「I used your momentum against you.」に見る、相手の勢いをそのまま利用してひっくり返す言い方|『モダンファミリー』S01E19で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「I used your momentum against you.」に見る、相手の勢いをそのまま利用してひっくり返す言い方|『モダンファミリー』S01E19で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン1第19話では、ジェイがミッチェルにブラジリアン柔術の技を教える一幕が登場します。今回はこの場面から、相手の力をそのまま利用して形勢を逆転させる言い方を取り上げます。

柔術の技の説明として出てくる表現ですが、日常のやり取りでも使える構文なので、場面ごとに見ていきます。教える側のジェイと教わる側のミッチェルとで言葉の勢いが違うので、そのテンポの違いも合わせて味わいどころです。

目次

攻めてこいと促す言い方

ジェイはミッチェルに技を教えようとし、まずは自分に向かって来るよう促します。

Jay: Now, just- just attack me.

Mitchell: I’m sorry- What?

Jay: Take any deep-seated anger you may have, get a running start and come at me.

(さあ、いいから、とにかく俺に向かって来い。/え、待って、何?/溜め込んでる怒りがあるなら使って、助走をつけて向かって来い。)

Modern Family Season1 Episode19 (Game Changer)

deep-seated anger は「根深い怒り」「溜め込んだ怒り」を指す言い方です。get a running start は「助走をつける」で、勢いをつけて何かに取りかかる場面全般で使えます。ミッチェルが戸惑いながら聞き返す I’m sorry- What? も、突然の頼み事への率直な反応として自然に響きます。

この一連のやり取りは、教える側のジェイが一方的に指示を重ね、教わる側のミッチェルが戸惑いつつ従うという構図になっています。attack me のような短い命令形と、Take any deep-seated anger you may have のような条件をつけた促し方の両方が同じ場面に出てくる点も、話し方の幅として見ておくと参考になります。柔術の稽古という設定なので、普段の生活英語よりも一歩踏み込んだ指示の出し方が並んでいる点も特徴です。

相手の勢いを利用したと種明かしする言い方

ミッチェルが向かっていった直後、ジェイは自分がやったことを説明します。

Jay: You see what I did? I used your momentum against you.

Jay: I learned this choke from the Gracie brothers.

Jay: It’s called the lion killer- mata leão.

(今の見たか? お前の勢いをそのまま利用したんだ。/この締め技はグレイシー兄弟から習ったんだ。/「ライオンキラー」――マタレオンって呼ばれてる技だ。)

Modern Family Season1 Episode19 (Game Changer)

I used your momentum against you. は、相手が向かってきた力・勢いをそのまま利用して形勢を逆転させたときに使われます。柔術の技の説明として使われていますが、議論や交渉で相手の勢いを逆手に取った場面の比喩としても応用できます。

I learned this choke from the Gracie brothers. のように「〜から学んだ」を learn A from B の形で示す言い方も、日常でも使える構文です。技の名前を It’s called ~ で紹介する言い方も、固有の呼び名を説明するときに便利です。ここでは実在の柔術一家への言及にとどまり、技の由来を掘り下げる場面ではありません。

You see what I did? も、自分がやったことを相手に振り返らせる短い問いかけとして、説明の前置きによく使われます。技をかけた直後に、ジェイは自分のしたことを言葉で振り返らせています。

してやられたと気づく言い方

ジェイは技をかけたまま、ミッチェルに抜け出せるかどうか試させます。

Jay: Now try to get out.

Jay: Try to get out.

Jay: See?

Mitchell: I can’t.

(さあ、抜け出してみろ。/抜け出してみろって。/な?/できないよ。)

Modern Family Season1 Episode19 (Game Changer)

ジェイは技の利点を説明する流れの途中で、思わぬ形で自分の失敗に気づきます。

Jay: He’s gonna think you don’t know anything.

Jay: Basically, he’s being suckered into thinking– Manny.

Jay: Manny, that little bastard, he hustled me.

(相手はお前が何も知らないと思い込むんだ。/つまり、相手はまんまと思い込まされて――マニー。/マニーのやつ、まったくガキのくせに、俺を出し抜きやがった。)

Modern Family Season1 Episode19 (Game Changer)

be suckered into -ing は「〜だと思い込まされて引っかかる」という言い方です。hustle は「まんまと出し抜く」という意味の口語表現で、ここでは自分が言いかけていた理屈にちょうど当てはまる形で、ジェイ自身が同じ手口に引っかかっていたことに気づく流れになっています。説明している当人が同じ落とし穴にはまっていたという展開が、この場面の面白さです。

that little bastard は、ここでは強い非難というより、軽く毒づくような驚きの表現として使われています。マニーという名前を出したとたんに、それまで冷静に説明していたジェイの口調が崩れる流れも、聞き取りのポイントです。理屈を説明する側が自分の失敗に気づく展開は、会話の中で立場が入れ替わる面白さを持つ場面と言えます。

ジェイは、マニーにチェスを教えていた際も教える立場でありながら、結局は出し抜かれていたことにこの場面で思い当たります。護身術を教える今のやり取りと重ねると、教える側のはずのジェイが、実は勢いや駆け引きで振り回される側でもあったという構図が見えてきます。

まとめ|相手の勢いを利用する言い方

I used your momentum against you. をはじめ、get a running start、be suckered into -ing など、相手の動きや勢いを起点にした言い方を見てきました。柔術の技の説明という場面設定ですが、力関係が動く場面全般に応用できる言い回しです。教える立場のジェイが最後には教わる立場に近づいていく流れも、この場面の読みどころです。

このエピソードには、他にも英語表現を扱ったコラムがあります。あわせて読むと、場面ごとの英語がより立体的に見えてきます。

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