海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ビッグバン★セオリー』シーズン9の第20話「The Big Bear Precipitation」は、シェルドンが自宅でVR(仮想現実)装置を着け、森を体験している場面から始まります。一方、ハワードとバーナデットの自宅では、バーナデットの妊娠をめぐってラージが張り切りすぎ、ハワードとの間にぎこちない空気が生まれます。台本の実際のやり取りから、相手を支える気持ちと、行き過ぎを穏やかに止める気持ちの両方を英語でどう表すのかを10個のフレーズで見ていきます。
あらすじ(ネタバレなし)
『ビッグバン★セオリー』S09E20では、ペニー、レナード、シェルドン、エイミーの4人がビッグベアのキャビンで週末を過ごします。留守番役のハワードとバーナデットの家では、バーナデットの妊娠が分かって以来何かと世話を焼こうとするラージの熱心さが、ハワードとの間にちょっとした摩擦を生みます。キャビンでは、雨で予定していたハイキングが中止になると、ペニーの提案で飲みゲームが始まり、登場人物たちの過去の告白合戦へと発展していきます。相手を気遣う気持ちと、踏み込みすぎないための線引きの両方から、英語の距離感を考えられるエピソードです。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. rein it in
抑える
Howard: So you don’t think he needs to rein it in a little?
(じゃあ、彼はもう少し抑えたほうがいいとは思わないの?)
rein it in は「抑える」という意味です。ラージの張り切りぶりに戸惑うハワードが、バーナデットに同意を求めるように尋ねる一言で、直接本人に言う代わりに、まず周りに気持ちを確かめようとする遠慮が表れています。
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2. a sore spot
触れられたくない問題
Bernadette: It’s a sore spot, don’t bring it up.
(それは触れられたくない話だから、持ち出さないで)
a sore spot は「触れられたくない問題」という意味です。妊娠の瞬間にラージを立ち会わせなかったことをハワードにからかわれたバーナデットが、話をすぐに切り上げようとする一言で、笑い話にされたくない一線をやんわり示しています。
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3. set boundaries
境界線を決める
Howard: But we have to set some boundaries.
(でも、境界線は決めておかないと)
set boundaries は「境界線を決める」という意味です。ラージ本人を前に、ハワードが感謝の言葉を伝えたうえで切り出す一言で、相手を傷つけないよう前置きを丁寧に重ねてから本題に入る言い方になっています。
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4. see something through
最後までやり遂げる
Penny: So I’m gonna do the grown-up thing and see it through.
(だから、大人として最後までやり遂げるつもり)
see something through は「最後までやり遂げる」という意味です。今の仕事について迷いを口にしていたペニーが、話の終わりに気持ちを切り替えて言う一言で、不満を抱えながらも現実的な判断を選び取る様子が表れています。
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5. overstep one’s bounds
出しゃばって限度を越える
Raj: I overstepped my bounds.
(出しゃばりすぎたよ)
overstep one’s bounds は「出しゃばって限度を越える」という意味です。謝罪を受けたラージが、必要ないと言いながらも自分の行き過ぎをすぐに認める一言で、悪気のなさと反省が同時に伝わってきます。
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6. get back to nature
自然に戻る
Sheldon: It’s nice to get back to nature.
(自然に戻るのはいいものだね)
get back to nature は「自然に戻る」という意味です。自宅でVR装置を着け、森の中にいる体験をしているシェルドンが開口一番に発する一言で、この直後に画面の中の蝶へ話しかけ始めるなど、普段の几帳面さとはまるで違う開放的な様子が続きます。匂いまで車用芳香剤で再現するほどの念の入れようが、この場面の見どころです。
7. suit yourself
好きにしろ
Sheldon: Well, suit yourself.
(じゃあ、好きにすればいい)
suit yourself は「好きにしろ」という意味です。ダニのチェックをしようと提案したシェルドンが、エイミーに軽くいなされたときの返しで、深追いせず相手の判断に任せる、シェルドンにしてはかなり珍しくあっさりした態度です。
8. stay safe and warm
安全で暖かく過ごす
Sheldon: Now we have to stay safe and warm.
(今度は安全で暖かく過ごさないといけないね)
stay safe and warm は「安全で暖かく過ごす」という意味です。雨で予定していたハイキングが流れた場面で、レナードの残念そうな一言に対し、シェルドンがすぐさま状況を切り替えるように返しています。
9. rent a cabin
キャビンを借りる
Amy: You know, if you really want to be in nature, why don’t we rent a cabin?
(本当に自然の中で過ごしたいなら、キャビンを借りるのはどう?)
rent a cabin は「キャビンを借りる」という意味です。自然の効果にすっかり夢中になったシェルドンに、エイミーが現実的な代案を持ちかける一言で、相手の関心に付き合いながらも実現しやすい方向へ誘導する言い方です。
10. never have I ever
今まで一度も~したことがない
Penny: All right, it’s called Never Have I Ever.
