海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン1第1話では、法科学者ブレナンがFBI捜査官ブースのチームと初めて顔を合わせます。今回は、正式な肩書きよりも先に定着していく、職場でのニックネームの文化に焦点を当てます。
タイトルにもなっている「Bones」という呼び方が、どんな場面から生まれたのかを見ていきましょう。
名乗った瞬間につけられたあだ名
「私はドクター・テンペランス・ブレナンです」と名乗った直後の場面で、早くもこのエピソードの空気が決まります。
Booth: FBI. Special Agent Seeley Booth, Major Crime Investigation, D.C. Bones identifies bodies for us.
(FBIだ。特別捜査官シーリー・ブース、重大犯罪捜査課。ボーンズが遺体の身元を特定してくれる。)Temp: Don’t call me Bones. And I do more than identify.
(ボーンズと呼ばないで。それに、身元特定以外のこともしているわ。)BONES Season1 Episode1 (Pilot)
正式な肩書きを名乗ったばかりのブレナンに対して、ブースは他のFBI捜査官への紹介の中で、いきなり「Bones」というあだ名を使います。骨(bones)を専門にする法科学者、という職務内容をそのままあだ名にした呼び方です。
本人の抗議をよそに、このあだ名はエピソードを通して定着していきます。肩書きより先にあだ名が根づく、という力関係が、最初のやりとりからすでに表れている場面です。
「Squints」という呼び分け
法科学ラボの入口では、ブレナンのチーム全体を指す、もうひとつのあだ名が登場します。
Booth: He’s got no sense of discretion that kid. Typical Squint…
(あの子は分別ってものがないな。いかにもスクイントだ。)Booth: When cops get stuck, we bring in people like you. You know? Squints. You know, you squint at things.
(警察が行き詰まったとき、あんたたちみたいな人間を呼ぶんだ。スクインツ。物をじっと見つめる連中、ってことだな。)BONES Season1 Episode1 (Pilot)
squintはもともと「目を細めて見る」という動詞です。顕微鏡やデータをのぞき込む法科学者の仕草を、そのままチーム全体のあだ名に転用した言い方だとブースは説明しています。
刑事(cops)と法科学者(squints)という呼び分けは、エピソード終盤のやりとりでも、現場担当とラボ担当を対比させる決め台詞として繰り返され、職種ごとの役割分担を、あだ名の対比としてはっきり示す働きをしています。
あだ名への抗議、そして仕返し
抗議を繰り返しても、あだ名は消えません。それどころか、ブレナン自身もブースに対して独自の呼び方を返す場面があります。
Temp: Ughh.. You Rat Bastard!
(もう、このろくでなし!)BONES Season1 Episode1 (Pilot)
Rat Bastardは直訳すると強い罵倒表現ですが、この場面では親しみを込めたやり返しとして使われています。呼ばれる側から呼ぶ側へと、あだ名のやりとりが一方通行ではなくなる瞬間です。
このエピソードで描かれるあだ名文化は、あくまで『BONES』という作品内での関係性の一例です。実際のアメリカの職場でも、専門性や仕事ぶりに由来するニックネームが同僚間で使われる場面は見られますが、その頻度や許容度は業種・職場・世代によって幅があり、一律に「アメリカの職場ではこうだ」と言い切れるものではありません。ブースとブレナンのように、あだ名を巡るやりとりそのものが関係構築の一部になっている、という描き方として捉えるのが実情に近いといえます。
まとめ|あだ名は、関係性の記録でもある
Bones、Squints、Rat Bastardという3つの呼び方は、それぞれ職務内容や関係性の変化を映し出しています。名乗った肩書きよりもあだ名が先に定着していく展開は、ふたりの距離の縮まり方を示す手がかりにもなっています。
『BONES』というタイトルそのものが、このあだ名から来ていることに気づくと、視聴の見え方も少し変わってくるかもしれません。
同じエピソードを扱った他のコラムやフレーズ記事にも、関連する英語表現が登場します。
[dde_episode_columns id=”BONES_US_S01E01″]


コメント