海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
身近な人についての噂や報告を耳にして、「あの人がそんなことをするなんて」と、どうにも結びつかなかった経験はありませんか。
そんな違和感を伝える「doesn’t sound like someone」を、『モダンファミリー』シーズン5第9話の中盤、リリーを迎えに来たグロリアが、先生から思いがけない話を聞かされるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「doesn’t sound like someone」の意味とニュアンス
doesn’t sound like someone
意味:(人)らしくない、(人)がやりそうな話に思えない
sound は「聞こえる」「〜のように思える」という意味の動詞です。sound like のあとに人や物を置くと、「〜のように聞こえる」という形になります。これを否定した doesn’t sound like someone は、直訳すると「その人のようには聞こえない」で、聞いた話の内容が、自分の知っているその人の人柄や普段の行動と合わない、という判断を伝えます。
日本語では「〜らしくない」にあたります。ただし、耳の話をしているのではありません。誰かの行動や発言を伝え聞いたとき、その内容を頭の中でその人に当てはめてみて、ぴったり重ならないと感じたときに使います。
sound を使う点が、この言い方のやわらかさです。相手の話を頭ごなしに否定せず、「私にはそう聞こえない」「私の知っているその人とは結びつかない」という、自分の受け止め方として述べる形になります。
くだけた会話でも、少し改まった場面でも使える形で、家族の話題にも、職場の話題にも当てはめられます。someone の部分には Lily のような名前のほか、he や she などの代名詞も入ります。
【ここがポイント!】
- 「doesn’t sound like someone」の核は、聞いた話とその人の人物像が合わないという判断
- 「私にはそう聞こえない」という受け止め方の形で、やわらかく疑問を示す表現
- someone の位置には名前や代名詞が入り、人らしさとのずれを伝えるのがコツ
『モダンファミリー』S05E09のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
グロリアがリリーを迎えに行くと、先生が、リリーを呼ぶ前に話しておきたいことがあると切り出します。男の子のひとりのパトリックが、リリーにまつわることを話しているというのです。グロリアが先生の話にどう応じるかに注目です。
Teacher: Oh, before I call her, we had a small issue today. One of the boys, Patrick, said Lily pushed him down and tried to kiss him.
(あ、リリーを呼ぶ前に、今日ちょっとしたことがありまして。男の子のひとり、パトリックが、リリーに押し倒されて、キスされそうになったと言っているんです。)Gloria: No, that doesn’t sound like Lily.
(いいえ、それはリリーらしくないわ。)Teacher: She was probably imitating something she saw on TV or in her family
(テレビか、ご家庭で見たものをまねしたのかもしれませんね。)Gloria: Ay, it was the TV, yes. Oh, but here she is. She’s always so sweet.
(あら、テレビよ、ええ、テレビだわ。あ、でもほら、来たわ。あの子はいつだってとっても優しい子なの。)Lily: Bye, Patrick.
(バイバイ、パトリック。)Modern Family Season5 Episode9 (The Big Game)
シーン解説と心理考察
先生の話は、パトリックが言っていること、という形で伝えられます。先生は One of the boys, Patrick, said と誰の発言かを示す形で伝えていて、起きたことを先生が断定しているわけではありません。
グロリアは No のあとに、that doesn’t sound like Lily と続けます。No で先生の話に一度待ったをかけ、that で聞いたばかりの話を指し、Lily に当てはめたうえで「らしくない」と判断を示す、という順序です。ここでの sound は、先生から聞いた話の印象を述べる働きをしています。
先生が続けて、テレビや家庭で見たものをまねしたのかもしれない、と可能性を挙げると、グロリアは Ay, it was the TV, yes. と受けます。そのあと、Oh, but here she is. と、リリーが姿を見せたことを告げます。会話は、リリーの登場で次の段階へ移ります。先生の話とグロリアの返答が交互に重なる短いやり取りの中に、聞いた話を受け止める側の言葉の運びが、順に並んでいます。
最後に、リリーが Bye, Patrick. とパトリックに別れを告げて、引用は終わります。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
耳に届いた話を、頭の中の「その人の顔写真」に重ねてみる場面を思い浮かべてみましょう。写真とぴったり重なれば、その人らしい話です。ずれて重ならないときに、doesn’t sound like と口に出ます。
グロリアの that doesn’t sound like Lily は、先生から聞いた話を、自分の知っているリリーの姿に当てはめた結果、重ならなかったという判断です。sound は音そのものではなく、聞いた話の「音の印象」が人物像と合うかどうかを見る動詞、と考えると場面が結びつきます。
「話の音」と「その人の声」が重ならない。この二つの絵を並べて、「doesn’t sound like」と唱えてみましょう。あの人らしくない、と感じたときに、この形が自然に浮かんできます。sound の一語を、耳で聞いた話の印象を測るものさしとして持っておくと、人らしさとのずれを言葉にしやすくなります。
例文で覚える「doesn’t sound like someone」
「doesn’t sound like someone」は、家族や友人、同僚など、身近な人の話題で使えます。3つの例文で確認していきましょう。
That doesn’t sound like Tom. He’s always on time.
