本気で言ったのに皮肉に取られたら、英語でどう言い直す?|『モダンファミリー』S07E09で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 本気で言ったのに皮肉に取られたら、英語でどう言い直す?|『モダンファミリー』S07E09で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン7第9話のアレックスは、家族のクリスマスに乗り気ではありません。ところが山小屋で出会った人物をきっかけに、前向きにふるまおうと決めます。その結果、素直なほめ言葉までが裏の意味に受け取られてしまいます。

ふだんの言い方が相手の受け止め方を左右するのは、英語でも同じです。冷めた一言、気持ちの切り替え、そして誤解を解く言い直しまで、アレックスの言葉を順に追っていきます。

目次

「I’m sure it’ll bore you」——冷めた言い方の積み重ね

休暇の初めから、アレックスはこの休みに片づけるべき実験の課題が山ほどあるとこぼし、自分が決められるなら今年はクリスマスなど来なくていいとまで言います。クリスマスを楽しむ家族の輪から、一歩引いた位置にいることが分かります。

山小屋では、先に来ていたフィグがアレックスに声をかけます。

Fig: Hey, Specks, I’m dying over there.
(ちょっと、メガネちゃん、向こうは退屈で死にそうよ。)

Fig: What are you reading?
(何読んでるの?)

Alex: Science stuff.
(科学のこと。)

Alex: I’m sure it’ll bore you.
(きっと退屈だと思う。)

Fig: I teach astrophysics at M.I.T.
(私、天体物理学を教えてるの。M.I.T.で。)

Alex: Wait a minute.
(ちょっと待って。)

Alex: Are you F.N. Wilson?
(もしかしてF.N.ウィルソン?)

Modern Family Season7 Episode9 (White Christmas)

I’m sure it’ll bore you. は「どうせ退屈するでしょう」と、相手の興味を先回りして決めつける言い方です。bore は「(人を)退屈させる」という動詞で、主語には退屈なもの、目的語には退屈する人が来ます。似た決めつけには You wouldn’t understand.(どうせ分からないよ)などがあり、相手を突き放す響きを持ちます。

相手が大学で天体物理学を教えていると分かった直後の Wait a minute. で、アレックスの見立てがひっくり返ります。Wait a minute. は「ちょっと待って」と、思い当たることがあって相手の話を止める言い方です。続く Are you ~? で、以前読んだ論文の書き手本人ではないかと確かめています。

「jump in on the holiday spirit」と切り替える

フィグとアレックスは、すぐに意気投合します。

Fig: Christmas, huh? Who the hell came up with this one?
(クリスマスねえ。いったい誰が考え出したんだか。)

Alex: It was Emperor Constantine.
(コンスタンティヌス帝です。)

Fig: I love it! It’s not easy being the smartest person in the room.
(いいわね! その場で一番賢い人間でいるのは楽じゃないわよね。)

Alex: My sister thinks quantum theory is a game show, and my brother once tried to take his pants off over his head.
(姉は量子論をクイズ番組だと思ってるし、弟なんて一度、ズボンを頭の上から脱ごうとしたんだから。)

Modern Family Season7 Episode9 (White Christmas)

come up with ~ は「〜を考え出す」、It’s not easy being ~ は「〜でいるのは楽じゃない」と、自分の立場の大変さを打ち明ける形です。the smartest person in the room は「その場で一番賢い人」で、周りと話が合わない苦労をこめた言い回しとして使われます。アレックスもきょうだいの失敗談で応じ、クリスマスに冷ややかな二人の会話が弾みます。

ところがアレックスは、その後こう語ります。

Alex: I’m not big on mysticism, but, clearly, this woman was my ghost of Christmas future.
(神秘的なものは信じないほうだけど、どう見てもこの人は私の「未来のクリスマスの幽霊」だった。)

Alex: So, I decided to turn things around and jump in on the holiday spirit.
(だから流れを変えて、クリスマス気分に飛び込むことにした。)

Alex: Jump aboard the fun train! Whoo, whoo! That was a train.
(楽しい列車に飛び乗ろう! シュッシュッ! 今のは列車の音。)

Modern Family Season7 Episode9 (White Christmas)

I’m not big on ~ は「〜はあまり好きではない」「〜には乗り気でない」というくだけた言い方で、自分の好みを控えめに伝えられます。アレックスは「未来のクリスマスの幽霊」という呼び名を借りて、フィグに自分の将来の姿を見たと言い表します。

jump in on ~ は「〜に加わる、飛び込む」、the holiday spirit は「祝祭気分」で、続く Jump aboard the fun train! でその意気込みを大げさに表現します。turn things around の使い方は同じ回のフレーズ記事で扱っているため、ここでは「流れを変える」という意味の確認にとどめます。

「No, I said it did」——皮肉に取られたら言い直す

前向きになると決めたアレックスですが、最初のほめ言葉からつまずきます。

Alex: Something smells good!
(いいにおい!)

Gloria: What? What doesn’t smell good?
(何? 何がいいにおいじゃないの?)

Alex: No, I-I said it did.
(違う、いいにおいって言ったの。)

Gloria: I am confused! What is it that you don’t like?!
(わけが分からない! 何が気に入らないの?!)

Alex: I’m just excited for dinner.
(夕食が楽しみなだけ。)

Modern Family Season7 Episode9 (White Christmas)

グロリアは Something smells good! を、何かが気に入らないという意味に受け取って聞き返します。アレックスの No, I said it did. の did は smelled good を受ける代動詞で、「そう言ったんだってば」と念を押す働きをします。I’m just excited for ~ の just は「〜なだけ」と他意がないことを示します。

それでもアレックスがもう一言重ねると、今度はヘイリーが返します。

Alex: I love you guys.
(みんな大好き。)

Haley: Oh, don’t be nasty.
(ちょっと、意地悪言わないでよ。)

Haley: We’re trying our best.
(こっちだって精一杯やってるんだから。)

Modern Family Season7 Episode9 (White Christmas)

I love you guys. は家族や仲間に向けた「みんな大好き」というくだけた言い方ですが、ヘイリーは Oh, don’t be nasty. と返し、皮肉と受け取ったことが分かります。nasty は「意地の悪い、感じの悪い」という意味です。

本心を伝えたいときは、I mean it.(本気で言ってるの)や No, seriously.(いや、本当に)を添えると、皮肉ではないことがはっきりすると言われます。

まとめ|冷めた言い方と、本心の言い直し

I’m sure it’ll bore you のような決めつけから、jump in on the holiday spirit で気持ちを切り替え、No, I said it did や I’m just ~ で本心を言い直す。言葉の選び方ひとつで受け止め方が変わることが、アレックスの空回りから見えてきます。

不器用に前向きになろうとする姿も含めて、『モダンファミリー』の家族の会話をこれからも楽しんでいきましょう。

会社の引き継ぎをめぐる言い方や、内緒の計画を見抜くひと言は同じ回のほかのコラムに、個々の表現の解説はフレーズ記事にまとめています。

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