「shore up」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S02E01で学ぶ英会話

「shore up」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

手薄になっている備えに気づいて、崩れる前になんとか補強しておかなければと動き出す、そんな場面が仕事にも日常にもあります。

そんな場面にぴったりの「shore up」を、『ホワイトカラー』シーズン2第1話の中盤、複数の銀行を狙う謎の窃盗犯への対策会議を終えたピーターが、セキュリティ強化の方針を語る場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「shore up」の意味とニュアンス

shore up
意味:(弱っているものを)強化する、補強する、下支えする

shoreはもともと建築用語で、崩れそうな壁や構造物に斜めに当てる支柱・つっかい棒を指します。そこから、経済、組織、防御体制など、弱っている何かに追加の支えを入れて持ちこたえさせるという比喩的な意味で使われるようになりました。

shore up one’s finances(財政基盤を強化する)、shore up defenses(防御を固める)のように、既にある程度形はあるものの、崩れかけている・手薄になっているものを補強するという文脈で使われるのが特徴です。単に「強くする」というより、「これ以上崩れないよう支える」という緊急性を帯びたニュアンスが含まれます。

ゼロから何かを築き上げる場面ではなく、既存の仕組みや土台に手を加えて弱点を埋める場面で使われる点も見逃せません。危機が表面化してから慌てて対応する、そのタイミングの切迫感まで一語に込められています。

似たような「強化する」を表す表現の中でも、この緊急性の違いが使い分けの目安になります。次の【ここがポイント!】で要点を整理していきます。

【ここがポイント!】

  • 「shore up」の核は、崩れそうなものに支柱を当てて持ちこたえさせるというイメージ
  • 財政・防御・組織など、既にあるものの弱った部分を補強する場面で使われる
  • 「これ以上崩れさせない」という緊急性を帯びたニュアンスが持ち味

『ホワイトカラー』S02E01のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

複数の銀行支店を狙う「アーキテクト」なる人物への対策として、ピーターとニールは各支店のセキュリティ診断を行い、その結果を保安責任者のレネ・シモンズらに報告したばかりです。会議直後、不安を隠せないレネとピーターのやり取りに注目です。

Renee: So, what do I tell them when they start to panic?
(それで、彼らがパニックになったら何て言えばいいんだ?)

Peter: Tell them that we’re shoring up their security and that the bureau is on it.
(われわれが警備を強化している、FBIが対応中だと伝えてくれ。)

Renee: Did that help in Dallas, Chicago, and Boston?
(それでダラス、シカゴ、ボストンはうまくいったのか?)

Peter: This is New York. We’ll catch him.
(ここはニューヨークだ。必ず捕まえる。)

Renee: I hope so.
(そう願うよ。)

White Collar Season2 Episode1 (Withdrawal)

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シーン解説と心理考察

複数の銀行支店を狙う「アーキテクト」の脅威を前に、ピーターとニールは早朝から各支店のセキュリティ診断に追われ、ようやく保安責任者のレネ・シモンズらへの報告を終えたところです。会議の緊張が解けた直後、レネが「パニックになった行員たちに何と説明すればいいのか」と尋ねます。

ピーターは「警備を強化している、FBIが対応中だ」という定型の安心材料を差し出しますが、レネは「それでダラス、シカゴ、ボストンでは実際に犯人を防げたのか」と厳しく切り返します。ピーターの「ここはニューヨークだ、必ず捕まえる」という強気の一言は、直後にニールから「それがハーフタイムの激励スピーチか」とからかわれるほど、根拠に乏しい精神論めいた響きを持っています。自信満々に振る舞いながらも、実際には犯人の手口を読み切れていない捜査チームの焦りが、この短いやり取りに滲み出ています。強気な言葉で場を収めようとする姿と、それを見透かすようなレネの追及との温度差が、この会話をより緊迫したものにしています。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

今にも崩れそうな壁に、斜めの支柱を当てて崩壊を防いでいる様子を思い浮かべてみましょう。壁そのものを新しく作り直すのではなく、既にあるものが倒れないよう外から支える、そのイメージがshore upの核心です。

