeah.
(うん。)Mitchell: Yeah, 6:00.
(うん、6時ね。)Mitchell: We’re really looking forward to it.
(すごく楽しみにしてるよ。)Jay: What are you doing? I just said I can’t come.
(何やってんだ? 行けないって言ったろ。)Modern Family Season3 Episode20 (The Last Walt)
I’m sick. と I gotta cancel tonight. は、短い2文で用件だけを伝える断り方です。gotta は have got to のくだけた形で、「〜しなきゃならない」という意味になります。ミッチェルは断りの言葉を取り合わず、予定どおり来る前提の受け答えを続けます。ジェイの What are you doing? は、話がかみ合わないことへの戸惑いがそのまま出た一言です。
このあとミッチェルはキャメロンに赤か白かを尋ねて相づちを重ね、同じ発言の途中から、ジェイへの本音に切り替わります。
Mitchell: Yeah, he’s– he’s so happy– Knock it off, old man.
(うん、すごく……すごく喜んでて……いい加減にしてよ、父さん。)Mitchell: You are not sick.
(具合なんて悪くないでしょ。)Mitchell: Why do you always do this?
(どうしていつもこうなの?)Jay: Okay, look, between you and me, Mervis kind of bugs me.
(わかった、いいか、ここだけの話、マーヴィスがどうも気に障るんだ。)Mitchell: Okay, first of all, it’s Merle.
(まず第一に、マールだから。)Mitchell: Mervis isn’t a name.
(マーヴィスなんて名前じゃない。)Mitchell: Mervis is a sound.
(マーヴィスは音でしょ。)Mitchell: And second of all, he’s– he’s my partner’s father.
(それから第二に、彼は……彼は僕のパートナーのお父さんなんだよ。)Modern Family Season3 Episode20 (The Last Walt)
Knock it off. は「いい加減にして」「やめて」と、相手のふるまいを止める言い方です。You are not sick. で仮病をはっきり指摘し、Why do you always do this? で、同じことが繰り返されていると伝えています。old man はここでは父親へのくだけた呼びかけで、親しい間柄で使われることが多い呼び方です。
ジェイの between you and me は「ここだけの話」という前置きで、bug は「いらいらさせる」「気に障る」という意味です。kind of を挟むことで、言い方を少しやわらげています。ミッチェルは first of all、second of all と順に並べて言い返し、名前の呼び間違いを正したうえで、my partner’s father と相手の立場を示します。
- A: Between you and me, his jokes kind of bug me.
(ここだけの話、彼の冗談がちょっと気に障るんだ。) - B: Really? I thought you liked him.
(そうなの? 気に入ってると思ってた。)
「rubs me the wrong way」でそろう父親たちの本音
一方、マールもキャメロンに本音を打ち明けます。
Merle: I-I don’t like that guy.
(あ、あの男は好かん。)Cameron: What? That’s– you like everybody.
(え? そんな……父さんは誰とでも仲良くなれる人じゃないか。)Merle: Not Jay.
(ジェイは別だ。)Merle: The guy rubs me the wrong way.
(あの男はどうも虫が好かん。)Merle: Every time I try to do something nice, he makes this cranky face, like
(こっちが何かいいことをしてやろうとするたびに、あいつはこんな不機嫌な顔をするんだ、こう……)Cameron: Okay.
(オーケー。)Cameron: Well, you know what? I’m gonna chalk this up to jet lag for you because it’s not like you at all.
(じゃあ、こうしよう。これは父さんの時差ぼけのせいってことにしておくよ。全然父さんらしくないもの。)Cameron: Okay, you have to make an effort.
(いい? 歩み寄ってもらわなきゃ。)Modern Family Season3 Episode20 (The Last Walt)
I don’t like that guy. は好き嫌いをそのまま言う直接的な言い方です。rub someone the wrong way は、毛並みに逆らってなでるという字面の表現で、「なんとなく神経にさわる」「虫が好かない」という感覚を表します。ジェイの bug と並べると、どちらも相手の言動が小さく引っかかり続ける様子を表す点が共通しています。キャメロンの chalk this up to ~ は「〜のせいにしておく」、make an effort は「努力する」という意味です。
やがてジェイとマールが同じ場に居合わせたあと、キャメロンの Listen to them. に続いてミッチェルが Best of friends. と言い、2人はそれぞれの父親の本音を明かし合います。
Cameron: I’m sorry I doubted Jay.
(ジェイを疑って悪かったよ。)Cameron: He’s been lovely.
(ずっといい感じだし。)Mitchell: Oh, well, confession time— he kinda didn’t want to come.
(あ、じゃあ白状タイム……父さん、実はあんまり来たくなかったんだ。)Cameron: Well, you’re gonna laugh because my dad was kinda hoping he wouldn’t.
(笑っちゃうよ。うちの父さんも、ジェイが来なければいいのにって思ってたんだから。)Mitchell: Wha? Oh.
(え? ああ。)Mitchell: They just needed to get to know one another better.
(2人とも、お互いをもっとよく知る必要があっただけなんだね。)Mitchell: I am so glad that we did this.
(これをやって本当によかった。)Modern Family Season3 Episode20 (The Last Walt)
confession time は「白状の時間」という意味で、打ち明け話を始める軽い前置きです。I’m sorry I doubted ~ は「〜を疑って悪かった」と、自分の見方を改めるときの言い方になります。キャメロンはこのあと、ジェイについて次のように話します。
Mitchell: Wh-what did your dad not like about my dad?
(う、うちの父さんのどこが気に入らなかったの?)Cameron: Oh, well, you know Jay.
(ああ、ほら、ジェイってああいう人だろ。)Cameron: He’s a Teddy bear, but sometimes he can kinda come off as a tough guy.
(根はテディベアみたいな人だけど、ときどきちょっと強面に見えちゃうんだよね。)Mitchell: Yeah, that’s true.
(うん、確かに。)Cameron: As an actual tough guy, you can kinda see how that would rub my dad the wrong way.
(本物のタフな男からしたら、それが父さんの神経にさわるのも分かるでしょ。)Modern Family Season3 Episode20 (The Last Walt)
come off as ~ は「〜のように受け取られる」という意味です。マール本人が挙げた理由とは別に、キャメロンは自分の見立てとして rub my dad the wrong way を使っています。
まとめ|「苦手」の強さを言葉で使い分ける
I don’t like that guy. のような直接的な言い方から、bug や rub someone the wrong way のように引っかかりを表す言い方まで、苦手の伝え方にはいくつもの段階があります。between you and me や confession time を添えると、打ち明け話の空気も伝わります。
本音と建前が行き来する父親たちの会話を観ながら、英語の距離感をつかんでいけます。
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