「buy some time」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S02E16で学ぶ英会話

「buy some time」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

締め切りに追われているときや、危機的な状況に陥ったとき、根本的な解決には至らなくても、次の一手を考えるための猶予がほしいと感じる瞬間はありませんか。

そんなときにぴったりの「buy some time」を、『ホワイトカラー』シーズン2第16話の中盤、沈没した潜水艦の内部に閉じ込められたニールとピーターが、監視カメラの映像を遮断して一息つくシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「buy some time」の意味とニュアンス

buy some time
意味:時間を稼ぐ、猶予を作る

buy some time は「時間」を「買う」という比喩表現で、本来なら失われていくはずの時間を、何らかの行動によって余分に確保するというニュアンスを持ちます。緊迫した状況や交渉の場面で、根本的な解決には至らないまでも、次の一手を考えるための猶予を作り出す際によく使われる表現です。

締め切りに追われているときに何らかの理由をつけて猶予を得るときや、危機的な状況で次の対策を考えるための時間を確保するときなど、切迫した場面で顔を出す表現です。買う対象が「物」ではなく「時間」であるという発想の転換が、この表現のユニークさと言えます。何かを差し出して引き換えに時間を得る、という取引めいた響きも、この表現ならではの味わいです。

【ここがポイント!】

  • 「buy some time」の核は、失われていく時間を行動によって余分に確保するイメージ
  • 根本的な解決ではなく、次の一手を考えるための猶予に焦点がある表現
  • 緊迫した状況や交渉の場面で使われることが多いのが読み取りのコツ

『ホワイトカラー』S02E16のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

アドラーの手引きで沈没した潜水艦の内部にたどり着いたニールとピーターは、脱出の方法を探りながら、自分たちの様子がアドラー側の監視カメラで見られていることに気づきます。あえて相手に確認させたうえで、次の一手に出る瞬間に注目です。

Peter: How do we get out of here?
(ここからどうやって出る?)

Neal: Adler, you seeing this?
(アドラー、これが見えてるか?)

Adler: Yes.
(ああ。)

Neal: Not anymore. That bought us some time.
(もう見えないはずだ。これで時間を稼げた。)

Peter: You got an idea?
(何か考えはあるのか?)

White Collar Season2 Episode16 (Under the Radar)

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シーン解説と心理考察

「ここからどうやって出る?」という差し迫った問いかけから始まるこの場面では、脱出の糸口を探る2人の緊張感がにじみます。そこでニールが「アドラー、これが見えてるか?」とあえて監視カメラに呼びかけ、「ああ」という返答を引き出したうえで映像を遮断し、「もう見えないはずだ。これで時間を稼げた」と告げます。

監視されている状況を逆手に取り、あえて相手に確認させたうえで映像を断つという行動には、追い詰められた状況でも冷静に一手を打つ判断力が表れています。続けてピーターが「何か考えはあるのか?」と尋ねる流れからは、限られた時間の中で次の一手を模索しようとする2人の緊迫したやり取りが伝わってきます。派手な脱出劇というよりも、限られた選択肢の中で頭を働かせる知的な駆け引きとして描かれている点が印象的です。監視されていると分かった時点で慌てて隠れるのではなく、あえて一度姿を見せてから手を打つという発想の順序にも、この2人らしい機転が表れています。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

buy(買う)という単語から、本来なら過ぎ去っていくだけの「時間」を、まるで商品のようにお金で買い取るイメージを思い浮かべてみましょう。何かを差し出す代わりに、貴重な時間を手に入れるという発想です。

劇中でも、監視カメラの映像を断つという行動によって「時間という猶予を買い取った」状況が描かれていました。何かを犠牲にしてでも時間を手に入れるという行為とセットで覚えておくと、とっさの場面でも思い出しやすくなります。財布からお金を出すように、行動という代償を差し出して時間を引き出す、そんな取引のイメージを重ねておくと定着しやすくなります。