劇中で語られる「警備をshore upする」という状況も、手薄になっているセキュリティに追加の支えを入れて、何とか持ちこたえさせようとしているイメージとぴったり重なります。支柱は完璧な解決策ではなく、あくまで応急的な補強であるという含みまで一緒に覚えておくと、フレーズの持つ切迫感がより実感できます。崩れかけているものを丸ごと作り直すのではなく、支柱を当てるように補強する、その動作ごと覚えておくと自然に使えるようになります。

例文で覚える「shore up」

ビジネスから日常の場面まで、shore upを3つの例文で確認していきましょう。

The company is trying to shore up its finances after a rough quarter.
(厳しい四半期のあと、その会社は財務基盤の強化を図っている。)
経営立て直しを語るビジネスシーンでの典型的な使い方です。financesという抽象的な対象と組み合わせやすいのが特徴です。

The government stepped in to shore up the failing bank.
(政府は経営難の銀行を支えるために介入した。)
経済ニュースを解説するようなフォーマルな場面で使われます。step inと組み合わせることで、外部からの介入というニュアンスが加わります。

A: The old bridge looks pretty shaky these days.
B: Yeah, they’re planning to shore it up before winter.
(A:あの古い橋、最近かなりぐらついて見えるね。)
(B:うん、冬が来る前に補強する予定らしいよ。)
インフラの補修工事について話す日常会話の場面です。it upのように代名詞を挟む形も自然に使われます。

あわせて覚えたい関連表現

beef up
(人員・警備・内容などを強化する、拡充する)
より口語的でカジュアルな響きを持ち、量や規模を増やして強化するイメージが強い表現です。shore upが崩れそうなものを支えるニュアンスなのに対し、beef upは元々あるものをさらに厚くするニュアンスがあり、人員配置の話にもよく合います。

reinforce
(補強する、強化する)
より一般的でフォーマルな語彙です。建物、組織、議論など幅広い対象に使え、shore upより硬い文脈でも使いやすい表現で、報告書やニュース記事にも自然になじみます。

prop up
(支える、下支えする)
一時しのぎ・応急処置的なニュアンスが強く、根本的な解決ではなく「とりあえず持たせる」場面で使われることが多い表現です。shore upが多少の恒久性を含意するのに対し、prop upはより暫定的な支えを指し、批判的なニュアンスを帯びることもあります。

Note|建築用語shoreが比喩表現へ広がった道のり

shoreという単語は、もともと崩れかけた建物や壁に斜めに当てる支柱・つっかい棒そのものを指す建築用語です。工事現場で古い建物を解体する前や、地盤が緩んだ壁を一時的に支える際に、実際にこの「斜めの木材」が使われてきました。

この物理的な支柱のイメージが、時代とともに経済や組織といった抽象的な対象にも転用されるようになりました。財政難に陥った企業や国が緊急の資金援助で持ちこたえる様子は、まさに崩れかけた壁に支柱を当てる作業と重なります。shore up the economy(経済を下支えする)、shore up one’s position(自分の立場を強化する)のように、具体的な建築行為から抽象的な状況判断まで幅広く使われるようになったのは、この視覚的なイメージの分かりやすさによるところが大きいと考えられます。

劇中で描かれる銀行の警備強化も、まさに「既にある程度の形は保っているが、弱っている部分に追加の支えを入れる」という、この単語が本来持つニュアンスそのものです。何もないところから新しい防御を築くのではなく、既存の仕組みの弱点を補う、その姿勢がshore upという一語に凝縮されています。

建築現場の一本の支柱から、経済や組織を語る比喩表現へ。具体的な作業のイメージを保ったまま、対象を広げてきたのがこの表現の面白さです。

まとめ|崩れかけたものを支え直す、その姿勢

shore upは、既にある程度の形を保ちながらも弱っている部分に、追加の支えを入れて持ちこたえさせる表現です。財政、防御、組織、論拠など、崩れかけたものを補強する場面で幅広く使われます。

何もかもを新しく作り直すのではなく、弱点を見極めて的確に支える、そんな実務的な姿勢を一言で伝えられる表現でもあります。仕事で手薄な部分に気づいたときは、この一言を思い浮かべてみると状況を的確に伝えられます。

自信ありげな言葉の裏で、まだ犯人の手口を読み切れていない捜査チームの焦りが滲んだこの場面は、崩れかけたものを言葉と行動の両方で支え直そうとする姿勢を映し出していると言えます。

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