海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン5第9話のフィルは、今月まだ1軒も家が売れていません。それでも子どもたちには「前向きに」と言い聞かせ、自分もその言葉を手放さずに一日を過ごします。
前向きな姿勢を言葉にして渡す言い方、うまくいかないことを淡々と並べる言い回し、そして強がりがほころぶ瞬間の英語。今回はフィルの言葉を順に追いながら、気持ちを立て直したいときの表現を見ていきます。
「keep a positive attitude」前向きさを合言葉にする
ルークが今日でチームをやめると言い、アレックスも試合には行かないと言い出したあと、フィルは子どもたちにこう声をかけます。
Phil: Geez, I’ve never seen such a bunch of no-getters.
(やれやれ、こんなにやる気のない連中は見たことがないぞ。)Luke: Coined it!
(新語だね!)Phil: Remember, keep a positive attitude, and good things will happen.
(いいか、前向きな気持ちでいれば、いいことが起きるんだ。)Phil: Two things I bring to every open house my lucky pen and a smile.
(オープンハウスに必ず持っていくものが2つある。幸運のペンと笑顔だ。)Modern Family Season5 Episode9 (The Big Game)
no-getters は、やる気のある人を指す go-getter をもじった言葉で、ルークが「新語だ」と応じる流れです。続く keep a positive attitude は「前向きな姿勢を保つ」という意味です。
命令文 + and ~ は「〜しなさい、そうすれば…」と、行動とその結果をひと続きに示す形です。励ましの言葉を短く覚えやすくまとめられるので、自分への言い聞かせにも使えます。
Two things I bring to every ~ は「〜に必ず持っていくものが2つある」という言い方で、自分なりの決まりごとを紹介するときに便利です。フィルの場合、その2つが幸運のペンと笑顔だというところに、仕事への構え方が伝わってきます。
- A: You always look so calm before a presentation.
(プレゼンの前はいつも落ち着いて見えるね。) - B: Two things I bring to every meeting: a good night’s sleep and a backup plan.
(どの会議にも必ず2つ持っていくんだ。十分な睡眠と、予備の案さ。)
「Things go wrong.」うまくいかないことを淡々と並べる
フィルは、不動産の仕事と人生についてこう語ります。
Phil: Real estate and, to a lesser extent, life is all about perseverance.
(不動産は、そしてそれほどではないが人生も、粘り強さがすべてだ。)Phil: Things go wrong.
(うまくいかないことはある。)Phil: Keys get lost, deals fall through, keys get misplaced.
(鍵はなくなるし、取引は流れるし、鍵はどこかへ行く。)Phil: Uh, a lot of it has to do with keys.
(まあ、大半は鍵の話だな。)Phil: But that’s when you find out there are two types of people those who waste time staring at a closed door And those who find a window.
(でも、そういうときに分かるんだ。人間には2種類いる。閉じたドアを見つめて時間を無駄にするやつと、窓を見つけるやつだ。)Modern Family Season5 Episode9 (The Big Game)
be all about ~ は「〜がすべてだ」「〜が肝心だ」と要点を言い切る形です。Things go wrong. は誰のせいとも言わずに「うまくいかないこともある」と受け止める一言で、deal falls through は話がまとまらずに流れることを表します。
- A: The order got canceled again.
(また注文が取り消しになったよ。) - B: Things go wrong. Let’s think about what we can do next.
(うまくいかないこともあるさ。次に何ができるか考えよう。)
to a lesser extent(それより程度は低いが)を挟んで、不動産を人生より先に置いているのも、フィルらしい順序と言えます。閉じたドアと窓のたとえは、一つのドアが閉まれば別のドアが開く、という意味の英語のことわざを思わせる言い方です。
その後、クレアに大丈夫かと聞かれた場面では、言葉が少しもつれます。
Claire: Are you okay, honey?
(大丈夫?)Phil: Yeah! It’s all about keeping an attitive positude.
(ああ! 大事なのは「気向きな前持ち」を保つことさ。)Phil: Positude attitive.
(「前持ちな気向き」。)Modern Family Season5 Episode9 (The Big Game)
positive attitude の前後が入れ替わり、言い直すとさらに崩れます。平気だと言いながら、言葉のほうが先にほころんでいるとも読めます。
「literally no tomorrow」前向きさが揺らぐとき
別の場面では、今日何があったのかと尋ねるクレアに、フィルが打ち明けます。
Claire: Oh, honey.
(ああ、あなた。)Claire: What happened to you today?
(今日は何があったの?)Phil: A cosmic pummeling.
(宇宙規模でボコボコさ。)Phil: I lost the deal.
(契約を逃した。)Phil: If I don’t close on one tomorrow, it’s gonna be my first month ever with no sale.
(明日1件まとめないと、初めての売り上げゼロの月になる。)Claire: Actually, there is no 31st this month.
(実は、今月は31日がないの。)Phil: What are you talking about?
(何の話だ?)Claire: Tomorrow’s the first.
(明日は1日なの。)Modern Family Season5 Episode9 (The Big Game)
lose the deal は取引を逃すこと、close on ~ は不動産などの取引を成立させることを表します。my first month ever with no sale の ever は「これまでで初めての」を強める語で、売り上げのない月が一度もなかったことを裏返しに伝えると言えます。月末だと告げるクレアの言葉で、残された「明日」がなくなってしまう流れです。
Claire: Honey, I’m sorry.
(ごめんね、あなた。)Claire: Are you okay?
(大丈夫?)Phil: No, I’m not okay! I just found out there is literally no tomorrow! You know, I always say if you wait long enough, your luck will change?
(大丈夫じゃない! 文字どおり明日がないって、今知ったんだぞ! ほら、俺はいつも言ってるだろ、長く待っていればツキは変わるって。)Modern Family Season5 Episode9 (The Big Game)
英語には as if there’s no tomorrow(明日がないかのように)のような言い回しがあり、フィルは「明日がない」を文字どおりの意味で使っています。literally を添えることで、たとえではなく本当にそうだと強調できます。
ふだんの口ぐせ your luck will change を自分で持ち出しながら、今は信じられないと嘆くところに、前向きさが揺らぐ様子が読み取れます。その後、家が売れたと報告するフィルに、ヘイリーは誇りに思うと声をかけます。
- A: I’ve been waiting to hear back for weeks.
(何週間も返事を待ってるんだ。) - B: If you wait long enough, your luck will change.
(長く待っていれば、運は変わるよ。)
まとめ|前向きな言葉と、揺らいだときの言葉
keep a positive attitude や be all about perseverance で姿勢を言葉にし、Things go wrong. や deals fall through でうまくいかないことを受け止める。フィルの一日からは、気持ちを立て直す英語と、それが揺らいだときの英語の両方が見えてきます。
前向きな言葉を口にし続けるフィルの姿を、もう一度ドラマで確かめてみるのも面白いはずです。
「やめる」と言い出した相手への声かけや、高校フットボールの試合の文化は、同じ回のほかのコラムで取り上げています。


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