「the heads-up」の意味と使い方|『メンタリスト』S02E20で学ぶ英会話

「the heads-up」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

会議に予定外の相手が入ると分かったとき、正式な連絡を出す前に「先に言っておくね」と一報を入れたくなること、ありますよね。

その一報を指す「the heads-up」を、『メンタリスト』シーズン2第20話の後半、取調室でリグスビーが次男エドワードに事実を突きつけるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「the heads-up」の意味とニュアンス

a heads-up / thanks for the heads-up
意味:事前の知らせ、前もってのひとこと

もとは「頭を上げろ」という掛け声です。下を向いている人に、飛んでくるボールや目の前の段差を知らせる声がけから、名詞として「事前の知らせ」の意味が生まれたとされています。

使われ方はほぼ二つの形に集約されます。ひとつは give someone a heads-up(先に知らせておく)、もうひとつは thanks for the heads-up(知らせてくれてありがとう)です。文頭に Just a heads-up — と置いて、そのあとに用件を続ける形も職場でよく使われます。

指すのは正式な通知ではなく、あくまで非公式の予告です。文書や規定に基づく連絡ではなく、廊下ですれ違いざまに伝えるくらいの軽さがあります。相手に準備の時間を与えるための好意的な行為なので、warning のような重さや脅しの含みはありません。

冠詞なしで Heads up! と言えば、とっさに注意を促す間投詞になります。名詞用法と間投詞用法で形が変わる点は、あわせて押さえておきたいところです。

【ここがポイント!】

  • 「頭を上げろ」という掛け声が出発点。準備の時間を渡すための一言
  • give a heads-up と thanks for the heads-up の二つの形でほぼ足ります
  • 正式な通知には使わず、非公式の予告に限って使うのがコツ

『メンタリスト』S02E20のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

爆破未遂の実行犯エリザベスと関係を持っていた次男エドワードが、取調室でリグスビーの追及を受けます。兄に劣る存在として扱われ続けてきたエドワードは、捜査にも投げやりな態度を崩しません。そこへリグスビーが、最も痛い形で事実を並べていきます。

Rigsby: Ever meet Bret Stiles?
(ブレット・スタイルズに会ったことは?)

Edward: No.
(ない)

Rigsby: So let me get this straight — she was sleeping with you because you were a Harrington, but not an important enough Harrington to kill. Is that it? You’re a stooge.
(整理させてくれ。彼女があんたと寝ていたのは、あんたがハリントン家の人間だからだ。ただし殺す価値まではない程度のハリントンだった。そういうことか? あんたは駒だよ)

Edward: Yeah, I’m a stooge. Thanks for the heads-up.
(ああ、俺は駒だ。ご忠告どうも)

The Mentalist Season2 Episode20(Red All Over)

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シーン解説と心理考察

リグスビーは同情を挟みません。恋人が自分を利用していただけでなく、殺す価値もない相手として選んでいたという二重の残酷さを、そのまま言葉にして渡しています。取り調べの技術としては、相手の防御を崩すために最も痛い解釈を提示する形です。

対するエドワードの返しは皮肉です。thanks for the heads-up は本来、知らせてくれたことへの感謝を表す言葉ですが、ここでは「今さら教えてくれてどうも」という反転した使い方になっています。

感謝の定型句をそのまま裏返せるところに、この表現の使い勝手の広さが表れています。取り乱すのでも反論するのでもなく、決まり文句で受け流すという選択に、この人物が長年かけて身につけた防御の形が重なっています。兄の影で生きてきた次男という設定が、たった一言の返しに凝縮された場面です。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

下を向いて歩いている人に向かって、誰かが「Heads up!」と声を上げる場面を思い浮かべてみましょう。顔を上げた瞬間、目の前に段差やボールが見える。ぶつかる前に体勢を整える時間が、その一言で渡されたわけです。

名詞になっても、渡しているものは同じです。a heads-up とは「顔を上げさせるための、あの一言」であり、相手が身構える時間そのものを指しています。

取調室で事実を突きつけられたエドワードが、その言葉を皮肉として投げ返す場面まで覚えておくと、感謝にも嫌みにも転べるこの表現の振れ幅が、一度でつかめます。

例文で覚える「the heads-up」

職場の連絡で最も出番の多い表現です。感謝・予告・皮肉の3方向から見ていきましょう。

Just a heads-up — the client is joining the call today.
(先に共有しておくと、今日のミーティングにはクライアントも入ります)
チャットでの事前共有です。Just a heads-up で始める形は、堅苦しくならずに注意を促せます。

A heads-up would have been nice.
(ひとこと言っておいてほしかったな)
知らされずに不意を突かれたときの反応です。直接的な非難を避けながら不満を伝えられます。

A: The system will be down for maintenance tomorrow morning.
B: Thanks for the heads-up. I’ll finish my report tonight.
(A:明日の午前中、システムがメンテナンスで止まります)
(B:知らせてくれて助かります。今夜のうちにレポートを終わらせます)
社内での情報共有です。感謝と、その情報を受けての行動をセットで返すと自然な流れになります。

あわせて覚えたい関連表現

give someone a warning
(警告する)
危険や処罰を含む重い言い方です。heads-up は相手のためを思った好意的な予告に限られるため、この二つは置き換えられません。

fill someone in
(事情を説明する)
すでに起きたことを後から共有する表現です。heads-up が起きる前に知らせるのに対し、時間の向きが逆になります。

keep someone in the loop
(情報を共有し続ける)
一度きりではなく、継続的に情報を回す状態を指します。heads-up が単発の通知である点と対照的です。

Note|正式な通知と、廊下でのひとことのあいだ

英語には「知らせる」を表す動詞がいくつもあります。notify、inform、advise、alert。それでも heads-up が職場で使われ続けているのは、これらのどれもが埋められない位置にあるからです。

notify と inform は、正式な手続きを含む語です。契約の変更を notify する、決定事項を inform する、というように、記録に残る連絡と結びついています。advise はさらに硬く、法務や金融の文書で使われることが多い語です。alert は緊急性を帯び、システム障害や災害の通知に向いています。ところが職場の連絡の大半は、そのどれでもありません。会議に上司が同席することになった、資料の送付先が一人増えた、明日の午後は席を外す。記録に残す必要はないが、相手が知らないままだと少し困る。この層の連絡が、実際には最も件数が多いのです。heads-up はここを埋める語として選ばれています。相手に準備の時間を渡すという目的だけを持ち、手続きの重さも緊急性も帯びていない。だから上司にも部下にも同じ形で使えます。

一方で、社外への正式な通知にこの語を使うと軽く響きます。契約や請求に関わる連絡は notify や inform の領域であり、heads-up はその手前にある、関係者どうしの気配りの言葉です。この線引きを押さえておくと、どこまで踏み込んでよいかの判断がつきやすくなります。

硬すぎず、雑でもない。その一点を守るための語です。

まとめ|ひとこと先に伝えるということ

the heads-up は、正式な通知の手前にある「先に言っておくね」の一報を指す表現です。相手に準備の時間を渡すという目的だけを持った、軽くて実務的な言葉です。

この一語が使えるようになると、職場の連絡の温度を細かく調整できます。堅い動詞を選ぶほどではないが、黙っているには不親切、という場面をちょうどよく埋められる、そんな一言です。

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