「take a stab at」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S03E04で学ぶ英会話

「take a stab at」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

正解に自信はないけれど、とりあえず「当ててみようかな」と思い切って口にしてみる——そんな場面が、日常にはよくありますよね。

今回の「take a stab at」は、まさにその「自信はないが試しにやってみる」気持ちを表す表現です。『ビッグバン★セオリー』シーズン3第4話の中盤、人の表情を読むのが大の苦手なシェルドンが、落ち込むラージの気持ちを推測しようとするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「take a stab at」の意味とニュアンス

take a stab at
意味:試しにやってみる、(自信はないが)当ててみる、一か八か挑戦する

stab はもともと「(刃物などで)鋭く突き刺すこと」を指す言葉です。狙いを定めきれないまま「えいっ」と一突きしてみる——その動作が比喩になり、「確信はないけれど思い切って試してみる」「当てずっぽうでやってみる」という意味へ広がりました。

ポイントは、成功を確信していないというニュアンスがこめられていることです。答えを推測するとき、不慣れな作業に挑むとき、初稿をとりあえず書いてみるときなど、「外すかもしれないけど、まずやってみる」という謙虚で軽やかな響きを持ちます。at のあとには挑戦する対象が続き、目的語が文脈から明らかなときは take a stab(at it)のように省略されることもあります。

【ここがポイント!】

  • 「take a stab at」の核は、暗闇に向かって「えいっ」と一突きするイメージ
  • 「外すかもしれないが試してみる」という、自信のなさを含んだ控えめな表現
  • 推測にも実作業の試みにも使える、守備範囲の広さが便利なところ

『ビッグバン★セオリー』S03E04のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

人の感情や表情を読み取るのが極端に苦手なシェルドンが、明らかに落ち込んでいるラージを前に、「当ててみよう」と推測を試みます。その的外れな二択と、当てたあとの妙な自己分析が、いかにもシェルドンらしい一場面です。

Sheldon: I’m no adept at reading facial cues, but I’m going to take a stab here, you’re either sad or nauseated.
(僕は表情を読むのは得意じゃないんだが、ひとつ当ててみよう。君は悲しいか、吐き気がするかのどちらかだね)

Raj: I’m sad.
(悲しいんだよ)

Sheldon: I was going to say sad. I don’t know why I hedged.
(僕も悲しいと言うつもりだった。なぜ言葉を濁したのか自分でも分からない)

The Big Bang Theory Season3 Episode4(The Pirate Solution)

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シーン解説と心理考察

自分の苦手分野をきちんと自覚したうえで「当ててみる」と切り出すところに、シェルドンというキャラクターの本質が表れていると言えます。take a stab は「確信はないが試してみる」表現なので、人の感情が読めない彼が使うのにこれ以上ないほどはまっています。「悲しいか吐き気か」という、共感とはほど遠い二択を真顔で並べるあたりに、論理一辺倒で感情の機微に疎い人物像がよく出ています。さらに、当てたあとで「なぜ言葉を濁したのか」と自己分析を始めてしまうズレ具合も見どころです。深刻に落ち込むラージと、それを観察対象のように扱うシェルドンの温度差が、このシーンの笑いを生み出しているのが興味深いところです。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

真っ暗な部屋でナイフを一突きする場面を思い浮かべてみてください。何も見えないまま「えいっ」と突き出す——当たるかどうかは分からないけれど、とにかく試してみる。この感覚がそのまま take a stab at の比喩になっています。

シェルドンが「表情」という読めない暗闇に向かって、「悲しいか吐き気か」と一突きする姿を重ねてみると、「当てずっぽうで挑む」ニュアンスが鮮明に残ります。狙いの見えない暗闇への一突き——その映像と一緒に覚えてしまえば、推測する場面でも、初めての作業に挑む場面でも、自然と口をついて出てくるはずです。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「take a stab at」

「自信はないけど試してみる」という控えめな響きが持ち味です。3つの場面で、その使いどころを掴んでみましょう。

I don’t know the exact answer, but I’ll take a stab at it.
(正確な答えは分からないけど、当ててみるよ)
クイズや質問に推測で答えるときの定番です。劇中のシェルドンと同じ「当ててみる」用法にあたります。

None of us are experts, but let’s take a stab at the design together.
(誰も専門家じゃないけど、みんなでデザインに挑戦してみよう)
不慣れな課題にチームで取り組むときの言い方です。「完璧じゃなくていいから、まずやってみよう」という前向きな響きになります。

A: Can anyone guess what this machine does?
B: I’ll take a stab — is it some kind of air purifier?
(A:この機械が何をするものか、誰か分かる?)
(B:当ててみるよ——空気清浄機の一種かな?)
正体の分からないものを推測する場面です。take a stab を単独で使い、そのあとに推測を続ける自然な形です。

あわせて覚えたい関連表現

give it a shot / give it a try
(試しにやってみる)
どちらも「挑戦してみる」という前向きな表現です。take a stab at が持つ「自信のなさ・当てずっぽう感」はやや薄く、より中立的に「やってみる」と言いたいときに向いています。

have a go at
(やってみる)
主にイギリス英語で使われる口語表現です。意味は take a stab at に近いですが、アメリカ寄りの take a stab at に対して、こちらはイギリス寄りという地域差があります。

take a guess
(推測する、当ててみる)
「推測すること」に特化した表現です。take a stab at が推測にも実作業の試みにも使えるのに対し、take a guess は当てる行為そのものを指す点が違います。

Note|「突き刺す」stab が「試み」になるまで ― a stab in the dark の発想

なぜ「突き刺す」という物騒な動詞が、「試しにやってみる」という穏やかな意味を持つようになったのでしょうか。その背景には、stab という言葉が描く動作のイメージがあります。

stab は中英語の時代から「鋭い物で突くこと」を表してきた言葉です。剣やナイフで一突きする動作には、「ねらいを定めて確実に仕留める」というより、「思い切って突き出してみる」という勢いの側面があります。とりわけ、相手や対象がはっきり見えない状況での一突きは、当たるかどうか分からない賭けのようなもの。この「狙いきれないまま思い切って試す」感覚が、「確信のない試み・当てずっぽうの挑戦」という比喩へと広がっていったとされています。それを最も端的に示すのが、a stab in the dark という関連表現です。直訳すれば「暗闇での一突き」、転じて「当て推量・あてずっぽう」を意味します。take a stab at の「自信のなさを含んだ試み」というニュアンスは、この「暗闇への一突き」の発想とぴたり重なります。

劇中でシェルドンが、読めない表情という「暗闇」に向かって推測を一突きするのも、まさにこの語源的なイメージそのものだと言えます。

言葉の成り立ちを知ると、何気ない一言の奥行きが見えてきます。

まとめ|シェルドンの推測から学ぶ「試してみる」の英語

take a stab at は、暗闇に向かって思い切って一突きする——その「当たるか分からないけど試してみる」感覚を一語に凝縮した表現です。推測するときにも、不慣れな作業に挑むときにも、「外すかもしれないが、まずやってみる」という控えめで前向きな気持ちを伝えられます。

この表現が使えると、自信のない場面でも肩の力を抜いて一歩を踏み出せます。「分からないけど当ててみる」「とりあえず挑戦してみる」——そんなときに、断定を避けつつ意欲を示せる便利な言い回しです。

正解に自信がないときの軽やかな一歩として、あなたの会話のレパートリーに加えてみてください。

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