海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
結果がどうなるか分からない出来事を控えて、友人に「うまくいくといいね」と軽く声をかけたくなる場面は、誰にでもあるのではないでしょうか。
そんなときに使える「fingers crossed」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン11第2話の序盤、研究室を訪ねたバーナデットが、エイミーの研究の行く末を案じて返す短い一言から、一緒に見ていきましょう。
「fingers crossed」の意味とニュアンス
fingers crossed
意味:うまくいくように祈っている、幸運を祈る
人差し指と中指を交差させるジェスチャーは、欧米で幸運を祈るおまじないとして広く知られています。Fingers crossed. はそのジェスチャーを言葉にした決まり文句で、単独で使うと「うまくいくように祈ってるよ」という意味になります。
I’ll keep my fingers crossed のように文として使うこともできますが、会話の中では Fingers crossed. だけで相槌のように使われることが多い表現です。結果が不確かな出来事に対して、相手を励ます気軽な一言として機能します。
試験の結果待ちや面接の合否など、すぐには分からない出来事の前後に、背中を押すような軽さで使われるのが典型です。
【ここがポイント!】
- 「fingers crossed」の核は、指を交差させて幸運を祈るジェスチャーそのもの
- 単独の一言でも、文の中に組み込んでも使える柔軟な表現
- 深刻になりすぎず、さらっと励ます相槌として使うのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S11E02のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
エイミーの研究室を訪ねたバーナデットは、新しい実験機材が増えていることに気づき、大学からの研究予算が潤沢になっている様子を話題にします。エイミーが冗談めかして将来の成果を語った直後、バーナデットが返した短い一言に注目です。
Bernadette: Ooh, someone’s got a lot of fancy new lab equipment.
(あら、誰かさんの研究室、お洒落な新しい機材がいっぱいね。)Amy: I know. The university has been throwing money at my study. With any luck, there’ll be a brain disease with my name on it.
(そうなの。大学が私の研究にどんどんお金をつぎ込んでくれているのよ。運が良ければ、私の名前がついた脳の病気ができるかもしれないわ。)Bernadette: Fingers crossed.
(うまくいくように祈ってるわ。)Amy: Which is ironic, because if you had Fowler’s palsy, you wouldn’t be able to cross your fingers.
(それは皮肉よね。ファウラー病にかかったら、指を交差させることもできなくなるんだから。)The Big Bang Theory Season11 Episode2 (The Retraction Reaction)
シーン解説と心理考察
エイミーの「運が良ければ、自分の名前がついた脳の病気ができるかもしれない」という突飛な冗談に、バーナデットは動じることなく「うまくいくように祈ってるわ」と短く応じています。科学的な成功を素直に願う反応の速さに、二人の親しさが表れています。
このやり取りの直後、エイミーが「その病気にかかったら指を交差させることすらできなくなる」と皮肉を返す流れも見どころです。相手の冗談を受け止めてから、さらに一段皮肉を重ねるというエイミーらしい理屈っぽさが、短い会話の中に凝縮されています。研究者としての成功を喜び合う関係性と、そこに差し込まれる科学的なジョークが同時に存在する場面です。
バーナデット自身も微生物学者であり、エイミーの研究予算の話を単なる世間話として流さず、きちんと願いの言葉を返している点も見逃せません。軽い相槌のようでありながら、同じ研究者としての立場から本心で応援している様子が、短い一言の奥に表れています。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
fingers crossed を覚えるコツは、人差し指と中指を実際に交差させてみることです。祈るように指を組む姿をそのままイメージすると、この表現が持つ「うまくいくように」という願いのニュアンスが体に残ります。
劇中でもバーナデットが、エイミーの研究の行く末を願う場面でこの一言を返していました。指を組む動作自体が、言葉よりも先に気持ちを伝えるジェスチャーになっている点を意識すると、とっさの場面でも自然に使えるようになります。結果を待つ緊張感のある場面ほど、この短い一言がしっくりくる表現です。
声に出す言葉の長さと、実際のジェスチャーの動作時間を重ねてイメージするのも覚え方のひとつです。指を組むのはほんの一瞬の動作であり、Fingers crossed. という短い一言のテンポとちょうど重なります。長々と励ますよりも、さっと一言だけ添えるくらいの軽さが、このフレーズにはふさわしい距離感だと言えます。
例文で覚える「fingers crossed」
面接の結果待ちから天候への期待まで、fingers crossed を3つの例文で確認していきましょう。
Fingers crossed, I’ll hear back from them tomorrow.
