「flight risk」から「found some juice」まで、保釈をめぐる捜査英語|『メンタリスト』S01E18で学ぶ英会話

『The Mentalist』コラム: 「flight risk」から「found some juice」まで、保釈をめぐる捜査英語|『メンタリスト』S01E18で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ「ドラマdeエイゴ」へようこそ。

犯罪捜査ドラマ『メンタリスト』シーズン1エピソード18では、参考人として拘束されていたはずの人物が、あっさりと保釈されたという知らせがオフィスにもたらされます。

この一幕には、保釈の可否を判断する正式な語彙と、その裏側で起きたことをくだけた言葉で語る表現とが入り混じっています。両方の側面から、保釈をめぐる捜査英語をたどっていきます。

目次

「(not) a flight risk」―保釈の可否を分ける物差し

背景には、催眠によって行動させられた人物が事件に関わっていたという展開があります。作中で示される範囲でごく手短に触れると、リズボンはその後始末に追われてオフィスに戻り、参考人として拘束されていたはずのリック・ティーグラーが保釈されたという知らせを聞かされます。

Lisbon: Tiegler got off on bail just like that?

Cho: No record and he’s not a flight risk.

(「ティーグラーが、あっさり保釈されたって?」「前科なし、逃亡の恐れもなし、とのことです」)

The Mentalist Season1 Episode18 (Russet Potatoes)

flight risk は、「逃亡の恐れがある人物」を指す、捜査・司法手続き上の定型表現です。flight はここでは「飛行」ではなく「逃亡」を意味し、risk と組み合わせて、保釈を認めるかどうかを判断する材料として使われます。チョウの返答 not a flight risk(逃亡の恐れなし)は、record(前科・記録)が無いことと合わせて、保釈が認められた根拠として提示されています。

リズボンの物言いに含まれる get off on bail(保釈で釈放される)も押さえておきたい表現です。get off だけでも「(処罰などを)免れる」というニュアンスを持ち、bail(保釈金)と組み合わさることで、身柄が一時的に解放される状況を表します。文末の “just like that?”(そんなにあっさりと?)という言い方から、この決定に納得していない様子が読み取れます。

「found some juice」から「whole nine」まで―裏で手が回った印象を語る言い回し

保釈の決定に納得できないのは、リズボンだけではありません。続く場面で、この決定に自分たちが関与していなかったことが明かされます。

Lisbon: I was not consulted.

Cho: Me neither. Tiegler found some juice somewhere. Got a defense attorney from Horton & Fleer, whole nine.

(「私には知らされていなかった」「私もです。ティーグラーはどこかから手を回したようです。ホートン&フリーアの弁護士を立てて、一式揃えてきています」)

The Mentalist Season1 Episode18 (Russet Potatoes)

I was not consulted は「(自分は)相談されなかった」という意味の表現で、consult(相談する)の受け身形です。本来なら意見を求められるはずの立場にいながら蚊帳の外に置かれたことへの不満がにじむ言い方です。それに対するチョウの me neither(私もです)は、否定の内容にそのまま同意するときに使う短い相づちで、2人ともそろって蚊帳の外だったことを示しています。

続く found some juice somewhere の juice は、飲み物ではなく「コネ」「裏で使える力」を指すくだけたスラングです。found some juice で「どこかから伝手・便宜を見つけてきた」という意味になり、正規の手続きの裏で何らかの力が働いたことをほのめかす言い方になります。さらに続く whole nine(the whole nine yardsの略)は、「一式そろえて」「フルセットで」という意味の慣用表現です。ここでは、有力な弁護士事務所を立てるという抜かりのない準備が整っていたことを表しています。flight risk が公式な司法手続きの語彙であるのに対し、found some juice や whole nine は、その手続きの裏側で起きていることをくだけた言葉で語る表現だと言えます。

まとめ|保釈をめぐる捜査英語に見る、手続きと裏側の対比

flight risk、found some juice、whole nine。保釈という一つの出来事を、司法手続きの正式な語彙とくだけた言い回しの両方からたどってみると、CBIチームが直面した釈然としなさの理由が見えてきます。

『メンタリスト』の捜査シーンは、こうした表現の温度差を映し出す場面を、これからも見せてくれます。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。

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