「40 cupcakes for her school fund-raiser」に見る、アメリカの学校の資金集め(ベイクセール)の文化|『モダンファミリー』S01E18で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「40 cupcakes for her school fund-raiser」に見る、アメリカの学校の資金集め(ベイクセール)の文化|『モダンファミリー』S01E18で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『モダンファミリー』シーズン1第18話から、翌日までに40個のカップケーキを用意しなければならなくなったヘイリーと、それを手伝うクレアの場面に注目します。アメリカの学校でよく描かれる、資金集めのための焼き菓子文化が背景にあります。

学校からの急な持ち物指定に、家族総出で対応する光景は、日本の学校行事とはまた違った雰囲気を持っています。ヘイリーとクレアのやり取りをたどりながら、その文化的な背景を見ていきましょう。

目次

翌日締め切りのカップケーキ40個と、親子での作業開始

物語の冒頭、クレアは息子ルークの美術の課題と並んで、娘ヘイリーの持ち物についても切迫した状況を説明します。

Claire: Luke has a giant project due tomorrow for school that he hasn’t even started, and Haley just informed me she needs 40 cupcakes for her school fund-raiser, also due tomorrow.
(ルークは学校の大きな課題が明日締め切りなのに、まだ何も始めてないの。それに、ヘイリーが今になって、学校の資金集めのためにカップケーキが40個必要だって言い出して、これも明日締め切りなのよ。)

Modern Family Season1 Episode18 (Starry Night)

school fund-raiserは、学校の活動資金を集めるための催しを指す言い方です。作中ではこのエピソードの中で、ヘイリーが必要とするカップケーキ40個という具体的な数字と、翌日締め切りという期限が示されています。

アメリカの学校では、こうした資金集めの一環として、生徒や保護者が手作りの焼き菓子を持ち寄り、それを販売するベイクセール(bake sale)と呼ばれる催しが開かれることがあります。学校ごとの運用は異なり、時期や頻度についても学校・地域によって差があるため、一律の制度として断定はできませんが、劇中ではこうした持ち物指定が、家庭に急に降りかかる場面として描かれています。40という具体的な個数が、期限の迫った状況の切迫感を数字で伝えているところも、この場面の見どころです。

ヘイリーとクレアは、カップケーキ作りに取りかかります。卵を割る場面で、二人はこんなやり取りを交わします。

Claire: It’s egg-crackin’ time.
(卵割りの時間よ。)
Claire: Now, I find the key to cracking an egg properly-
(いい? 上手に卵を割るコツはね-)
Haley: Mom, I’m not a child.
(ママ、私はもう子どもじゃないんだけど。)
Haley: I can do it.
(自分でできるから。)
Claire: Okay.
(はいはい。)
Haley: Okay.
(うん。)
Claire: Okay.
(分かったわ。)

Modern Family Season1 Episode18 (Starry Night)

egg-crackin’ time(卵割りの時間)という軽い呼びかけから始まり、母親が手順を教えようとすると、娘が I’m not a child.(もう子どもじゃない)と切り返す、家庭内のよくあるやり取りです。学校のための焼き菓子作りが、親子で台所に並ぶ日常の一場面として描かれているのが分かります。持ち物を用意すること自体が、単なる作業ではなく、親子で過ごす時間として作品の中に組み込まれているところが見どころです。

手を貸してもらうための芝居と、結局は任せる展開

卵割りの途中、ヘイリーはこんな本音を漏らしています。

Haley: My mom’s not dumb.
(ママは、そんなに鈍くないから。)
Haley: You can’t just ask her to do something for you.
(ただ頼んだだけじゃ、やってはくれないの。)
Haley: You have to very carefully put the cheese in the trap.
(罠に、慎重にチーズを仕掛けないといけないのよ。)

Modern Family Season1 Episode18 (Starry Night)

put the cheese in the trapは、ねずみ捕りの罠にチーズを仕掛けるイメージを借りた言い方で、相手が自分から動きたくなるように仕向けることを表しています。この直後、ヘイリーはボウルに卵の殻を入れてしまい、クレアは I’m gonna- I’ll do this. You just mop up.(私がやるから、あなたは拭くだけでいいわ)と、作業を代わってしまいます。

