海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン6第14話で、ミッチェルとキャメロンは友人に贈った絵を取り戻そうとします。ところが途中で包みの取り違えが起き、2人は思わぬ品をめぐって状況を確かめ合うことになります。
「何があったの?」と聞かれたとき、英語で経緯をどう組み立てるかは迷いやすいところです。この回の2人の会話には、結果の確認、経緯の説明、見ていないことの推測という3つの段階の言葉がそろっています。場面の順に見ていきます。
「Did you get it?」——結果を先に返す短いやりとり
絵を取りに行ったキャメロンが戻ってくると、ミッチェルはまずこう尋ねます。
Mitchell: Did you get it?
(取ってこれた?)Cameron: Yes.
(うん。)Cameron: And guess whose room they keep the last-minute wedding gifts in.
(それに、ぎりぎりに届いた結婚祝いを誰の部屋に置いてると思う?)Modern Family Season6 Episode14 (Valentine’s Day 4: Twisted Sister)
Did you get it? の get は「手に入れる」「取ってくる」の意味で、何をとは言わなくても、2人の間で話が通じている場面ならこれだけで足ります。答えの Yes. も一語だけで、結果を先に返してから詳しい話に移る順番になっています。
続く guess whose room ~ は「誰の部屋だと思う?」と相手に当てさせる言い方です。guess + 疑問詞 の形は、Guess who called me.(誰から電話があったと思う?)のように、意外な答えを用意しているときの前置きとして使われます。答えを言う前に相手の興味を引く、会話のちょっとした演出と言えます。
last-minute は「間際の」「ぎりぎりの」という意味の形容詞で、last-minute wedding gifts は「ぎりぎりに届いた結婚祝い」となります。a last-minute change(直前の変更)のように、予定や準備の話でもよく見かける組み合わせです。
ただ、この時点の Yes. が後で揺らぐことになります。結果だけを短く伝えるやりとりは手早い反面、中身の確認までは含んでいない点に気づかされる場面です。
「What happened?」に「Obviously, there were ~」で答える
キャメロンが持ち帰った包みの中身が、目当ての絵ではなかったと分かったあと、ミッチェルが問いかけ、キャメロンが経緯を説明します。
Mitchell: What happened?
(何があったの?)Cameron: Obviously, there were two gifts wrapped similarly and my eyes were watering from the thick fog of VapoRub back there.
(見れば分かるだろ、似たような包みが2つあったんだよ。しかも奥は塗り薬のにおいが立ちこめてて、目が涙でにじんでたんだ。)Modern Family Season6 Episode14 (Valentine’s Day 4: Twisted Sister)
What happened? は「何があったの?」と経緯をたずねる基本の問いかけです。責める響きにも心配する響きにもなり、口調によって受け取られ方が変わります。
キャメロンの答えは3つの部品でできています。まず Obviously, で「見れば分かるでしょ」と前置きし、取り違えは仕方がなかったという言い方にしています。次に there were two gifts wrapped similarly で状況を描写します。wrapped similarly は名詞の後ろから「似たように包まれた」と説明を加える働きをします。最後に and my eyes were watering ~ で、自分の側の事情を足しています。water は動詞で「目が涙ぐむ」という意味になります。
状況、条件、自分の事情という順で並べると、言い訳めいていても筋の通った説明に聞こえます。たとえば There were two keys that looked the same, and it was dark.(同じような鍵が2本あって、しかも暗かったんだ。)のように言えば、取り違えの理由を短くまとめられます。
「must have」で相手のしたことを推し量る
その後、アンダースからの結婚祝いを前に、2人はこう話します。
Cameron: What is that?
(それ何?)Mitchell: This is Anders’s wedding present to us.
(これはアンダースから僕たちへの結婚祝いだよ。)Mitchell: He must have swapped it out when he opened that monstrosity that he thinks we got him.
(僕たちが贈ったと思ってるあのひどい代物を開けたとき、すり替えたに違いないよ。)Modern Family Season6 Episode14 (Valentine’s Day 4: Twisted Sister)
What is that? と This is ~ は、目の前の物をたずねて答える基本の組み合わせです。ここで注目したいのは、その後のミッチェルの説明です。
must have + 過去分詞 は「〜したに違いない」と、過去の出来事を手がかりから推し量る形です。ミッチェルの言葉は、確かめた事実ではなく推量として語られています。swap out は「入れ替える」「差し替える」で、swap A out for B の形でも使われます。
that monstrosity that he thinks we got him は「僕たちが贈ったと彼が思っている、あのひどい代物」という意味で、he thinks を挟むことで相手の思い込みまで一緒に言い表しています。経緯を推し量る言葉に、相手から見た状況を重ねて説明する組み立てが読み取れます。
| 表現 | 働き |
|---|---|
| Did you get it? / Yes. | 結果だけを先に確かめる |
| guess whose room ~ | 相手に答えを当てさせる前置き |
| Obviously, there were ~ | やむを得ない状況として説明する |
| He must have swapped it out | 見ていないことを推し量る |
まとめ|確認・説明・推測の言葉
Did you get it? で結果を確かめ、Obviously, there were ~ で経緯を説明し、must have で見ていない出来事を推し量ります。取り違えをめぐる会話を追うと、何があったかを伝える英語が段階ごとに使い分けられていることが見えてきます。
次回も『モダンファミリー』と一緒に、場面に合った英語を見つけていきましょう。
贈り物を選んだ理由や、役目を押し付け合う英語は同じ回のほかのコラムで、一つひとつの表現はフレーズ記事でも扱っています。


コメント