海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
上司や同僚から何かを頼まれた瞬間、実はすでに動き出していたことをさらりと伝えられたら格好いい、と感じたことはありませんか。指示を待たずに先回りして動く姿勢は、どんな職場でも信頼につながるものです。
そんな場面にぴったりの「already on it」を、『ホワイトカラー』シーズン5第6話の前半、イワンの駐車違反の分析をピーターが指示した直後、ジョーンズが即答するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「already on it」の意味とニュアンス
already on it
意味:すでに取りかかっている
be on it は「それに取りかかっている」という意味の口語表現で、already(すでに)が加わることで、指示や依頼を受けた時点で対応がすでに始まっていることを簡潔に伝えます。主語のI’mやWe’reが省略されることが多く、テンポの良い返答として使われる表現です。文の長さを削ぎ落として最短で返す形になっているため、忙しい職場のやり取りにも自然になじみます。
依頼や指示への返事としてだけでなく、相手が心配して声をかけてきた際に「もう対応済みだから安心して」と伝える場面でも使われます。短い一言で、対応の速さと安心感の両方を伝えられるのが特徴です。長々と経過を説明する代わりに、この一言だけで十分に意図が伝わる点も、口語表現としての使い勝手のよさにつながっています。
【ここがポイント!】
- 「already on it」の核は、指示が終わるかどうかのタイミングで返す対応の早さ
- 主語を省いた短い形で使われることが多い、テンポの良い口語表現
- 依頼への返事だけでなく、相手を安心させる一言としても機能する
『ホワイトカラー』S05E06のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
イワンという人物の駐車違反切符が不自然に集中していることに気づいたピーターが、半年分の交通監視映像の入手をジョーンズに指示する場面です。指示が終わるか終わらないかのタイミングで返ってくる返事に注目です。
Peter: I don’t believe in coincidences. Ivan’s parking tickets. Ten so far this year, and they’re all in the exact same spot. I want traffic surveillance video for the past six months on that address.
(偶然とは思えない。イワンの駐車違反切符だ。今年だけですでに10件、しかもすべて同じ場所にある。過去半年分、あの住所の交通監視映像が欲しい。)Jones: Already on it.
(もうやっています。)Peter: Really?
(本当か?)Jones: Really.
(本当です。)White Collar Season5 Episode6 (Ice Breaker)
シーン解説と心理考察
イワンの駐車違反切符が今年だけで10件、しかもすべて同じ場所に集中している事実に、ピーターは偶然ではあり得ないと断言します。半年分の交通監視映像を求める指示を出したその直後、ジョーンズから返ってきたのは「もうやっています」という即答でした。
指示の言葉が終わるかどうかのタイミングで返ってくる返事の速さに、ジョーンズの仕事ぶりの手際のよさが表れています。「本当か?」と少し驚いたように問い返すピーターに対し、ジョーンズは「本当です」と淡々と返すだけで、それ以上の説明を加えません。この短いやり取りには、指示を先読みして動くだけの信頼関係と、無駄のないチームワークが会話の温度を変えています。
余計な言葉を足さずに「本当です」の一言で押し切るジョーンズの態度からは、自分の仕事に対する確かな自信もうかがえます。指示された内容をすでに片づけているという事実だけで会話が完結しており、細かい経過報告を挟まないやり取りそのものが、二人のあいだに築かれてきた実務的な信頼関係を映し出しています。
『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ
already on it を覚えるコツは、指示が飛んでくる前から、すでにその対象の上に乗って作業を始めている自分をイメージすることです。on it(その上に)にalready(すでに)が加わることで、「もう乗っかって動いている」という先回りの感覚が浮かび上がります。
劇中でも、ピーターの指示が終わるかどうかのタイミングで即座に返ってくる短い返事として使われていました。間髪入れない速さと、すでに動いている状態をセットでイメージしておくと、依頼を受けた瞬間にとっさに口から出てくる表現になります。長い説明を挟まず、動作のイメージだけで覚えておくのが、この表現をとっさに使いこなすための近道です。
例文で覚える「already on it」
上司からの指示への即答から、同僚の仕事ぶりを評価する場面まで、already on it を、3つの例文で確認していきましょう。
Don’t worry, I’m already on it.
(心配しないで、もう取りかかっているから。)
上司からの指示に即答するビジネスの場面です。Don’t worryを添えることで、相手の不安を先に取り除くニュアンスが加わります。
She noticed the problem before I even mentioned it — she was already on it.
(私が言い出す前に、彼女は問題に気づいて、もう対応していた。)
同僚の仕事の早さを評価する日常会話の場面です。beforeで時間関係を明確にすることで、先回りの早さが伝わります。
A: Can you check the server logs?
B: Already on it.
(A:サーバーのログを確認してもらえる?)
(B:もうやっています。)
依頼への即答場面のカジュアルなやり取りです。Already on it. だけを単独で使うと、テンポの良い返事になります。
あわせて覚えたい関連表現
I’m on it
(今、取りかかっています)
already on it が指示を受ける前後にはすでに始めていたという先行のニュアンスを持つのに対し、I’m on it は今まさに取りかかるという現在の宣言に重点があります。
I’ve got it covered
(それは私が対応済みだ、任せて)
already on it が着手済みの状態を伝えるのに対し、I’ve got it covered は対応を保証し安心させる働きに重点があります。
consider it done
(もうやったも同然だと思ってくれ)
already on it が進行中であるのに対し、consider it done は完了を確約するという、より踏み込んだ自信の表現です。
Note|I’m on it / I’ve got it covered / Already on it の使い分け
「対応します」を伝える英語表現には、実はタイミングと自信の度合いによっていくつかの選択肢があります。
I’m on it は、依頼を受けた瞬間に「今からやります」と宣言する表現で、対応の開始そのものを伝えます。一方already on it は、依頼される前、あるいは依頼された瞬間にはすでに動き出していたという先行のニュアンスを持ち、対応の速さそのものが評価される場面で選ばれます。さらにI’ve got it covered は、対応の進み具合よりも「心配しなくていい」という安心感の提供に重点を置いた表現で、相手の不安を鎮める目的で使われることが多い言い回しです。ビジネスの現場では、この3つを状況に応じて使い分けることで、報告の速さ・確実さ・安心感のどれを伝えたいのかを相手に的確に届けることができます。
劇中でジョーンズが選んだのがalready on it だったのは、ピーターの指示を先読みしてすでに動いていたことを強調したかったからだと読み取れます。もしI’m on it だけを返していたら、指示を受けてからようやく動き始めたという印象になり、先読みの速さまでは伝わりにくくなります。
対応の速さを一言で伝える表現として、状況に合わせて覚えておきたい一言です。
まとめ|指示より先に動く、という信頼のかたち
already on it は、指示や依頼を受けた時点で、すでに対応を始めていることを簡潔に伝える表現です。主語を省いた短い形で使われることが多く、テンポの良い返答として機能します。
依頼された仕事に即答するときも、心配してくれた相手を安心させたいときも、この一言があれば対応の速さと安心感を同時に伝えられます。
指示が終わるかどうかのタイミングで即答したジョーンズの様子には、上司の意図を先読みして動く手際のよさが表れています。短いやり取りの中に、積み重ねられた信頼関係が見て取れる場面です。
言葉を尽くして状況を説明するよりも、短い一言で対応の速さを示すやり取りが、実務の現場での信頼をより強く印象づけていると言えます。


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