海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン4 第13話に登場する、学会に向かう旅先のホテルで、ハワードが元交際相手と自分を比べて落ち込む場面です。バーナデットが比較そのものを退けて安心させ、最後は冗談めかして空気を和らげていく、その言葉のかけ方に目を向けます。
比較を無効化して安心させる言い方から、深刻になりかけた空気を和ませる切り返しまで見ていきます。
比較そのものを退ける、バーナデットの一言
ホテルの部屋で、バーナデットの元交際相手グレンと自分を比べて弱気になったハワードに、バーナデットは静かに言葉をかけます。
Bernadette: Howard, it’s not a contest. I love you. I want to be with you.
(ハワード、これは勝負なんかじゃないの。愛してる。あなたと一緒にいたいの。)Howard: Yeah, great, love you, too, but, if it were a contest, I wouldn’t have a chance, right?
(ああ、うん、俺も愛してるよ。でも、もし勝負だとしたら、俺に勝ち目はないよね?)Bernadette: You can’t think that way.
(そんなふうに考えちゃだめ。)Howard: Yep. Loser.
(ああ、負け犬だ。)TBBT Season4 Episode13 (The Love Car Displacement)
it’s not a contest は、優劣を比べる土俵そのものを取り払う言い方です。相手の弱気を理屈で打ち消すのではなく、比較という前提自体を無効化してしまうところに、慰め方としての工夫があります。続く I love you. I want to be with you. も、理由を並べ立てず事実だけを短く伝える言い方です。それでもなお if it were a contest, I wouldn’t have a chance と勝負の土俵に戻ってしまうハワードに、バーナデットは You can’t think that way. とその考え方自体をたしなめます。
深刻な空気を茶化して和ませるやり取り
会話を続けるうち、ハワードのぼやきは「自分のような男に君のような女性は釣り合わない」という言い方に転じ、バーナデットが問い詰める一幕を挟んで、最後はこんなやり取りに落ち着きます。
Bernadette: I’m too hot to go out with a guy like Glenn?
(私はグレンみたいな人と付き合うには、いい女すぎるってこと?)Howard: Yeah, let’s go with that.
(ああ、そういうことにしておこう。)TBBT Season4 Episode13 (The Love Car Displacement)
I’m too hot to go out with a guy like Glenn? は、深刻になりかけた話を、あえて自分に都合よく解釈し直す問いかけです。Yeah, let’s go with that. と乗っかるハワードの返しも、無理のある解釈だと分かっていながらそのまま受け入れる言い方で、深刻な空気を一気にほどく効果があります。理屈で説得し合うのではなく、軽い一言で場を持ち直すこのやり取りは、落ち込んだ相手を諭すもう一つの形と言えます。
まとめ|比較を退け、軽やかに和ませる優しさ
it’s not a contest、You can’t think that way、let’s go with that。優劣を比べる土俵そのものを取り払う諭し方から、深刻になりかけた空気を軽い一言でほどくやり取りまでを見てきました。理屈より先に、比較を無効化する一言を差し出す優しさが伝わってきます。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話から、気遣いの英語表現を探っていきましょう。
このエピソードの英語表現は、他のコラムやフレーズ記事でも扱っています。


コメント