「What’s his deal?」に学ぶ、人物の正体を探る言い方とおどけた仮説の立て方|『ビッグバン★セオリー』S02E06で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「What’s his deal?」に学ぶ、人物の正体を探る言い方とおどけた仮説の立て方|『ビッグバン★セオリー』S02E06で学ぶ英会話

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今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン2 第6話に登場する、よく分からない相手の正体を尋ねる言い方と、それに対しておどけた仮説を出し合う言い方です。アパートの廊下で、ペニーがレナードとハワードにシェルドンについて率直な疑問をぶつける場面には、相手の事情を尋ねる定番の言い回しと、友人同士で持論を重ねていく会話の型が並んで登場します。

「What’s his deal?」という一言から見ていきます。

目次

「What’s his deal?」型で、よく分からない相手の事情を尋ねる言い方

夕食を持って部屋を訪ねてきたラモーナがシェルドンと二人で残り、レナード・ペニー・ハワードが連れ立って廊下に出たところで、ペニーがずっと気になっていたことを切り出します。世間話の延長ではなく、はっきりと質問の形をとっている点が特徴です。

Penny: I know this is none of my business, but I just, I have to ask, what’s Sheldon’s deal?
(これは私には関係ないことだと分かってるんだけど、どうしても聞きたいの。シェルドンって結局何なの?)

TBBT Season2 Episode6 (The Cooper-Nowitzki Theorem)

what’s ~’s deal? は、相手の性格や事情がよく分からないときに使う言い方です。I know this is none of my business, but 〜 と前置きしてから切り出すことで、踏み込んだ質問であることをあらかじめ和らげています。単刀直入に尋ねるのではなく、遠慮の姿勢を先に示してから本題に入る構成です。これに対して、レナードは皮肉交じりの答えを返します。

Leonard: Honestly, we’ve been operating under the assumption that he has no deal.
(正直なところ、僕たちは彼には特に事情なんてないという前提でやってきたんだ。)

Penny: Come on, everybody has a deal.
(そんなことないでしょ、誰にだって事情はあるものよ。)

Howard: Over the years, we’ve formulated many theories about how he might reproduce. I’m an advocate of mytosis.
(何年もかけて、彼がどうやって繁殖するのかについて、俺たちはいくつも説を立ててきたんだ。俺は分裂増殖説を推してる。)

TBBT Season2 Episode6 (The Cooper-Nowitzki Theorem)

レナードの he has no deal. という返しに、ペニーは Come on, everybody has a deal. と食い下がります。deal という同じ単語をそのまま投げ返す言い方は、相手の主張をそのまま引っくり返す簡単な切り返しとして応用できます。相手が使った単語を借りて反論すると、話の軸をずらさずに議論を続けられるという利点があります。

ハワードの I’m an advocate of 〜. は、本来は学術的な議論や政策の話し合いで使う「私は〜を支持する」というフォーマルな言い回しを、ふざけた思いつきに当てはめて使っている点が面白いところです。硬い表現をわざとくだけた話題に使うことで、生真面目な口調とばかばかしい内容のギャップが生まれています。ペニーはこのあとも具体的な候補をいくつか挙げながら重ねて尋ねており、一度の質問で終わらせず、答えが出るまで角度を変えて問いを重ねていく粘り強さがこのやりとりの背景にあります。

おどけた仮説を出し合う言い方と、反対意見の切り出し方

ハワードの説明はさらに続きます。

Howard: I believe one day Sheldon will eat an enormous amount of Thai food and split into two Sheldons.
(いつかシェルドンは大量のタイ料理を食べて、二人のシェルドンに分裂すると俺は思ってる。)

Leonard: On the other hand, I think Sheldon might be the larval form of his species, and someday he’ll spin a cocoon and emerge two months later with moth wings and an exoskeleton.
(一方で僕は、シェルドンは自分の種族の幼虫形態で、いつか繭を作って、二ヶ月後に蛾の羽と外骨格を持って出てくるんじゃないかと思ってるよ。)

TBBT Season2 Episode6 (The Cooper-Nowitzki Theorem)

I believe 〜. は、確信の度合いを保ちながら自分の考えを述べる言い方です。断定を避けつつも、単なる思いつきではなく一定の確信を持って話している響きがあります。この持論に対して、レナードは自分の説を持ち出します。On the other hand, I think 〜.on the other hand は「一方で」と、相手の意見を否定せずに別の視点を添えるときに使える言い方です。

反対意見を述べる際に、いきなり否定から入るのではなく、まず相手の意見を受け止めたうえで自分の考えを重ねる構成になっています。仮説の中身そのものはふざけていますが、感想や意見を順番に述べ合う会話の構造は、友人同士の議論でそのまま応用が利きます。誰かの意見に賛成しきれないときでも、頭ごなしに否定するのではなく、この型を使えば自分の考えを穏やかに添えることができます。

二人の仮説はどちらも荒唐無稽ですが、I believe 〜.On the other hand, I think 〜. という骨格だけを取り出せば、意見を述べ合う際の型としてそのまま実用に転用できます。相手の説を否定せずに横に並べる姿勢は、雑談でも会議でも使い勝手のよい進め方です。ハワードの分裂増殖説とレナードの幼虫形態説は、どちらも生物学の用語を借りた比喩になっている点も共通しています。真剣な調子で述べられるほど、内容とのギャップがはっきりしてくる構成です。二人のやりとりを見ていくと、意見を述べる順番を守りながら、相手の発言をきっかけに自分の考えを重ねていくという、雑談における会話のキャッチボールの基本形が見えてきます。

まとめ|正体不明の相手を語り合う言い方にも型がある

what’s ~’s deal?、I’m an advocate of 〜.、on the other hand, I think 〜.。よく分からない相手を尋ねる言い方から、持論を出し合う言い方まで、会話が広がっていく型が積み重なっています。意見を否定せずに自分の説を添える言い回しは、雑談の幅を広げてくれます。

次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。

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