言い合いを「今夜はここまで」と区切るには?|『ヤングシェルドン』S01E20で学ぶ英会話

『Young Sheldon』コラム: 言い合いを「今夜はここまで」と区切るには?|『ヤングシェルドン』S01E20で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第20話では、隣のスパークス家の犬がクーパー家に入り込んだことから、両家の言い合いが始まります。誰かが止めないと終わらない言い合いを、登場人物たちはどんな言葉で区切ろうとするのでしょうか。

話を打ち切る一言、区切りを告げる一言、そして争いを「火」にたとえる言い回しまで、二つの場面から順に見ていきます。

目次

「drop this」と「a good stopping point」で区切る

犬が家に入り込んだことを、父ジョージが隣のハーシェルに伝えます。ハーシェルがそれをブレンダに話すと、こんなやり取りになりました。

Herschel Sparks: Bucky got in their house.
(バッキーがあっちの家に入ったんだ。)

Brenda: That’s funny.
(おもしろいじゃない。)

George Sr.: It might be funny one day, not right now.
(いつかは笑い話になるかもな。今は無理だ。)

Young Sheldon Season1 Episode20(A Dog, a Squirrel, and a Fish Named Fish)

It might be funny one day, not right now. は、相手の軽口を正面から否定せず、「いつかは」と「今は」を並べて受け流す言い方です。one day は「いつか」、not right now は「今ではない」で、時間をずらすことで、今は笑えないという気持ちを伝えています。

このあと、メアリーが居間に残された死んだリスを見せて抗議し、ブレンダが反論して、話はこじれていきます。

Herschel Sparks: Honey, it’s a pretty good chance it was Bucky.
(なあ、バッキーの仕業の可能性はかなり高いよ。)

Brenda: Whose side are you on?
(あんた、どっちの味方なの?)

Herschel Sparks: Yours, always yours.
(お前のだよ、いつだってお前の。)

George Sr.: All right. Everyone’s upset, it’s late. Maybe we should drop this for tonight?
(よし。みんな頭に血がのぼってるし、もう遅い。今夜はこの話はやめておかないか?)

Young Sheldon Season1 Episode20(A Dog, a Squirrel, and a Fish Named Fish)

drop this は「この話題を落とす」、つまり話をそこで打ち切るという意味です。for tonight を添えることで「今夜のところは」と区切りが限定され、話を永久に封じるのではなく持ち越す提案になります。ジョージは先に Everyone’s upset, it’s late. と理由を並べてから、Maybe we should ~? でやわらかく持ちかけました。途中の Whose side are you on? は同じ回のフレーズ記事で扱っているため、ここでは流れの確認にとどめます。

ところが、メアリーが、そちらの犬を息子に近づけないでと言い添えたことで、やり取りはまた続きます。そこで区切りを告げたのはハーシェルです。

Herschel Sparks: Okay, I think that’s a good stopping point.
(よし、ここらでやめておくのがいいと思う。)

Young Sheldon Season1 Episode20(A Dog, a Squirrel, and a Fish Named Fish)

a good stopping point は「ちょうどよい止めどころ」で、会議や作業を切り上げる場面にも応用できます。I think を前に置くと、命令ではなく提案の形になります。ジョージの drop this が話題そのものを打ち切る言い方だったのに対し、ハーシェルは「止めどころ」という区切りの位置を示して、その場を終わらせようとしているのが分かります。

  • A: We’ve been arguing for an hour. Maybe we should drop this for tonight.
    (もう1時間も言い合ってるよ。今夜はこの話はやめておこう。)
  • B: Okay, I think that’s a good stopping point.
    (そうだね、ここでやめておくのがよさそう。)

「gasoline on the fire」で争いを火にたとえる

別の場面では、メアリーが動物管理局に連絡しようとし、母のミーモーがそれを止めます。

Mary: Here we go: animal control.
(さあ、動物管理局よ。)

Meemaw: Oh, no, no. No, you don’t want to go calling animal control.
(ああ、だめだめ。動物管理局に電話なんてするもんじゃないよ。)

Mary: Why not?
(どうして?)

Meemaw: Because, you have to live next door to these people.
(だって、あの人たちの隣で暮らしていかなきゃならないんだから。)

Mary: They called the cops on Georgie when he played music too loud.
(ジョージーが大きな音で音楽をかけたとき、あの人たちは警察を呼んだのよ。)

Meemaw: Maybe it was them, maybe it was me. Anyway, the point is, you don’t can’t go throwing gasoline on the fire.
(あの人たちかもしれないし、私かもしれないね。とにかく、言いたいのは、火にガソリンをかけちゃいけないってこと。)

Mary: Well, they started this fire, and now, they’re gonna get burned.
(でも、火をつけたのはあっちよ。今度はあっちがやけどする番。)

Meemaw: I believe you’ve had enough coffee.
(コーヒーはもう十分みたいだね。)

Young Sheldon Season1 Episode20(A Dog, a Squirrel, and a Fish Named Fish)

ミーモーの you don’t want to ~ は、直訳すると「〜したくはないはず」ですが、実際には「〜しないほうがいい」と相手を止める言い方です。命令形で禁じるより、相手の立場に立った忠告として響きます。Why not? と聞き返されて Because, と理由を続ける流れも、止めるときの会話の型として押さえておけます。

throwing gasoline on the fire は、燃えている火にガソリンをかける、つまり争いをさらに大きくするという意味のたとえです。日本語の「火に油を注ぐ」とよく似た発想と言えます。ミーモーの台詞には you don’t can’t と言い直しが入っていますが、言いたいことは「そんなことをしてはいけない」です。

メアリーはこのたとえをそのまま受け取り、they started this fire(火をつけたのはあちら)、get burned(やけどする)と言い返しました。相手のたとえに乗って切り返すことで、引く気のない姿勢がはっきり伝わります。

ミーモーの理由づけ you have to live next door to these people は、隣人とはこの先も顔を合わせるという現実を突きつける一言です。最後の I believe you’ve had enough coffee. は、メアリーの勢いをコーヒーの飲みすぎのせいにしてたしなめる軽口で、have had enough ~ は「〜はもう十分」という意味になります。

まとめ|止める言葉と、火にたとえる言葉

drop this for tonight や a good stopping point は、言い合いを区切る一言です。反対に throwing gasoline on the fire や get burned は、争いを火にたとえる言い回しで、両方を知ると口論の流れが読みやすくなります。

次回も『ヤングシェルドン』を観ながら、会話の英語を拾っていきましょう。

同じ回のほかのコラムでは、犬をめぐる別の場面の英語も取り上げています。



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