例文で覚える「buy some time」

仕事の締め切りから緊迫した状況まで、buy some time を、3つの例文で確認していきましょう。

We need to buy some time before the deadline. Can you stall them?
(締め切りまでの時間を稼ぐ必要がある。相手を引き延ばしてもらえる?)
締め切りに追われるプロジェクトの場面です。stall them(相手を引き延ばす)と組み合わせることで、具体的にどう時間を稼ぐのかが伝わります。

The doctor said the treatment wouldn’t cure it, but it could buy some time.
(医師は、その治療で完治はしないが時間は稼げるかもしれないと言った。)
治療方針について説明を受ける場面です。根本的な解決ではないことを示す but の前後の対比が、このフレーズの本質をよく表しています。

A: How did you manage to buy some time with the client?
B: I just told them we were still finalizing the details.
(A:どうやってクライアントとの時間を稼いだの?)
(B:まだ詳細を詰めている最中だと伝えただけだよ。)
仕事の交渉術を尋ねる往復会話です。How did you manage to 〜?という形は、うまく乗り切った工夫を尋ねるときに便利です。

あわせて覚えたい関連表現

stall for time
(時間稼ぎをする、引き延ばす)
buy some time が結果として時間を確保できたことに焦点を当てるのに対し、stall for time は「引き延ばす行為そのもの」に焦点があるニュアンスの表現です。

play for time
(時間稼ぎの駆け引きをする)
buy some time よりもやや駆け引き・戦略性のニュアンスが強く、交渉やゲームのような状況で使われることが多い表現です。

run out of time
(時間切れになる)
buy some time の正反対の状況を表す表現です。猶予がなくなってしまった状態を指すときに使われます。

Note|「時間を稼ぐ」を表す英語表現の違い

buy some time と似た意味を持つ表現に、stall for time や play for time があります。どれも「時間稼ぎ」というおおまかな意味では共通していますが、焦点の置き方が微妙に異なります。

buy some time は、行動の結果として「時間という猶予を手に入れた」ことに焦点があります。今回のシーンのように、映像を遮断するという具体的な行動の「成果」として時間が確保された、という結果重視の表現です。一方 stall for time は、はぐらかしたり引き延ばしたりする「行為そのもの」に焦点があり、結果が伴うかどうかよりも、その場をやり過ごそうとする振る舞いを指します。play for time はさらに駆け引きの色合いが強く、交渉やゲームのように相手の出方を見ながら時間を稼ぐ場面で好んで使われます。

劇中でニールが取った行動も、単に時間を引き延ばしただけでなく、監視映像を断つという具体的な一手によって「時間という結果」を手にした場面でした。だからこそ、はぐらかしを表す stall ではなく、成果を強調する buy が選ばれていると考えると納得がいきます。

同じ「時間稼ぎ」でも、行為に注目するか結果に注目するかで、選ぶべき動詞が変わってくるのが英語らしいところです。とっさに使い分けるのが難しければ、まずは結果重視の buy some time を軸にして、状況に応じて他の表現へ広げていくのが実用的です。

まとめ|次の一手のための猶予を作る一言

buy some time は、失われていく時間を行動によって余分に確保するというニュアンスを持つ表現です。「時間を買う」という発想の転換を押さえておけば、根本的な解決に至らなくても、次の一手を考えるための猶予を作り出す場面で自然に使いこなせます。

締め切りに追われているときも、交渉が難航しているときも、この一言があれば状況を的確に言い表せます。完全な解決ではなく、あくまで次の一手までの猶予であるという前提を共有できるのも、この表現ならではの便利さです。

劇中でニールが見せた、監視されている状況を逆手に取って次の一手を打つ冷静さには、限られた時間の中でも慌てず状況をコントロールしようとする観察眼が表れていました。追い詰められた場面でこそ生きる、落ち着いた判断力を感じさせる一幕です。

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