「wasn’t all bad」と「wasn’t terrible」はどう違う?素直にほめられないときの英語|『モダンファミリー』S07E19で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「wasn't all bad」と「wasn't terrible」はどう違う?素直にほめられないときの英語|『モダンファミリー』S07E19で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン7第19話では、新しい友達はいらないと言っていたジェイが、グロリアの知り合いの夫であるリースと会います。ジェイも、そしてグロリアも、相手の前では本音を素直に口にしません。

「よかった」とは言わずに、否定の形で少しだけ認める。そんな控えめな言い方が、この回の二人の言葉に何度か出てきます。表現の違いと、その言い方が選ばれる理由を順に見ていきます。

目次

「wasn’t all bad」――「悪くなかった」としぶしぶ認める

リースと会ったあとで、ジェイはこう話しています。

Jay: Okay, the guy wasn’t all bad, but I couldn’t let Gloria know or it would open the door for a whole bunch of new things I don’t want to do
(まあ、あいつも悪いところばかりじゃなかった。だが、グロリアに知られるわけにはいかない。知られたら、俺がやりたくもない新しいことが、山ほど始まっちまう)

Modern Family Season7 Episode19 (Man Shouldn’t Lie)

not all bad は、all(全部)を否定する部分否定です。「全部が悪いわけではない」、つまり「いいところもある」という意味になります。He’s not bad. と言うよりもさらに慎重で、好意を認めながらも、まだ距離を置いている響きがあります。

ここで注目したいのは、ほめ言葉を good や nice ではなく、否定の形で口にしている点です。ジェイは続けて、グロリアに知られるわけにはいかないと言っています。let ~ know は「〜に知らせる」という意味で、否定にすると「知られないようにする」という気持ちが表れます。リースを気に入ったと認めれば、新しい友達はいらないという自分の言い分が崩れてしまう。その事情が、wasn’t all bad という遠回しな言い方につながっていると読み取れます。

なお、この台詞の後半に出てくる open the door for は、フレーズ記事で詳しく扱っています。

「admit you were wrong」と「level with」――本音を出すときの英語

その後、リースはジェイに、妻に本当のことを話すよう勧めます。

Reece: Why don’t you tell your wife the truth and admit you were wrong?
(奥さんに本当のことを言って、自分が間違ってたと認めたらどうだい?)

Jay: You don’t get me like I thought you did.
(思ってたほど、俺のことをわかってないな。)

Reece: Or?
(それとも?)

Jay: Fine. I’ll level with her.
(わかったよ。腹を割って話す。)

Modern Family Season7 Episode19 (Man Shouldn’t Lie)

tell ~ the truth は「〜に本当のことを言う」、admit you were wrong は「自分が間違っていたと認める」です。admit は、できれば言いたくないことを認めるときに使われることの多い動詞で、ここでは「前言を撤回する」重さを含んでいます。

一方の level with ~ は「〜と腹を割って話す」「〜に正直に打ち明ける」という意味の句動詞です。level には「同じ高さの」という意味があり、相手と同じ目線で隠さず話すイメージで覚えると分かりやすい表現です。admit が「非を認める」ことに焦点を当てるのに対し、level with は「隠さずに話す」という話し方そのものを表しています。

後の場面で、グロリアもジェイに同じ方向の言葉をかけます。

Gloria: Why can’t you just admit that you were wrong? It’s not a weakness. It’s a strength, and I would love you and respect you more.
(どうして素直に、自分が間違ってたって認められないの? それは弱さじゃないのよ。強さなの。そうしたら、もっとあなたを愛して尊敬するのに。)

Modern Family Season7 Episode19 (Man Shouldn’t Lie)

ここでも admit が使われています。Why can’t you just ~? は「どうして〜できないの?」と、相手がそうしないことへのもどかしさを表す問いかけです。続く It’s not a weakness. It’s a strength. は、「認めること」を弱さではなく強さと言い換えて、相手の背中を押しています。リースとグロリアは、別々の場面で同じ admit you were wrong という形を使っており、ジェイが周りから同じことを求められている様子が伝わってきます。

「wasn’t terrible」と「I was right」――控えめな言葉と、はっきりした言葉

そのやりとりの後で、グロリアはこう言います。

Gloria: I knew it! I was right, and you were wrong! From now on, we’re gonna do new things all the time.
(やっぱりね! 私が正しくて、あなたが間違ってたのよ! これからは、いつも新しいことをするんだから。)

Modern Family Season7 Episode19 (Man Shouldn’t Lie)

I was right, and you were wrong! は、勝ち負けを遠慮なく言い切る形です。ジェイの wasn’t all bad とは正反対で、遠回しな言葉を一切使わずに、自分の正しさをそのまま口にしています。

ところが終盤には、グロリア自身も本音を隠していたことが語られます。

Gloria: Mm-mmm! It was disgusting, but I could never let Jay know that he was right.
(んー! ……ひどい味だったわ。でも、Jayが正しかったなんて、絶対に知られるわけにはいかないのよ。)

Jay: Food wasn’t terrible. And if I’m being honest, the movie sort of stayed with me.
(料理はひどくはなかった。それに、正直に言うと、映画もなんとなく心に残ってる。)

Modern Family Season7 Episode19 (Man Shouldn’t Lie)

wasn’t terrible は「ひどくはなかった」です。wasn’t all bad が「いいところもあった」と良い面を少し認めるのに対し、wasn’t terrible は「最悪ではなかった」という最低限の評価にとどまります。どちらも good と言わずに済ませる言い方ですが、認めている度合いには差があります。

if I’m being honest は「正直に言うと」と本音を切り出す前置きで、sort of は「なんとなく」と言葉をぼかす働きをしています。二人とも、相手が正しかったと知られたくない気持ちを let ~ know の否定で表している点が重なるのが面白いところです。控えめな言い方の裏には、言い合いで負けたくない気持ちがあることが、二人の言葉の並びから読み取れます。

まとめ|認めたくない気持ちが生む英語

部分否定でしぶしぶ認める wasn’t all bad、最低限だけ認める wasn’t terrible、非を認める admit you were wrong と、隠さず話す level with。はっきり言い切る I was right と並べると、控えめな言い方の働きがよく分かります。

ジェイとグロリアの本音と強がりは、これからも『モダンファミリー』の会話の中で見えてきます。

新しい友達をめぐる英語や、謝り方の英語は、同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも読めます。

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