「strike a deal」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S03E12で学ぶ英会話

「strike a deal」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

追い詰められた相手に、協力すれば悪いようにはしないと持ちかけたものの、あっさり断られてしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。断られても、その場の空気を保ったまま次の一手を考える冷静さが求められる瞬間です。持ちかける側にも断る側にも、それぞれの計算が働いているものです。

そんな駆け引きにぴったりの「strike a deal」を、『ホワイトカラー』シーズン3第12話の終盤、校長のスレイターに協力を持ちかけるピーターの場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「strike a deal」の意味とニュアンス

strike a deal
意味:取引をまとめる、話をつける

strike にはハンマーなどで何かを打ち付けて成立させるという意味があり、契約や合意を交わす際の握手や取り決めの瞬間を思わせる語感を持ちます。deal(取引)と組み合わさることで、「交渉の末に合意に至る、取引をまとめ上げる」という一連の行為を一語で表す表現になります。それまで宙に浮いていた条件が、この一語を境にはっきりと固まる感覚がこの表現の芯にあり、交渉の終わりを告げる響きも同時に持ち合わせています。

ビジネスの商談がまとまったときや、何らかの条件を提示して相手と合意を取り付けようとするときに使われる表現です。合意に至る過程そのものよりも、話がまとまった瞬間の確定感に焦点が当たる言い回しでもあります。

【ここがポイント!】

  • 「strike a deal」の核は、握手を交わす瞬間に槌を打ち下ろすような確定感
  • 商談の成立から司法上の駆け引きまで、幅広い交渉の場面で使える表現
  • 提示する側・断る側どちらの立場からも使える汎用性の高さがコツ

『ホワイトカラー』S03E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

物語の終盤、ピーターは校長のスレイターに対して協力を持ちかけます。横領事件の全容解明に向けて、スレイターを共犯者から情報提供者へと引き込もうとする、捜査官としての駆け引きに注目です。

Peter: Slater, if you work with me, I might be able to strike you some kind of deal.
(スレイター、俺に協力すれば、何らかの取引をまとめられるかもしれないぞ。)

Slater: It’s too late for that.
(もう手遅れだ。)

Peter: Well, that’s a shame.
(そうか、それは残念だな。)

White Collar Season3 Episode12 (Upper West Side Story)

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シーン解説と心理考察

ピーターが校長のスレイターに「協力すればstrike you some kind of deal(何らかの取引をまとめられる)」と持ちかける場面です。横領事件の全容解明に向けて、共犯者から情報提供者へと引き込もうとする捜査官としての駆け引きが表れています。

しかしスレイターは「もう手遅れだ」と取引を拒み、事態がすでに引き返せない局面に入っていることを示唆します。ピーターの「それは残念だな」という淡々とした返しには、交渉が決裂しても動じない捜査官としての冷静さがうかがえます。

取引を持ちかけてもあっさり突っぱねられるという展開そのものが、スレイターの覚悟がこの時点ですでに固まっていることを静かに物語っています。相手を情報提供者へと引き込もうとする一手が不発に終わっても取り乱さないピーターの態度からは、交渉が思いどおりに運ばなくても次の一手を探る捜査官としての粘り強さが見て取れます。短いやり取りの中に、持ちかける側と拒む側それぞれの立場の固さが凝縮された場面です。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

握手を交わす瞬間に、まるで木槌をコンと打ち下ろすようなイメージを思い浮かべてみましょう。strike の「打つ、打ち付ける」という動作のイメージが、合意成立の瞬間の確定的な響きと重なり、これで話は決まったという区切りの感覚を伝えます。

このシーンでは駆け引きの真っ最中に使われていました。「まだ交渉の途中だが、ここで合意できれば決着がつく」という緊張感とセットで覚えておくと、交渉が成立する場面でも決裂する場面でも自然に思い出せます。合意に至るかどうかの分かれ目に立つ緊迫感まで、この一語のイメージに乗せて覚えておくのがコツです。

