仕返しだと思われそうで、言い出せないときの英語|『モダンファミリー』S07E22で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 仕返しだと思われそうで、言い出せないときの英語|『モダンファミリー』S07E22で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン7第22話では、父ジェイから会社を引き継いだクレアが、倉庫で働く従業員ニールを解雇しなければならない日を迎えます。ところが、ある出来事のせいで、その一言がなかなか言えなくなります。

言うべきことがあるのに、相手にどう受け取られるかが気になって動けない。そんなためらいを言葉にする英語が、この回のクレアの台詞にまとまっています。

目次

「I have to fire ~ today.」と用件を先に示す

この日は、ジェイが職場に戻ってくる日でもあります。何の仕事から始めるのかと聞くジェイに、クレアは手元のファイルを示して答えます。

Jay: So, what are we working on? Quarterly reports?
(で、何に取りかかるんだ? 四半期報告か?)

Claire: Actually, no. This is a personnel file. I have to fire Neal today.
(実は違うの。これは人事ファイル。今日、ニールを解雇しなきゃいけないの。)

Modern Family Season7 Episode22 (Double Click)

Actually, no. は相手の予想をやわらかく打ち消す前置きです。続く This is a personnel file. で何の話かを示し、I have to fire Neal today. で用件を言い切ります。fire は「解雇する」のくだけた言い方で、have to を付けると「そうせざるを得ない」という事情がにじみます。言いにくい内容ほど、前置きの後に事実を短く並べる組み立てが分かりやすく伝わります。

仕事の場面に置き換えるなら、Actually, there’s something I have to tell you today.(実は、今日伝えなきゃいけないことがあるんです。)のように、have to と today で「先延ばしにできない用件」であることを先に示せます。

ただ、会社を引き継いだクレアは、職場づくりについてこう語ります。

Claire: That “buddy” stuff may have worked for my dad, but I wanted a more personal touch when I took over. I wanted this to be a fun place to work, so I had an arcade dance game installed in the warehouse.
(「バディ」って呼ぶやり方は父には合ってたかもしれないけど、私が引き継いだときは、もっと一人ひとりに寄り添いたかったの。ここを楽しく働ける場所にしたくて、倉庫にアーケードのダンスゲームを入れたのよ。)

Modern Family Season7 Episode22 (Double Click)

a personal touch は「その人らしい心配り、人間味」を表す言い方で、事務的なやり方と対比するときによく使われます。a fun place to work は「楽しく働ける場所」です。この職場づくりの一つとして倉庫に置いたダンスゲームが、のちの出来事につながります。

「It would look like ~」で周りの目を気にする

その後、倉庫のダンスゲームで、ニールがクレアの記録を抜いてしまいます。クレアは解雇できなかった理由をこう語ります。

Claire: I couldn’t fire Neal. It would look like I was only doing it to get back at him for beating my record.
(ニールを解雇できなかった。記録を抜かれた仕返しのためだけにやってるみたいに見えちゃうでしょ。)

Modern Family Season7 Episode22 (Double Click)

It would look like ~ は「〜のように見えてしまう」という言い方で、would が「もし今それをしたら」という仮定を含んでいます。自分の本当の理由とは別に、周りからどう見えるかを気にしていることが、この一文から読み取れます。

get back at someone for ~ は「〜のことで人に仕返しをする」です。only doing it to ~ の only は「〜のためだけに」と動機を狭める働きをしています。似た形の I don’t want it to look like ~(〜のように見られたくない)も、誤解を避けたい場面で使えます。たとえば I don’t want it to look like I’m taking sides.(どちらかの肩を持っているように見られたくない。)と言えば、自分の行動が誤解されることへの心配が伝わります。

続けてクレアは、こう結論づけます。

Claire: So I had no choice
(だから選択肢はなかった)

Claire: I had to beat Neal’s score.
(ニールのスコアを抜くしかなかったの。)

Modern Family Season7 Episode22 (Double Click)

I had no choice は「ほかに道はなかった」と、自分の行動を説明するときの決まった形です。I had to ~ と組み合わせると、「だから〜するしかなかった」という理屈の流れになります。解雇をためらう話から、ニールのスコアを抜き返す話へと、クレアの言葉の向きが変わっていきます。

「you’re asking for their approval」と背中を押される

会議を前に、ジェイはクレアに、上司としての考えを語って聞かせます。

Jay: You go into that meeting with a bunch of agendas, you’re asking for their approval. “Like me! Like me! Like me!” I say “No”! How many times have I told you the first rule of being a good boss is “You don’t need your employees to be your friends.” You need them to respect you!
(資料の束を抱えて会議に入ったら、あいつらの承認を求めてるようなもんだ。「好きになって!好きになって!好きになって!」ってな。俺は「ノー」だ! いい上司の第一のルールは「部下を友達にする必要はない」だって、何度言った? 尊敬させればいいんだ!)

Claire: Thank you. That is exactly what I needed to hear.
(ありがとう。まさにそれが聞きたかったの。)

Modern Family Season7 Episode22 (Double Click)

ask for someone’s approval は「人の承認を求める」です。ジェイはこれを、周りに好かれようとする態度として言い表しています。クレアが「仕返しに見える」と気にしていたことと、ちょうど向き合う言葉になっています。a bunch of ~ は「〜の束、たくさんの〜」というくだけた言い方で、ここではアジェンダ(議題表)の束を指しています。

That is exactly what I needed to hear. は「まさに聞きたかった言葉だ」と、助言を受け取ったときの返し方です。exactly が「ぴったり」の感覚を加えます。迷っているときに相手の一言で決心がついた場面なら、そのまま使える一文です。

なお、ジェイの台詞の中の How many times have I told you ~? は「〜って何回言った?」と、前から伝えてきたことを念押しする言い方です。親が子に、上司が部下に言うときによく使われる形で、少し強めの響きがあります。

まとめ|言い出せない理由を英語にする

It would look like ~ で周りからの見え方を気にする言い方、get back at で仕返しの動機を表す言い方、I had no choice で自分の行動を説明する形。どれも、言うべきことを前にしたためらいを具体的な言葉にしてくれます。

次回も『モダンファミリー』の会話を手がかりに、英語の言い回しを集めていきましょう。

ジェイがパソコンやコピー機に手こずる場面、帰省したアレックスへの家族の反応は、同じ回のほかのコラムで扱っています。

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