海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第8話は、父ジョージがシェルドンと兄ジョージーを連れて、スペースシャトルの打ち上げを見に行く小旅行の回です。旅の途中では、科学に詳しいシェルドンが家族に説明する場面が二度出てきます。
分からないことを素直に打ち明けて尋ねる側と、それをかみくだいて答える側。会話を前に進める質問の形と、説明を組み立てる形の両方を、場面ごとにたどっていきます。
「Can I tell you a secret?」で分からないことを打ち明ける
雨がやまない旅先で、ジョージはシェルドンに、ひとつ打ち明け話を切り出します。
George Sr.: Can I tell you a secret? I never understood how lightning works.
(ひとつ打ち明けてもいいか? 俺は稲妻がどういう仕組みなのか、ずっと分からなかったんだ。)Sheldon: Didn’t they teach you that in high school?
(高校で習わなかったの?)George Sr.: They probably did, but I got hit in the head a lot playing football. Would you explain it to me?
(たぶん習ったんだろうが、フットボールで頭をしょっちゅうぶつけてたからな。説明してくれるか?)Young Sheldon Season1 Episode8(Cape Canaveral, Schrodinger’s Cat, and Cyndi Lauper’s Hair)
Can I tell you a secret? は「秘密を言ってもいい?」という前置きで、言いにくいことを打ち明ける前に相手の許可を取る形です。ジョージが打ち明けたのは、I never understood how ~ works. という、仕組みが分からないという告白でした。never と過去形の組み合わせで、「これまで一度も分からなかった」という意味になります。
シェルドンの Didn’t they teach you that in ~? は否定疑問文で、「〜で習わなかったの?」という驚きのこもった問い返しです。この they は特定の誰かではなく、学校の先生たちをばくぜんと指す使い方です。
ジョージは冗談めかして答えたあと、Would you explain it to me? と頼みました。Can you ではなく Would you を使うと、相手の意向を尋ねる丁寧な依頼になります。父が9歳の息子に、ていねいな形で説明を頼んでいる場面です。
「What causes ~?」と「Interesting.」で説明を引き出す
頼まれたシェルドンは、稲妻と雷の音の仕組みを順に説明していきます。
Sheldon: Well, when positive and negative charges grow large enough, a giant spark occurs in the cloud.
(えっと、プラスとマイナスの電荷が十分に大きくなると、雲の中で巨大な火花が起きるんだ。)George Sr.: Ah, that-that’s pretty cool. What causes the thunder?
(へえ、そいつはなかなかすごいな。雷の音は何で起きるんだ?)Sheldon: It’s a shock wave from particles heated to 10,000 degrees.
(1万度に熱せられた粒子から生じる衝撃波だよ。)George Sr.: Interesting.
(面白いな。)Sheldon: You want to know what’s really interesting? Hmm? Aristotle thought that the sound of thunder was due to a collision between two clouds. He believed the clouds were expelling air, in the way a log on a fire crackles…
(本当に面白いこと、知りたい? ねえ? アリストテレスは、雷の音は2つの雲がぶつかって起きると考えていたんだ。雲が空気を吐き出していると思っていた。火にくべた薪がパチパチはぜるのと同じように……)Young Sheldon Season1 Episode8(Cape Canaveral, Schrodinger’s Cat, and Cyndi Lauper’s Hair)
シェルドンの最初の説明は、when ~ grow large enough, ~ occurs という「〜が十分に大きくなると、〜が起きる」の形です。条件と結果を一文に収めるので、仕組みの説明に向いています。続く It’s a shock wave from ~ は、「それは〜から生じる衝撃波だ」と正体をひと言で言い切る答え方です。
聞く側のジョージは、that’s pretty cool と感想を返してから、What causes ~? で次の疑問を出しました。原因を尋ねるこの形は、主語の What がそのまま「何が」にあたるので、do を使わずに組み立てられます。Interesting. の一語も、話をきちんと聞いていることを伝える相づちです。
最後のシェルドンの You want to know what’s really interesting? は、本題から一歩広げて別の話を始める前置きです。仕組みの説明を終えたあとに、昔の学者の考えへと話を移していきます。Aristotle thought that ~ と過去形で人の考えを紹介する形も、説明の中でそのまま使えます。
| 英語 | 意味 |
|---|---|
| lightning | 稲妻、稲光 |
| thunder | 雷の音、雷鳴 |
| charge | 電荷 |
| spark | 火花 |
| shock wave | 衝撃波 |
「There’s no way of saying until ~」で答えを保留する
この旅では、打ち上げ会場へ向かう車内でも、シェルドンが説明役になっています。道中のやり取りから、シェルドンはシュレーディンガーの猫の話を始めました。
Sheldon: Schrödinger’s cat is a thought experiment. A cat in a box is exposed to poison, and is both alive and dead until it is observed.
(シュレーディンガーの猫は思考実験だよ。箱の中の猫が毒にさらされていて、観測されるまでは生きていると同時に死んでもいるんだ。)Georgie: So the cat’s name is Schrödinger?
(じゃあ、猫の名前がシュレーディンガーなのか?)Sheldon: No.
(違う。)Georgie: Well, what’s its name?
(じゃあ、名前は何だよ?)Sheldon: Its name doesn’t matter.
(名前は関係ないんだ。)Young Sheldon Season1 Episode8(Cape Canaveral, Schrodinger’s Cat, and Cyndi Lauper’s Hair)
~ is a thought experiment と、まず「それは何か」を定義してから中身に入る説明の運びです。ジョージーが猫の名前にこだわると、シェルドンは Its name doesn’t matter. と返します。doesn’t matter は「重要ではない、関係ない」という意味です。その後のやり取りで、シェルドンは猫にミトンズという名前を付けました。
George Sr.: So, in this thought experiment, do you think Mittens is dead or alive?
(で、その思考実験だと、ミトンズは死んでると思うか、生きてると思うか?)Sheldon: There’s no way of saying until you open the box.
(箱を開けるまでは、どちらとも言いようがないよ。)Georgie: Oh, come on.
(なんだよ、それ。)Sheldon: Optimistically, I would choose to believe he’s alive.
(楽観的に考えれば、僕は生きていると信じることにする。)Georgie: Yes!
(よっしゃ!)George Sr.: Oh, thank goodness.
(ああ、よかった。)Young Sheldon Season1 Episode8(Cape Canaveral, Schrodinger’s Cat, and Cyndi Lauper’s Hair)
ジョージは in this thought experiment と相手の言葉を使って枠組みをそろえ、do you think A or B? と考えを尋ねています。シェルドンの There’s no way of saying until ~ は「〜するまでは何とも言えない」と答えを保留する言い方で、続く Optimistically, I would choose to believe ~ で、楽観的に見るならという条件つきの答えを出しました。分からないことを分からないと言ったうえで、自分の立場を選んで示す二段構えの答え方です。
まとめ|尋ねる英語と説明する英語
Can I tell you a secret? で打ち明け、Would you explain it to me? で頼み、What causes ~? と Interesting. で聞き進める。説明する側は定義や条件から入り、There’s no way of saying until ~ で答えを保留できます。尋ねる側と答える側の英語がそろう会話です。
次回も『ヤングシェルドン』の会話を観ながら、英語表現を一緒に拾っていきましょう。


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