「run something by someone」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S05E03で学ぶ英会話

「run something by someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

何かを決める前に、関係する相手へ「これでいい?」と一度確認しておくべきだった、と後から気づく、そんな瞬間が、ドラマには時々あります。

その「事前に一度相談する」を表す「run something by someone」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン5第3話、同居問題で揉めたあとにハワードがバーナデットへ謝るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「run something by someone」の意味とニュアンス

run something by someone
意味:〜に話を通して意見を聞く / 一応相談する

アイデアや計画を最終的に決めてしまう前に、関係者に一度見せて反応や許可を求めることを表す句動詞です。何かを相手の「前を通過させて(by)」反応を見る、というイメージが核にあります。

単に「伝える」「報告する」とは違い、run by には「相手の意見や了承を確かめる」という含みがあります。つまり、相手を意思決定のプロセスに入れる、という姿勢が表れる表現です。ビジネスでは Let me run this by my manager(上司に確認させてください)のように、自分の一存では決められない案件を持ち帰るときの定番フレーズになっています。日常でも、同居人や家族に「先に相談してね」と求める場面で自然に使われます。

【ここがポイント!】

  • 決める前に相手の意見・了承を確かめる「打診」の表現
  • by は「相手の前を通過させて反応を見る」イメージ
  • 相手を意思決定に入れる姿勢が表れる、ビジネスでも頻出の一言

『ビッグバン★セオリー』S05E03のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

結婚後の同居をめぐって衝突した二人。バーナデットが仲直りに訪れ、「いきなり持ち出されて驚いた」と本音を伝えると、ハワードはその切り出し方を認めて、自分の非を口にします。普段は自己中心的な彼の、関係修復への歩み寄りがにじむ場面です。

Bernadette: I was just surprised when you sprung the whole living-with-your-mom stuff on me.
(ただ、お母さんと同居なんて話、いきなり持ち出されたからびっくりしただけ。)

Howard: Yeah, well, I’m sorry I didn’t run it by you first.
(ああ、うん。先に君に相談しなかったのは悪かったよ。)

The Big Bang Theory Season5 Episode3(The Pulled Groin Extrapolation)

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シーン解説と心理考察

ハワードの「I’m sorry I didn’t run it by you first」は、ただの謝罪ではありません。run it by you には「決める前に君の意見を聞くべきだった」という含みがあり、彼が「君を意思決定に入れるべきだった」と認めていることが伝わってきます。

普段のハワードは、母親との同居を当然の前提にしてしまうほど自己中心的なところがあります。その彼が「先に相談しなかった」と非を認める一言には、関係を修復しようとする歩み寄りがにじむ場面です。first(先に)という一語も効いていて、「決めてから事後報告するのではなく、決める前に相談すべきだった」という順序への反省がこの一言に重なっています。短いセリフですが、二人の関係が前に進む転換点として響きます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

「アイデア」という一台の車を、相手の家の前を、ゆっくり走らせて(run)通り過ぎる(by)、そんな光景を思い描いてみてください。相手は窓からその車を眺めて、「いいね」「やめときなよ」と反応を返してくれます。run by は、決定という名のゴールに突っ走る前に、まず相手の前を一度通すイメージです。

ハワードが「同居の話を、決める前に君の前を一度通すべきだった」と悔やんだ場面と結びつければ、「決定前に相手の反応を見る」という run by の核が、車の動きとして記憶に残ります。

例文で覚える「run something by someone」

決定前に相手の意見や了承を求める表現なので、ビジネスでも日常でも「一度確認したい」場面で活躍します。三つの例文で使い方を見ていきましょう。

Let me run this by my manager before I confirm.
(確定する前に、上司に一度確認させてください。)
自分の一存では決められない案件を持ち帰る場面です。ビジネスで最もよく使われる形で、慎重さと礼儀をあわせて示せます。

Can I run an idea by you?
(ちょっとアイデアを聞いてもらってもいい?)
同僚に企画の感触を確かめる場面です。本格的に提案する前の、軽い打診の切り出しとして便利です。

A: I’m thinking of repainting the kitchen. B: Run the color by me first, okay?
(A:キッチンを塗り直そうと思ってて。 B:色は先に私に相談してね?)
同居人や家族に事前の合意を求める場面です。「勝手に決めないで、先に通してね」という気持ちを、やわらかく伝えられます。

あわせて覚えたい関連表現

check with someone
(〜に確認する)
より広く「確認する」一般を指す表現です。run by が「自分の案を見せて反応を求める」という具体的な打診なのに対し、こちらは事実確認なども含む広い言い方です。

bounce an idea off someone
(〜にアイデアをぶつけて意見をもらう)
壁打ちのように意見を返してもらうニュアンスが強い表現です。run by が「許可・了承」寄りなのに対し、こちらは「発想の練り上げ」に重点があります。

clear something with someone
(〜に許可を取って了承を得る)
正式な許可・承認を得る含みが最も強い表現です。run by よりも公式で手続き的な場面に向いています。

Note|「相談する」を表す4つの句動詞の使い分け

日本語の「相談する」はとても便利な一語ですが、englishではその中身が、相手の立場や目的によっていくつもの表現に分かれています。

代表的なのが、run by、check with、bounce off、clear with の四つです。run something by someone は「決める前に一度見せて反応を見る」、いわば軽い打診から中程度の確認にあたります。check with someone は「確認する」全般で、事実や状況をたしかめるときにも使える広い表現です。bounce an idea off someone は、意見を返してもらって発想を練り上げる「壁打ち」のイメージで、相手の許可ではなくフィードバックが目的です。そして clear something with someone は、正式な許可・承認を取りつける、最もあらたまった言い方になります。「軽い打診」から「正式な許可取り」へと、丁寧さと公式さのグラデーションで並んでいるわけです。日本語なら全部「相談する」で済むところを、englishは「何を求めて相談するのか」で表現を選び分けています。

ハワードが使った run it by you は、この中では「決める前に一度意見を聞く」という打診の位置。彼が「許可を取るべきだった」とまでは言わず、「一度通すべきだった」と表現したところに、対等なパートナーへの歩み寄りが感じられます。

「相談する」の中身を分けて捉えると、englishの表現選びがぐっと立体的になります。

まとめ|決定前に相手を巻き込む打診の一言

run something by someone は、何かを決めてしまう前に、関係する相手へ一度見せて反応や了承を求める表現です。「伝える」「報告する」とは違い、相手を意思決定のプロセスに入れる、という姿勢がこの一言には表れています。

仕事で上司に確認を取るときも、家庭で同居人に相談するときも、「勝手に決めずに一度通す」という関係づくりは、信頼の土台になります。run by を知っておくと、その姿勢を自然な一言で示せます。

決める前に「これでいい?」と相手の前を一度通す、そんな打診の一言です。

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