「people-pleaser」は褒め言葉?それとも悪口?|『ビッグバン★セオリー』S11E21で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「people-pleaser」は褒め言葉?それとも悪口?|『ビッグバン★セオリー』S11E21で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第21話から、people-pleaser という言葉を取り上げます。彗星の発見をめぐってペニーとラージが対立し、間に立ったレナードはペニーからこの一言を浴びせられます。

please(喜ばせる)を含むので一見よい意味に見えますが、使われ方を追うと印象はかなり違います。二つの場面のやり取りから、その語感を確かめていきます。

目次

「people-pleaser」はペニーにとって非難の言葉

彗星を盗まれたと訴えるペニーに、レナードは少し引いた質問を返します。

Leonard: I know, but on the other hand, do you really care?
(分かるよ。でも一方で、本当にそんなに気にしてる?)

Penny: Yes, I care.
(気にしてるよ。)

TBBT Season11 Episode21

ペニーは、職場でも自分の話をまともに聞いてもらえないと感じていることを打ち明け、こういうことを let ~ slide(見過ごす、大目に見る)のはもううんざりだと言います。それでもレナードはラージをかばう側に回ります。

Leonard: I know you’re right, but he is our friend, and this could be good for his career.
(君が正しいのは分かってる。でも彼は僕たちの友達だし、これは彼のキャリアにとってもいい話かもしれない。)

Penny: Okay, so you agree with me, but he still gets his way?
(つまり、私に賛成なのに、それでも彼の思いどおりになるってこと?)

Leonard: Ah, there you go. Everybody wins.
(ほら、それだよ。みんなが得をする。)

Penny: My God, you’re such a people-pleaser. You can’t stand making anyone angry.
(もう、あんたって本当に八方美人。誰かを怒らせるのが耐えられないんだから。)

TBBT Season11 Episode21

get one’s way は「思いどおりにする」という意味です。レナードは「君が正しい」と認めたうえで but でひっくり返し、結論はラージの希望に寄せています。Everybody wins. は、その結論をまとめて丸く収めようとする一言です。

ペニーの people-pleaser は、人に嫌われたくなくて誰にでも合わせてしまう人を指します。日本語の「八方美人」に近く、一般に褒め言葉としてよりも、こうして相手の弱さを指摘する場面で使われることが多い言葉です。続く can’t stand ~ing は「〜するのが耐えられない」で、people-pleaser の中身を説明する形になっています。

両方に「いい顔」をするレナードの英語

ペニーの指摘に、レナードは疑問で返します。

Leonard: Why would I want to make anyone angry?
(どうして誰かを怒らせたいなんて思うのさ?)

Penny: ‘Cause it would mean you were on my side.
(それが、私の味方だってことになるからよ。)

Leonard: Oh, I am on your side.
(ああ、僕は君の味方だよ。)

TBBT Season11 Episode21

on someone’s side は「〜の味方」です。ペニーは「誰かを怒らせてでも自分の側に立つこと」を味方の条件として示しています。

別の場面で、レナードはラージのところへ出向きます。

Leonard: Raj, just help me out. Penny’s pretty mad about this comet thing.
(ラージ、頼むよ。ペニーが彗星の件でかなり怒ってるんだ。)

TBBT Season11 Episode21

ところがラージが自分を責め始めると、レナードはペニーと話してみると引き受けます。

Raj: Thank you. You’re a good friend, Leonard.
(ありがとう。君はいい友達だよ、レナード。)

Leonard: I’m glad you think so, cause I may be living here soon.
(そう思ってくれてよかった。僕、もうすぐここに住むことになるかもしれないから。)

TBBT Season11 Episode21

ラージを説得しに来たはずが、自分からペニーを説得する役を申し出ることになり、ペニーとの関係を自虐する冗談で締めています。後の場面で、戻ったレナードにペニーが尋ねます。

Leonard: I went to yell at Raj.
(ラージを怒鳴りに行ってきた。)

Penny: And? Is he gonna give me back my comet?
(それで?彗星は返してもらえるの?)

Leonard: Interesting thing.
(面白いことがあってさ。)

Penny: Did you cave?
(折れたの?)

TBBT Season11 Episode21

cave は「(圧力に負けて)折れる」という動詞です。people-pleaser と言われた人物にとって、いちばん聞かれたくない問いと言えます。

表現 意味 この回での使われ方
people-pleaser 誰にでも合わせる人 ペニーがレナードを非難する
get one’s way 思いどおりにする ラージの希望が通ることへの不満
on someone’s side 〜の味方 味方とは何かをめぐる応酬
cave 折れる ペニーがレナードを問い詰める

まとめ|「いい人」の裏側を表す英語

今回は、八方美人を指す people-pleaser、思いどおりにする get one’s way、味方を表す on someone’s side、折れる cave を見てきました。please を含む語でも非難として使われることを知っておくと、言われた側の受け止め方が分かりやすくなります。

二人の友人の間で揺れるレナードの姿から、言葉の温度が見えてくるエピソードです。

同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、彗星をめぐる騒動をまた別の角度から扱っています。

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