海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン8 第6話に登場する、模擬坑道体験の最中にラージがシェルドンにかけた言葉です。閉所での不安を口にしたシェルドンに対して、ラージは自分自身の体験を語ることで応じます。
怖いときに何を思い浮かべるか、という問いかけから始まる、支えとなる記憶の語り方を見ていきましょう。
怖いときに何を思い浮かべるか、と問いかける言い方
坑道を模した蒸気トンネルの中で不安を口にしたシェルドンに対し、ラージは自分の中にある支えの話を切り出します。
Raj: Sheldon, you know what I think of when I’m scared? Voyager.
(シェルドン、僕が怖いときに何を思い浮かべるか知ってるかい? ヴォイジャーだよ。)TBBT Season8 Episode6 (The Expedition Approximation)
You know what I think of when I’m scared? という問いかけの形は、答えをすぐには明かさず、まず相手の関心を引き寄せてから本題に入る話し方です。相手に一度考える間を与えることで、そのあとに続く話への注意がより強く向くようになる構文でもあります。ここで挙げられているVoyagerとは、実在する無人の惑星探査機Voyager 1のことです。
人生で一番怖かった経験を語り、相手を励ます言い方
ラージはさらに、Voyagerという探査機の名前に、自分自身の記憶を重ねて語り始めます。
Raj: When I left India for America, I was never more scared in my life. I had no idea what lay ahead.
(インドからアメリカに来たとき、人生であれほど怖かったことはなかった。この先に何が待っているのか、まったく見当もつかなかったんだ。)TBBT Season8 Episode6 (The Expedition Approximation)
I was never more scared in my life という言い方は、過去の経験を最上級の形で振り返る言い回しです。続くI had no idea what lay aheadは、その先の展開が見えていなかったことを表す表現で、当時の不安な心境を過去形で淡々と伝えています。
その不安な記憶をどう抱えてきたのかを、ラージはVoyagerの姿に重ねながら続けます。
Raj: Whenever I feel that way, I think about how Voyager is still out there somewhere beyond our solar system, going further than anyone ever thought it could. Don’t leave. You can do this.
(そんな気持ちになるたびに、Voyagerが今も太陽系の外のどこかで、誰も想像しなかったほど遠くまで進み続けていることを思い出すんだ。行かないでくれ。君ならできる。)TBBT Season8 Episode6 (The Expedition Approximation)
Whenever I feel that way, I think about … という構文は、不安を感じるたびに思い出す支えを説明する言い方です。going further than anyone ever thought it couldという表現には、想定を超えて進み続けるものへの敬意が込められています。長く語ってきた記憶の話は、最後にDon’t leave. You can do this.という二つの短い命令文へと切り替わります。飾らない言葉を積み重ねることで、それまでの語りの重みごと相手へ手渡す励まし方になっています。
まとめ|怖かった記憶を支えに変える語り方
you know what I think of when I’m scared?という問いかけから、I was never more scared in my lifeという最上級の振り返り、そしてDon’t leave. You can do this.という率直な励ましまで、不安だった経験を語りながら相手を勇気づける言い方をたどりました。自分の記憶を差し出すことが、そのまま相手への支えになる場面です。過去形で語られる体験談と、現在形で示される支え、そして短い命令文の励ましという三つの時制の重なりが、この言葉かけを一段と印象深いものにしています。
次回の『ビッグバン★セオリー』でも、会話の中から英語表現を拾っていきましょう。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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