海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
約束をすっぽかしたり、相手に迷惑をかけたりしたあと、「この埋め合わせは必ずするから」と歩み寄ろうとしたこと、ありませんか。
そんなときに使う「make it up to someone」、つまり人に埋め合わせをする・償うという意味の表現を、『CHUCK/チャック』シーズン3第7話の後半、任務でハンナを置き去りにしてしまったチャックが、関係修復を試みるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「make it up to someone」の意味とニュアンス
make it up to someone
意味:(迷惑や失礼をかけた相手に)埋め合わせをする、償う
make it up to someone は、相手に不便や迷惑をかけたあと、お詫びとして何か良いことをして「帳尻を合わせる」ことを表します。直訳すると「それをあなたに向けて埋め合わせる」となり、損なってしまった関係を埋めて元に戻すイメージです。
ただ「ごめん」と謝るだけでなく、「この埋め合わせはするから」と今後の行動をセットにした、関係修復の定番フレーズです。約束を破ったあとのフォロー、迷惑をかけた相手へのお詫び、恋人や家族への埋め合わせなど、幅広い場面で使われます。
I’ll make it up to you(埋め合わせするよ)、How can I make it up to you?(どう償えばいい?)のような形が典型です。誠意を示す、やわらかく前向きな響きを持つ表現です。
【ここがポイント!】
- 核は「損なった関係を埋めて元に戻す」帳尻合わせのイメージ
- 謝罪に「今後の行動」を添えた、関係修復の定番表現
- to someone で「誰に」埋め合わせるかを示すのがポイントの一言
『CHUCK/チャック』S03E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
任務を優先してハンナを現場に残してしまったチャックは、彼女の信頼を損ねてしまいます。気まずさの中、チャックは歩み寄ろうとしますが、ハンナはこれ以上踏み込ませまいと一線を引きます。二人の温度差が切なく描かれる場面です。
Hannah: I think we should just keep things professional between us from now on.
(これからは、私たち仕事だけの関係でいましょう。)Chuck: No, Hannah, let… let me make it up to you.
(そんな、ハンナ、待って…埋め合わせをさせてよ。)Hannah: Forget it. Chuck, don’t bother. I’ll see you at work.
(いいの。チャック、気にしないで。じゃあ仕事でね。)Chuck Season3 Episode7(Chuck Versus the Mask)
シーン解説と心理考察
チャックの make it up to you には、罪悪感と、関係をつなぎとめたい気持ちがにじんでいます。任務の事情を打ち明けられない彼が、せめて埋め合わせで誠意を示そうとする苦しさが伝わってきます。
一方のハンナは、傷つきながらも冷静に距離を取り、これ以上は踏み込ませないと線を引きます。チャックが差し出した埋め合わせの申し出が受け取られないまま終わるところに、このシーンの切なさがあると言えます。償いたい側と、もう受け取らない側のすれ違いが、短いやり取りに凝縮されているのが見どころです。
『CHUCK/チャック』流・覚え方のコツ
天秤の片方が「迷惑・失礼」で重く沈んでいる状態を思い浮かべてみてください。そこへ反対側に「お詫びの行動」をのせて、傾いた天秤を水平(up)に戻していく——これが make it up のイメージです。下がってしまった関係を埋めて、元の高さに戻す動きと、to you(あなたに向けて)をセットにすると、「相手への埋め合わせ」がすっと頭に入ります。
劇中では、チャックが埋め合わせを申し出ても、ハンナがそれを受け取りませんでした。天秤が水平に戻らないまま終わる——その後味とセットで覚えておくと、「申し出ても拒まれることもある」という、この表現の生々しい使われ方まで記憶に残ります。
例文で覚える「make it up to someone」
謝罪と歩み寄りの表現です。カジュアルからフォーマルまで、3つの場面で見てみましょう。
I’m sorry I missed your birthday—I’ll make it up to you, I promise.
(誕生日に行けなくてごめん。必ず埋め合わせするから、約束する。)
約束を破ったあとのフォローです。謝罪に「埋め合わせ」を添える、最も典型的な使い方です。
We know the delay caused problems, and we’d like to make it up to you with a discount.
(遅延でご迷惑をおかけしました。割引にて埋め合わせをさせていただければと存じます。)
ビジネスでのお詫びの定型です。with ~ で埋め合わせの中身を具体的に示しています。
A: You bailed on our plans twice this month.
B: I know, I’m really sorry. Let me make it up to you this weekend.
(A:今月、2回も予定をすっぽかしたよね。)
(B:分かってる、本当にごめん。今週末、埋め合わせさせてよ。)
気まずくなった相手との会話です。劇中のチャックのように、歩み寄りの一歩として差し出す使い方が出ています。
あわせて覚えたい関連表現
make amends
(償う、埋め合わせをする)
make it up to が日常的で口語的なのに対し、make amends はやや硬く、過ちや罪に対する正式な償いを表します。フォーマルな謝罪の場面に向きます。
make up for something
(不足・損失を埋め合わせる、補う)
こちらは「人」ではなく「物事・損失」を補う表現です。make up for lost time(失った時間を取り戻す)のように使い、make it up to someone とは対象が異なります。
pay someone back
(恩や仕打ちを返す、お返しする)
良い意味(恩返し)にも悪い意味(仕返し)にも使えるのが特徴です。make it up to が基本的にお詫び・好意に限られるのとは、その点で異なります。
Note|make it up to someone と make up for something、埋め合わせ2表現の違い
埋め合わせを表す英語には、よく似た make it up to someone と make up for something があります。形が近いだけに、どちらを使うか迷いやすいペアです。
この二つを分ける鍵は、前置詞と、その後ろに来る目的語です。make it up to someone は、to のあとに「人」が来ます。「あなたに」「彼女に」といった、迷惑をかけた相手に向けて埋め合わせをする、という意味です。一方 make up for something は、for のあとに「物事・損失」が来ます。make up for lost time(失った時間を取り戻す)、make up for the mistake(失敗を埋め合わせる)のように、足りないものや損なわれたものを補う、という意味になります。つまり、埋め合わせる対象が「人」なら to someone、「物事」なら for something、と整理できます。さらに make it up to someone for something の形にすれば、「ある件について、その人に埋め合わせをする」と両方をまとめて言うこともできます。劇中のチャックの I’ll make it up to you は、迷惑をかけた相手であるハンナ本人に向けた埋め合わせなので、to you の形が使われているわけです。
この使い分けを押さえておくと、似た二つの表現を迷わず選べるようになります。前置詞の違いが意味の違いに直結する、英語らしい一例です。
前置詞ひとつに注目するだけで、表現の輪郭がくっきり見えてきます。
まとめ|チャックの歩み寄りから学ぶ「埋め合わせ」の一言
make it up to someone は、迷惑や失礼をかけた相手に、お詫びとして埋め合わせをし、損なった関係を元に戻すことを表す表現です。謝罪に「今後の行動」を添えた、前向きな関係修復の一言です。
この一言を知っておくと、「ごめん」のあとに「埋め合わせするから」と続けて、誠意を具体的に示せるようになります。仕事のお詫びから家族や友人との歩み寄りまで、幅広く役立ちます。
埋め合わせを差し出すチャックの切ない歩み寄りとセットで、この表現を、あなたの英語の引き出しに加えてみてください。
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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


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