(うまくいくといいけど、明日には返事が来るはずだよ。)
結果待ちの気持ちを語る日常会話の場面です。文頭に置くことで、これから起こることへの期待がまず伝わります。
A: I have my job interview tomorrow. B: Fingers crossed! You’ll do great.
(A:明日面接なんだ。 B:うまくいくように祈ってるよ!きっと上手くいく。)
友人の面接を励ます会話です。短い一言のあとに前向きな言葉を続けると、励ましの気持ちがより伝わります。
Fingers crossed that the project gets approved this time.
(今回はプロジェクトが承認されるように祈っているよ。)
承認待ちの状況を語るビジネスの場面です。that 以下に具体的な内容を添えると、何を願っているのかが明確になります。
あわせて覚えたい関連表現
knock on wood
(縁起直しのおまじない)
fingers crossed が「これから先の幸運」を願うのに対し、knock on wood は「今ある幸運が続くように」と悪い結果を避けるおまじないです。願う方向が未来か現状維持かという点で使い分けられます。
here’s hoping
(そうなるといいけど)
ジェスチャーを伴わない、言葉だけの期待表現です。fingers crossed よりもさらにカジュアルな相槌として使われ、身振りを伴わない場面に向いています。
wish someone luck
(誰かの幸運を祈る)
fingers crossed は自分自身が行うおまじないですが、wish someone luck は他者に向けて直接声をかける表現です。I wish you luck. のように、相手への励ましを直接言葉にする場合に使われます。
Note|指を交差させる動作が「幸運」を意味するようになった背景
指を交差させて幸運を祈る習慣には、複数の起源説があります。もっとも広く知られているのは、キリスト教の十字の象徴と結びつける説です。十字架の形を指先で簡易的に作ることで、悪い運から身を守る意味が込められたという見方があります。
別の説では、中世ヨーロッパで二人の人物が互いの指を交差させて願いごとをしたという慣習に由来するとも言われています。この場合、一人の指の力だけでなく、二人の力を重ね合わせることで願いが強まるという発想があったようです。いずれの説も確定的な史料に基づくものではなく、口承的に広まった慣習という位置づけが一般的です。
起源がはっきりしないまま広まった慣習であっても、ジェスチャーそのものが言葉として定着し、Fingers crossed. という決まり文句になった点は興味深いところです。動作と言葉が一体化しているからこそ、口に出すだけで身振りまで思い浮かぶ表現になっています。
本シーンのバーナデットの一言も、実際に指を交差させていなくても、その動作のイメージごと相手に伝わる短さを持っています。
起源の諸説を知っておくと、このフレーズの背景にある文化的な奥行きも感じられるはずです。子どもの頃に嘘をつくときにも指を交差させるという、別の慣習と結びつけて語られることもありますが、これは幸運を祈る用法とは別の文脈で生まれた言い伝えとされ、フレーズ自体の意味には影響していません。
まとめ|結果を待つときの、軽やかな一言
fingers crossed は、結果が分からない出来事を前に、幸運を願う気持ちを短く伝える表現です。指を交差させるジェスチャーのイメージを持っておけば、深刻にならずに相手を励ませる感覚がそのまま伝わります。
面接の結果を待つときも、天候に予定が左右されるときも、この一言があれば軽い気持ちで気持ちを共有できます。
エイミーの突飛な冗談にも動じず「うまくいくように祈ってるわ」と素直に返したバーナデットの反応には、友人の成功を願う気持ちの率直さが表れていると言えます。表現の幅を広げてみてください。


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