(それはトムらしくないな。いつも時間どおりなのに。)
同僚が遅刻したと聞いて意外に思う日常の場面です。理由を続けると、らしくないと判断した根拠が伝わります。
It doesn’t sound like something my brother would say.
(それは兄が言いそうなことには聞こえないな。)
家族の発言として伝わった話を、疑う場面です。something のあとに関係する節を続ける形で、言いそうにない内容を指せます。
A: He said he’d quit tomorrow.
B: That doesn’t sound like him.
(A:彼、明日やめるって言ってたよ。)
(B:彼らしくないな。)
同僚の急な決断を聞いて意外に思うビジネスの会話です。him と代名詞を使えば、名前を言わなくても人らしさとのずれを伝えられます。
あわせて覚えたい関連表現
That’s not like her.
(それは彼女らしくない)
be not like を使い、その人の性格や普段の行動とのずれを直接言う形です。doesn’t sound like は「聞いた話の印象」として述べる分、相手の話を受け止めつつやんわり疑う響きになります。
That’s out of character.
(その人の性格に合わない)
人物像から外れた行動を指す言い方です。doesn’t sound like が話の内容と人らしさのずれを見るのに対し、out of character は行動そのものが人物像から外れていることを述べます。
That doesn’t sound right.
(それは変だ)
話の内容が正しく聞こえない、という意味です。doesn’t sound like someone は特定の人と話が合わない点に絞る点が違います。
Note|sound like のあとに続く形、人・名詞・文の違い
sound like の後ろに何が来るかで、聞こえ方の焦点が変わります。グロリアの一言を出発点に、続く形を整理してみましょう。
まず、人が続く形です。that doesn’t sound like Lily のように、like のあとに人の名前を置くと、話の内容とその人の人柄が合うかどうかを述べます。次に、名詞が続く形です。That sounds like a good idea. のように、a good idea を置くと、聞いた話の中身が「良い案のようだ」という評価になります。さらに、文が続く形です。It sounds like you had a great trip. のように節を置くと、「素晴らしい旅行をしたようだね」と、聞いた内容から推測したことを述べます。like の後ろが、人、名詞、文のどれかで、述べる中身が人らしさの判断、評価、推測へと変わります。
グロリアの発言は、like の後ろに人が置かれた、いちばん短い形です。先生の話が Lily の人柄と合うかどうかに、焦点が絞られています。
後ろに何を置くかで、言いたいことが決まります。
まとめ|聞いた話と人柄が重ならないとき
doesn’t sound like someone は、聞いた話の内容が、その人の人柄や普段の行動と合わないと伝える表現です。sound を使うことで、「私にはそう聞こえない」という受け止め方の形になり、相手の話を頭ごなしに否定せずに違和感を示せます。
like のあとに人を置くのが基本で、名前でも代名詞でも使えます。名詞や文を置く形とは、述べる中身が変わる点もあわせて押さえておくと、使い分けやすくなります。
パトリックが言っていることを先生から聞いたグロリアは、その話を知っているリリーの姿に当てはめて、らしくない、と返していました。身近な人の話を耳にして違和感を覚えたとき、表現の引き出しに加えてみてください。相手の話を受け止めたうえで、自分の知る姿とのずれを穏やかに伝える一言として、会話の幅が広がります。


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