「Break legs, kid.」に見る、芝居の世界の言葉で演技の出来を語る言い方|『ホワイトカラー』S05E06で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「Break legs, kid.」に見る、芝居の世界の言葉で演技の出来を語る言い方|『ホワイトカラー』S05E06で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン5第6話から、芝居を打った会合の直後を中心に、芝居にまつわる英語が続けて出てくる場面を取り上げます。演じ終えた人が出来を尋ね、頼んだ側が褒めて送り出すやり取りと、これから役を演じる仲間に「やり過ぎるな」と釘を刺すやり取りです。

舞台の世界で使われる言葉が、日常の会話や仕事の場面にどう入り込んでいるかを、二つの場面から順に見ていきます。

目次

「How was that?」から「Break legs, kid.」まで、演技を褒めて送り出す

セルゲイとの会合に向かった先で、ニールに詰め寄る男が現れ、ピーターはその男を連れ出すようニールに指示します。ところが、ピーターのいない所での二人の会話から、この騒ぎが芝居だったことが分かります。

Dimitri: How was that?
(どうだった?)
Neal: It was perfect. It could not have gone better.
(完璧だったよ。これ以上ない出来だった。)
Dimitri: Was the accent too thick?
(なまりが強すぎなかった?)
Neal: No, it wasn’t. It was great. You’re gonna nail that Fiddler On The Roof audition.
(いや、全然。すごく良かった。『屋根の上のバイオリン弾き』のオーディションも、きっとうまくいく。)
Dimitri: Thanks.
(ありがとう。)
Neal: Break legs, kid.
(がんばれよ。)

White Collar Season5 Episode6 (Ice Breaker)

How was that? は、終えたばかりのことの出来を尋ねる短い問いです。It could not have gone better. は「これ以上うまくいきようがなかった」という否定と比較級の組み合わせで、最上級の褒め言葉として働きます。thick は accent と組むと「なまりが強い」の意味になります。

nail は「くぎを打つ」から転じて「見事にやってのける」を表す口語で、nail an audition なら「オーディションで決める」です。最後の Break legs は、舞台に立つ人に幸運を祈る定番の Break a leg. をもとにした形で、台本では legs と複数形になっています。後ろの kid は親しみを込めた気安い呼びかけで、送り出しの一言を軽くしています。由来には諸説ありますが、舞台の世界で「がんばって」の意味でよく使われます。

「don’t overplay this」と、役をそれらしく見せる言葉

レベッカとの面会では、モジーが美術犯罪課の捜査官を名乗る役を引き受けます。扮装の出来を尋ねたモジーにニールが「FBIの会計係みたいだ」と答えると、モジーは役の人物像を語り始めます。そこでニールが釘を刺します。

Neal: Ah, don’t overplay this, Moz. It is not dinner theatre. You just need to answer a few simple questions.
(やり過ぎないでくれよ、モジー。ディナーショーの芝居じゃないんだ。簡単な質問にいくつか答えるだけでいい。)
Mozzie: I’m a master improviser. I will be the perfect exigent supervisor.
(私は即興の達人なのだ。完璧な、手厳しい上司になってみせる。)

White Collar Season5 Episode6 (Ice Breaker)

overplay は「大げさに演じる、誇張する」という動詞で、over が付いて「やり過ぎ」の意味が加わります。続く You just need to ~ は「〜するだけでいい」と、求める役割を最小限に絞る言い方です。dinner theatre は食事をしながら観る大衆向けの芝居のことで、ここでは「客を楽しませる舞台ではない」と、凝りすぎた役作りをたしなめる比喩になっています。台本の綴りは英国式の theatre ですが、米国では theater と綴るのが一般的です。

モジーの improviser は「即興でこなす人」を表す名詞です。さらに面会用の事務所を手配する場面では、ポスターや小物をそろえれば it’ll look the part とモジーが請け合います。look the part は「その役らしく見える」という意味で、人だけでなく場所にも使えるのが分かります。

まとめ|舞台の言葉で語る演技の出来

How was that? で出来を尋ね、nail で成功を予言し、Break a leg をもとにした一言で送り出す。overplay や dinner theatre で演技過剰を戒め、look the part で見え方を整える。舞台の語彙が会話に溶け込んでいることが読み取れます。

次回も『ホワイトカラー』とともに、場面の英語を見ていきましょう。

この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、別の場面の英語を扱っています。

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