例文で覚える「strike a deal」

strike a deal は、ビジネスの商談から個人間のちょっとした条件交渉まで幅広く使えます。合意に至った瞬間を簡潔に言い表せる便利さも、この表現の魅力の一つです。日常・ビジネス・感情それぞれの例文を見ていきましょう。

The two companies finally struck a deal after months of negotiation.
(2社は数ヶ月の交渉の末、ついに取引をまとめた。)
長期にわたる商談の成立を報告する、ビジネスの場面です。

We struck a deal on the price, and I drove the car home that same day.
(値段について話をつけて、その日のうちに車を家まで運転して帰った。)
中古車などの個人間取引を語る、日常会話の場面です。

A: I’ll help you move if you cover the pizza.
B: Deal. Looks like we just struck a deal.
(A:ピザをおごってくれるなら、引っ越しを手伝うよ。)
(B:決まりだ。取引成立だね。)
友人同士でちょっとした条件を持ちかける、往復会話形式の例文です。

あわせて覚えたい関連表現

cut a deal
(取引をする、司法取引をする)
strike a deal とほぼ同義で言い換え可能ですが、cut a deal は司法取引(plea deal)の文脈でも頻繁に使われます。strike a deal はビジネスの商談全般でより中立的に使われる表現です。

seal the deal
(取引を確定させる、決定打を打つ)
strike a deal が合意そのものに至ることを指すのに対し、seal the deal は既にほぼ決まっている取引の最後の一押しで完全に確定させる段階を指すことが多い表現です。

come to terms
(合意に達する、折り合いをつける)
strike a deal よりもフォーマルで、双方が条件面で歩み寄って合意に至るプロセスに焦点がある表現です。

Note|strike の「打つ」から「合意する」へ ― 握手や槌打ちに由来する成り立ち

strike a deal という表現の面白さは、strike という動詞が本来持つ「打つ、打ち付ける」という動作のイメージにあります。

strike は match(マッチ)を strike すれば火花が散り、鐘を strike すれば音が鳴るというように、何かを打ち付けて瞬間的な結果を生み出す動作を表す語です。取引や合意の場面でこの語が使われるようになったのは、握手を交わす瞬間や、契約の成立を槌の一打で示す慣習的なイメージと結びついているためだと考えられています。一瞬の動作で、それまで宙に浮いていた話がぱたりと確定する、その区切りの感覚が strike という一語に凝縮されています。

同じ strike を使った表現は他にも数多くあります。strike a match(マッチを擦る)、strike a pose(ポーズを取る)なども、いずれも一瞬の動作で何かがはっきりと定まる場面で使われており、strike a deal もこの仲間の一つだと捉えると理解しやすくなります。

今回のシーンでピーターが持ちかけた strike you some kind of deal も、交渉がまだ何も決まっていない段階から、一気に合意へと持ち込もうとする一言でした。結局は不発に終わりましたが、strike という語が本来持つ「一打で決める」という響きが、この駆け引きの緊張感をより際立たせていたと言えます。

言葉の中に、決着の瞬間そのものが刻まれている。それが strike a deal という表現の奥行きです。何気なく使う一言の奥に、こうした動作のイメージが横たわっていると知ると、フレーズの手触りが一段と豊かに感じられます。

まとめ|一打で決着をつける、駆け引きの一言

strike a deal は、交渉の末に合意に至る、取引をまとめ上げるという一連の行為を一語で表す表現です。

ビジネスの商談でも個人間のちょっとした条件交渉でも、合意を持ちかけたり成立させたりする場面は日常のあちこちに訪れます。そんなときにこの一言があれば、駆け引きの結末を簡潔に言い表すことができます。

横領事件の解明に向けてスレイターに協力を持ちかけたピーターの一言は手遅れだと拒まれましたが、動じずに切り返す捜査官らしい冷静さが、その短いやり取りの中に表れていたと言えます。

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