海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
同僚に調べ物を頼んだとき、「わかったことがあったら随時教えてね」と付け加えたくなることはありませんか。
そんな場面で使える「keep someone posted」を、『メンタリスト』シーズン5第15話の中盤、経歴が不自然なほど立派な医師の身辺調査を、リズボンがチョウに指示するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「keep someone posted」の意味とニュアンス
keep someone posted
意味:(人)に随時知らせる、逐一報告する
post は元々「(公示物などを)掲示する」という意味の動詞で、post a notice(掲示を貼る)のように使われます。keep someone posted は、この post を人に対して使うことで「その人が最新情報を掲示された状態に保つ」、つまり「継続的に知らせ続ける」という意味に発展しました。
一度きりの報告を求める tell me や let me know とは異なり、keep という動詞が入ることで「状況が動くたびに」「進展があるたびに」という継続性が加わります。ビジネスメールの結びの一言としても頻出し、I’ll keep you posted.(随時ご報告します)という形で自分から報告を約束する使い方も定番です。
posted の代わりに informed や updated を使っても近い意味になりますが、posted はやや口語寄りで、社内のカジュアルなやり取りにも自然に馴染みます。
【ここがポイント!】
- post(掲示する)の比喩から生まれた、継続的な報告を表す表現
- keep が入ることで「随時」「動きがあるたびに」というニュアンスが加わる
- I’ll keep you posted. の形で自分から報告を約束する使い方も定番
『メンタリスト』S05E15のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
被害者の主治医だったラインハート医師について、チョウが身辺調査の結果をリズボンに報告する場面です。海外の名門大学出身という華々しい経歴を聞かされたリズボンは、その立派さにかえって違和感を覚え、さらなる調査を指示します。
Cho: Born in DC, educated in the US and Europe. Impressive list of honorary degrees from prestigious universities across the globe. Moved to California about five years ago. Clean record in the state.
(DC生まれ、アメリカとヨーロッパで教育を受けています。世界各国の名門大学から名誉学位を授与された経歴も。5年前にカリフォルニアへ移り、州内での前科はありません)Lisbon: See what else you can find out about Reinhardt. See what he was doing before he moved to California and keep me posted.
(ラインハートについて、他に何が出てくるか調べて。カリフォルニアに来る前の動向も。わかったら随時知らせて)Cho: I’m gonna go talk to the guy who runs the Vogelsong Soldiers’ Home.
(ヴォーゲルソング退役軍人施設の運営者に話を聞いてきます)The Mentalist Season5 Episode15 (Red Lacquer Nail Polish)
シーン解説と心理考察
リズボンの keep me posted には、単なる指示以上の緊張感がにじんでいます。経歴が立派すぎることそのものを疑いの材料にする発想は、捜査官らしい鋭さの表れです。褒め言葉として語られた経歴を、そのまま裏付けの薄さへと読み替える視点の切り替えが見どころです。
この一言が一度きりの報告ではなく「随時」を求めている点にも意味があります。過去の経歴という静的な情報だけでなく、これから明らかになる動的な情報まで含めて把握したいという姿勢が、posted という語の選択に表れています。
チョウが指示を受けてすぐに次の行動先を告げる淡々とした返しも印象的です。感情の起伏を見せず、指示された仕事を淡々と実行に移す姿勢は、無駄のない会話運びを特徴とするチョウらしい応じ方と言えます。
『メンタリスト』流・覚え方のコツ
掲示板に貼られたお知らせを思い浮かべてみてください。新しい情報が入るたびに、誰かがそこへ新しい紙を貼りに来る。keep someone posted の posted は、まさにこの「貼られ続けている状態」を表しています。
このシーンでリズボンが求めたのも、まさにその掲示板の更新でした。一度の報告で終わらせず、動きがあるたびに新しい紙を貼ってほしい。その継続的なイメージを持っておくと、tell me のような一度きりの報告要求とは違うニュアンスだと実感しやすくなります。
例文で覚える「keep someone posted」
仕事の進捗報告からカジュアルな近況共有まで、幅広く使える表現です。三つの場面で使い方を見てみましょう。
I’ll keep you posted on the negotiation as soon as I hear anything.
(何かわかり次第、交渉の進捗を随時報告します)
ビジネスメールの結びとして使う、フォーマルな場面です。I’ll keep you posted. は、報告を約束する定型句として重宝します。
Keep me posted if the flight gets delayed.
(フライトが遅れるようなら知らせてね)
友人や家族との日常的なやり取りです。旅行の予定など、状況が変わりやすい話題でよく使われます。
A: Any news on the job application?
B: Not yet, but I’ll keep you posted the moment I hear back.
(A:就職の応募、何か連絡あった?)
(B:まだだけど、返事が来たらすぐ知らせるよ)
友人との会話で、結果待ちの状況を共有する場面です。the moment I hear back を添えると、報告の即時性が強調されます。
あわせて覚えたい関連表現
keep someone in the loop
(〜に情報を共有し続ける)
keep someone posted が個人的な報告に使いやすいのに対し、こちらはチームやグループ全体への情報共有を含意しやすい表現です。会議やプロジェクトの文脈でよく登場します。
let someone know
(〜に知らせる)
一度きりの連絡にも使える、より基本的な表現です。keep someone posted の「継続性」がない分、単発の報告にはこちらのほうが自然です。
update someone on something
(〜について最新情報を伝える)
posted よりもややフォーマルな響きを持ち、報告書やビジネス文書でも使いやすい表現です。何について更新するかを on 以下で具体的に示せる点が特徴です。
Note|会議室の keep posted、雑談の keep posted
keep someone posted のおもしろさは、フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも、形をほとんど変えずに使える点にあります。多くの報告表現がビジネス用と日常用で語彙を使い分ける中、この表現は珍しく両方に橋渡しができます。
由来をたどると、post は元々、公共の場に貼り出す掲示物を指す語でした。19世紀のアメリカでは、鉄道の到着時刻や求人情報を post office(郵便局)の掲示板に貼り出す習慣があり、post という語には「情報を公にする」というニュアンスが染み付いていきます。この掲示という行為が比喩化され、20世紀に入ると post someone on something(人に情報を伝える)という言い方が口語に定着しました。
keep という継続を表す動詞と組み合わさることで、一回きりの掲示ではなく「更新され続ける状態」を表す表現へと発展したのが、現在の keep someone posted です。ビジネスメールの結びにも、友人への旅の連絡にも同じ形が使えるのは、この語がもともと持っていた「誰にでも開かれた情報共有」という性格が今も生きているからだと考えられます。
リズボンがチョウに向けた一言も、まさにこの気軽さと実務性を兼ね備えた使い方でした。かしこまった報告書ではなく、口頭での短い指示だからこそ、この表現がしっくりくるのです。
形式張らずに、それでいてきちんと伝わる。そんな絶妙な立ち位置に、この表現はあります。
まとめ|「随時」の一言が持つ安心感
keep someone posted は、一度きりではなく継続的な報告を求める、実務にもカジュアルな会話にも使える表現です。post という語に込められた「掲示し続ける」というイメージを知っておくと、単なる tell me との違いが自然に見えてきます。
仕事の進捗を尋ねるときも、旅先の友人に連絡を頼むときも、この一言があれば「動きがあったら教えて」という気持ちをスマートに伝えられます。自分から報告を約束したいときは、I’ll keep you posted. とそのまま返すだけで十分です。
情報の更新を柔らかく求める言い方として、報告や連絡の場面で使ってみてください。


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