海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第5話に登場する、フェンシング由来の英単語の成り立ちです。運動を始めようとフェンシングに目を向けたシェルドンとレナードの会話には、touchéとswashbucklerという2つの言葉の説明が織り込まれています。
言葉の由来を知っていると、その言葉が会話で使われた瞬間の面白さまで味わえます。台本のやり取りを追いながら、2つの英単語を順番に見ていきましょう。
フェンシングが候補に挙がるまでの評価の型
アパートの場面で、レナードが大学のアクティビティ一覧を眺めながら、バリー・クリプキがフェンシングクラブを始めたと口にします。それを聞いたシェルドンの反応が、このテーマの入り口です。
Sheldon: Interesting. Sword fighting does hold a certain elegant appeal. And I would imagine it meets many of our personal criteria for a sport.
(興味深い。剣で戦うことには、ある種の優雅な魅力が確かにあるね。それに、スポーツについての僕たちの個人的な基準の多くを満たしていると思うよ。)TBBT Season9 Episode05
hold a certain ~ appeal は「ある種の〜な魅力がある」という控えめな評価の型です。断定を避けつつ、前向きな感触を伝えられます。
meet criteria は「基準を満たす」という決まった組み合わせで、条件を挙げて検討する場面の定番と言えます。この後、2人は「屋内でできる」「走らなくていい」といった基準を実際に挙げ合っていきます。
「touché」の由来と実演される比喩の用法
続けてシェルドンが、決め手を付け加えます。
Sheldon: And as an added bonus, the word touché comes from fencing. It would be our only opportunity to use it in a non-metaphorical sense.
(それにおまけとして、touchéという言葉はフェンシングから来ているんだ。僕たちがこの言葉を比喩ではない意味で使える、唯一の機会になるよ。)TBBT Season9 Episode05
as an added bonus は「おまけに」と利点を足す言い方です。touché はフランス語由来で、フェンシングでは突きが当たったと認める掛け声として使われます。
そこから転じて、議論で相手の指摘を「一本取られた」と認める相槌にもなりました。これを聞いたレナードが、すかさず切り返します。
Leonard: What about a game of tag on a French schoolyard?
(フランスの校庭でやる鬼ごっこはどうなの?)Sheldon: Ah, touché.
(ああ、一本取られたね。)TBBT Season9 Episode05
フランスの校庭の鬼ごっこなら、touchéが文字どおり「触った」の意味で飛び交いそうです。唯一の機会というシェルドンの主張への、理屈の通った反撃になっています。
それを認める返事そのものが、比喩の用法の実演です。由来の説明の直後に使用例まで付く、教材のような流れが見どころです。
「swashbuckler」を2つの部品に分解する
場面は変わって体育館。フェンシングクラブに顔を出したレナードが、少年時代の憧れを口にします。
Leonard: I always wanted to be a swashbuckler when I was a kid.
(子どもの頃は、ずっと豪快な剣士に憧れてたんだ。)Sheldon: Technically, swashbuckler is a combination of two terms. Swash referring to the sound of the sword. Swash. And then buckler meaning a small shield, which you don’t have.
(厳密に言うと、swashbucklerは2つの言葉の組み合わせなんだ。swashは剣の音のことを指していて。スワッシュ、とね。それからbucklerは小さな盾のことだよ。君は持っていないけど。)TBBT Season9 Episode05
swashbuckler は、冒険ものに出てくる豪快な剣士を指す言葉です。シェルドンの説明のとおり、剣の音を表す swash と、小さな盾を意味する buckler の組み合わせとして語られます。
このように部品へ分解して意味を取る読み方は、長い英単語全般に応用が利きます。unbelievableをun+believe+ableと分けるのと同じ発想で、見慣れない単語の意味を推測する手がかりになります。
憧れにうんちくで返すあたりがいかにもシェルドンらしく、その中身がそのまま学習素材になるのが分かります。
まとめ|剣の世界から日常会話へ
今回は、フェンシング由来の2つの英単語を見てきました。touchéは突きを認める掛け声から「一本取られた」という相槌へ広がり、swashbucklerはswashとbucklerという部品の組み合わせで豪快な剣士を表します。由来とセットで覚えると、どちらも記憶に残りやすくなります。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話とともに、英語表現の成り立ちを見ていきましょう。
このエピソードの他のコラムやフレーズ記事とあわせて読むと、場面ごとの英語表現がさらに立体的に見えてきます。


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