物語の終盤に近づくと、クレアは「Gotta go finish the cupcakes.(カップケーキを仕上げに行かないと)」と一度は作業を引き受けますが、少しやり取りを挟んで、あらためてヘイリーに作業を戻します。

Claire: I showed you how to make ‘em, and now you can do it yourself.
(作り方はもう教えたから、あとは自分でできるでしょ。)
Claire: Come on, guys.
(さあ、行くわよ。)
Claire: Let’s go.
(行きましょう。)
Haley: Well, good, because I really wanted to.
(別にいいけど。もともと自分でやりたかったし。)
Haley: Okay.
(了解。)
Haley: I’m setting the oven to 700! I’m putting, uh- I’m putting the eggs in the bowl! Oh, I got some shells in ‘em! Uh-oh! Are you serious?
(オーブンを700度に設定して! 卵をボウルに入れて- あ、殻が入っちゃった! うそでしょ?)

Modern Family Season1 Episode18 (Starry Night)

now you can do it yourselfは、一通り手本を見せたあと、相手に任せるという関わり方を示す言い方です。ただし、ヘイリーが口にする Oh, I got some shells in ‘em! Uh-oh! Are you serious?(あ、殻が入っちゃった! うそでしょ?)という言葉は、先ほどの put the cheese in the trap と同じ調子で語られており、額面どおりの苦戦というより、クレアを呼び戻すための芝居として読める場面です。

I showed you how to make ‘em(作り方はもう教えた)と、これまでの経緯を一言で振り返ったうえで now you can do it yourself と続ける言い方も、教えた事実を確認してから作業を戻す順番になっているところが特徴です。持ち物を用意するという学校からの要求をめぐって、担当が親子の間で行き来する様子がうかがえます。

出来上がった焼き菓子と、本心を隠す気遣い

出来上がったカップケーキを前に、クレアとヘイリーはこんなやり取りを交わします。

Claire: Wow! Delicious!
(わあ! おいしそう!)
Haley: Uh-huh.
(うん。)
Claire: I am so proud.
(すごく誇らしいわ。)
Haley: Oh! Thanks, Mom.
(やった! ありがとう、ママ。)
Haley: I’m just gonna wrap these up.
(これ、ラッピングしちゃうね。)

Modern Family Season1 Episode18 (Starry Night)

この称賛がそのまま本心だったかどうかは、直後の展開で分かります。クレアは一転して、ラッピングしようとするヘイリーを引き止めます。

Claire: No.
(ちょっと待って。)
Claire: You know what, sweetie? You’re gonna be late for school.
(ねえ、学校に遅れちゃうわよ。)
Claire: Just go.
(もう行きなさい。)
Claire: I’ll bring ‘em by later.
(あとで私が届けておくから。)

Modern Family Season1 Episode18 (Starry Night)

カップケーキは自分が届けると申し出て、ヘイリーをその場から急いで送り出しているのが分かります。ヘイリーがいなくなったあと、クレアは「Do we still have the number for Poison Control?(毒物管理センターの電話番号、まだうちにあったかしら?)」と漏らします。

Poison Control(毒物管理センター)という一語から、先ほどの Delicious! / I am so proud. が、味そのものへの評価ではなく、ヘイリーの気持ちを気遣った言い方だったことがうかがえます。出来上がりを表向き褒めながら、本人が席を外したあとに本音がのぞく場面です。

まとめ|学校の資金集めと家庭内の焼き菓子作り

40 cupcakes for her school fund-raiserという急な持ち物指定から始まり、ヘイリーが手を貸してもらうための芝居を挟みながら親子で作業が行き来し、出来上がったものを気遣いながら取り繕う。この一連の流れをたどると、アメリカの学校でしばしば描かれる資金集めの文化と、それを取り巻く家庭内のやり取りが見えてきます。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。

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