海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
何度電話をかけても留守電にしかつながらない相手に、直接がだめなら人づてにでもいいから、なんとか連絡を取ろうと知恵を絞る場面が、誰にでもあるはずです。
そんなもどかしさにぴったりのget ahold ofを、『ホワイトカラー』シーズン1第9話、ニールの部屋でモジーと今後の動き方を相談する緊迫したシーンから、一緒に見ていきましょう。
「get ahold of」の意味とニュアンス
get ahold of
意味:〜と連絡を取る、〜をつかまえる
get hold of のくだけた言い方で、主にアメリカの口語で使われる表現です。人が目的語なら「(電話などで)連絡をつける、つかまえる」、物が目的語なら「手に入れる」という感覚で使われ、なかなかつかまらない相手にどうにか手が届く、というニュアンスを含みます。
電話やメッセージで相手をつかまえようとする場面、連絡先の分からない人への接触方法を探る場面、入手しにくい物を手に入れる場面など、日常のもどかしさを言葉にするときに重宝する表現です。how to get ahold of(〜と連絡を取る方法)の形で使われることも多く、方法そのものを尋ねる場面にもなじみます。
get の代わりに try to get や couldn’t get を添えると、「連絡を取ろうとしている」「連絡がつかない」という進行中の状態や、うまくいかなかった結果まで幅広く表せます。1語で状況の途中経過まで伝えられる、口語ならではの機動力を持つ表現です。
【ここがポイント!】
- 「なかなかつかまらない相手に、どうにか手を伸ばして届かせる」のが核心
- 人が目的語なら連絡、物が目的語なら入手という2つの顔を持つ
- get hold of よりくだけた響きで、日常会話に自然になじむ
『ホワイトカラー』S01E09のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ファウラーがケイトを押さえていると知ったニールが、自室でモジーと今後の動き方を相談しています。判事に関する証拠資料の話から、次第に話題はケイトへの接触方法へと移っていき、頼れる相手がFBI側のピーターしかいないという現実に行き着きます。
Mozzie: Do you trust your FBI buddy?
(例のFBIの相棒を信用してるのか?)Neal: Yeah, I trust him… Until I can’t.
(ああ、信用してるよ…信用できなくなるまではね。)Mozzie: Vague… In a zen kind of way.
(曖昧だな…禅問答みたいだ。)Neal: Look, he met with Kate. He must know how to get ahold of her.
(いいか、彼はケイトに会ったんだ。彼女と連絡を取る方法を知ってるはずだ。)Mozzie: Do you trust him enough to deliver a message?
(伝言を託せるくらい、彼を信用してるのか?)White Collar Season1 Episode9 (Bad Judgment)
シーン解説と心理考察
モジーは判事クラークがファウラーの「お抱え判事」だという証拠資料を持ち込み、二人はこれをファウラーへの対抗材料にできると読んでいます。その流れで話題はケイトへの接触方法に移り、ニールは「ピーターは以前ケイトに会っている。だから連絡手段を知っているはずだ」と考えます。
ニールの Yeah, I trust him… Until I can’t. という条件付きの返答には、FBI側の人間であるピーターを信用しながらも、その信頼に線引きをしている綱渡りの心理が表れています。モジーの Do you trust him enough to deliver a message? という最後の問いかけは、その信頼の危うさを突く一言で、二人の慎重さと切迫感が同時ににじむ場面です。
『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ
手を伸ばして、何かをぐっとつかむ場面を思い浮かべてみましょう。ahold は「つかまり」を意味するので、get ahold of は「つかまりを手に入れる」、つまり相手や物に手が届いてしっかり捕まえるイメージです。電話で人に連絡する場合も、受話器の向こうにいる相手を「つかまえる」感覚だと考えると覚えやすくなります。
劇中では、姿の見えないケイトに、ニールがピーターの手を借りてなんとか手を伸ばそうとする場面で使われています。「届かない相手に、人づてに手を伸ばしてつかまえる」というシーンの構図ごと結びつけると、記憶に残りやすくなります。
例文で覚える「get ahold of」
なかなかつながらない相手を追いかける場面から、ビジネスの問い合わせまで、get ahold of は日常のさまざまな場面で活躍します。3つの例文で見ていきましょう。
I’ve been trying to get ahold of you all day.
(一日中、連絡を取ろうとしてたんだよ。)
何度電話してもつながらなかった友人に、やっと連絡がついたときの一言です。all day と組み合わせると、もどかしさがそのまま伝わります。
Could you tell me how to get ahold of the manager?
(マネージャーと連絡を取る方法を教えていただけますか。)
問い合わせ先の担当者につないでほしいときの丁寧な言い方です。how to get ahold of は劇中のセリフと同じ組み立てで、そのまま応用できます。
A: I finally got ahold of her after leaving three voicemails.
B: Oh, good. I was starting to worry something happened.
(A:留守電を3件残して、ようやく彼女につかまったよ。)
(B:よかった。何かあったんじゃないかと心配し始めてたところ。)
なかなかつかまらない相手にやっと連絡がついた報告と、それを聞いた安堵が伝わる会話です。
あわせて覚えたい関連表現
get in touch with
(〜と連絡を取る)
より中立的で、フォーマルな場面でも使いやすい表現です。get ahold of は口語的で、「なかなかつかまらない相手をどうにかつかまえる」という手間の感覚が乗りやすい点が違います。
reach
((電話などで)〜に連絡がつく)
一語で簡潔に「連絡がつく」を表し、ビジネスの連絡手段の話でよく使われます。つながった・つながらなかったという結果に焦点が当たります。
track down
(〜を探し出す、突き止める)
居場所や連絡先が分からない相手を探し当てるニュアンスが強い表現です。get ahold of が「連絡をつける」段階を指すのに対し、track down は「見つけ出す」過程に重心があります。
Note|get ahold of / get in touch with / reach の使い分け
ニールが how to get ahold of her と口にしたように、「連絡を取る」を表す英語には、くだけ具合も焦点も異なるいくつもの選択肢があります。
最もくだけているのが get ahold of で、相手が忙しい・つかまらないという状況そのものを匂わせながら「どうにか手を伸ばして捕まえる」というニュアンスを運びます。get in touch with は手間の色合いが薄く、ビジネスメールでも I’ll get in touch with you soon. のように広く使える中立的な表現です。reach はさらに簡潔で、I couldn’t reach him all morning. のように結果だけに焦点を当てます。日常の雑談では get ahold of、ビジネスの連絡では get in touch with、結果を手短に報告するなら reach、というふうに場面に応じて選び分けられている実感があります。
ニールが he must know how to get ahold of her と言ったのも、単に「連絡先を知っている」以上に、「なかなかつかまらないケイトに、どうにか手を伸ばす方法」を求めるニュアンスがあったからこそ、この表現が選ばれたと読み取れます。
同じ「連絡する」でも、選ぶ一語で伝わる手間の重さが変わります。
まとめ|つかまらない相手に手を伸ばす一言
get ahold of は、なかなかつかまらない相手や物に、どうにか手を伸ばして届かせることを表す表現です。人が目的語なら連絡を取ること、物が目的語なら手に入れることの両方に使える便利さがあります。
何度連絡してもつながらない相手にやきもきしたとき、問い合わせ先の担当者につないでほしいときにも、この一言で状況をすっと伝えられます。直接連絡が取れなくても、誰かの手を借りて間接的に手を伸ばす、という選択肢まで含んでいるのがこの表現の懐の深さです。
姿の見えない相手に、それでもどうにか手を伸ばそうとする――そんな場面にすっと寄り添ってくれる一言です。


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