(よし、これは「今まで一度もしたことがない」っていうゲームよ)
never have I ever は「今まで一度も~したことがない」という意味です。雨で予定が流れたあと、ペニーが場を盛り上げようとゲームを紹介する一言で、この後キャビンでの飲み会が思わぬ告白合戦へと大きく発展していきます。
このエピソードの英語学習ポイント
この回で軸になるのは、相手を支えたい気持ちと、踏み込みすぎないための線引きが同時に表れる英語です。自宅に残ったラージの世話焼きをめぐる場面では、ハワードが感謝の言葉を先に置いてから本題に入る言い方を選び、直接的な拒絶を避けながら境界線を示します。バーナデットも、話題にしてほしくないことは「触れないで」とはっきり言うのではなく、遠回しな一言で会話を切り上げます。自宅というごく身近な関係性の中でも、正面からの拒絶を避け、前置きや遠回しな言い方を選ぶところに、相手を思いやる線引きの英語が表れています。
一方、シェルドンとエイミーの場面では、支える側と支えられる側の関係が逆転しています。VR越しの自然体験に満足しきれないシェルドンに、エイミーは口で反対するより、キャビンを借りるという代案を出すことで、現実的な方向へ関心を誘導しようとします。台本を読み返すときは、相手を止めたい場面で、正面から否定する言い方と、代案や前置きで遠回しに伝える言い方のどちらが選ばれているかに注目すると、関係の近さによって選ばれる表現の違いが見えてきます。
キャビンでの飲みゲームの場面では、ルールを説明する言い方も参考になります。ゲームの意味を勘違いしたシェルドンに、エイミーがその場で短く条件を言い直す場面があり、一度に説明を尽くすのではなく、相手の誤解に気づいた時点で言い直す方が伝わりやすいことが見えてきます。ゲームが進むにつれて、登場人物たちが意外な過去を次々に告白していく展開もあり、軽いお酒の場だからこそ出てくる率直な言い回しにも注目したいところです。自宅組とキャビン組という二つの舞台で、それぞれ違った形の気遣いが描かれているのが、このエピソードの面白さでもあります。
キャラクター別|英語の特徴
シェルドン|自然体験を理屈で正当化する英語
シェルドンはこの回、自宅でのVR体験と、実際のキャビンでの共同生活の両方で、こだわりの強さを見せます。「It’s nice to get back to nature.」とVR越しの森を素直に楽しんだかと思えば、実際にキャビンへ来てからは、雨でハイキングが中止になると「Now we have to stay safe and warm.」とあっさり状況を受け入れており、仮想の自然への没入ぶりと、現実の予定変更への意外な柔軟さが同居しているのがこの回のシェルドンです。飲みゲームの最中もルールを勘違いして何度も確認を求める場面があり、遊びの場でも理屈から入ろうとする普段どおりの姿が、この回でも形を変えて繰り返し顔をのぞかせます。
バーナデット|境界線を穏やかに示す英語
バーナデットはこの回、ラージの熱心すぎる世話に戸惑いながらも、正面から拒むのではなく、話題をそらす言い方を選びます。「It’s a sore spot, don’t bring it up.」という一言は、妊娠の瞬間に立ち会えなかったラージのことをからかわれたときの返しで、笑い話にされたくない一線を穏やかに示しています。ハワードが境界線をはっきり言葉にする場面とは対照的に、バーナデットは深追いを避ける形で距離を保とうとします。ラージに距離を置いてもらったあと、ハワードが心境を語りかける場面でも、バーナデットは「Yeah.」という短い相づちを繰り返すだけで、自分の気持ちを詳しく説明しようとしません。言葉少なに応じることで、複雑な感情をあえて細かく言語化しない話し方が、この回のバーナデットらしさとして表れています。
ラージ|支えたい気持ちが先走る英語
ラージはこの回、バーナデットの妊娠を誰よりも喜び、進んで力になろうとしますが、その熱心さがかえって夫婦の生活に踏み込みすぎてしまいます。授乳コンサルタントの候補を自分なりに調べて送りつけるなど、頼まれてもいない気配りを次々と行動に移すところに、ラージの善意の大きさがよく表れています。ハワードから境界線を切り出されると、「I overstepped my bounds.」と素直に非を認めており、悪気のなさと反省の早さの両方が、この回のラージらしさとして表れています。赤ちゃんの心音を聞くための機材を用意したのもラージで、自分が立ち会えるまで使うのを待ってほしいと二人に頼んでいたことが分かる場面もあり、頼まれてもいないことにまで手を伸ばしてしまう世話好きぶりが、この回を通してたびたび描かれます。
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