海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン1第1話では、事件を追ううちに、ブースとブレナンの距離が少しずつ縮まっていきます。今回は、自分の内面を打ち明けるという行為が、英語でどう表現されているかに注目します。
ふたりの会話から、心を開くことと信頼の関係を見ていきましょう。
「何かを差し出さないと、何も返ってこない」
Eller家を訪ねた帰り道、ブースは尋問のコツをブレナンに説明します。
Booth: You know, getting information out of live people is a lot different than getting information out of a pile of bones, you have to offer up something of yourself first.
(骨の山から情報を引き出すのと、生きている人間から情報を引き出すのとでは全然違う。まず自分から何かを差し出さないとな。)Bones: What exactly did you do in the military?
(軍隊では具体的に何をしていたの?)Booth: See? See what you did right there Bones? You asked a personal question without offering anything personal in return and since I’m not a skeleton, you get zilch. Sorry.
(ほら、今のがそれだ。自分のことは何も差し出さずに、個人的な質問だけしただろ。俺は骨じゃないから、それじゃ何も出てこないぞ。悪いけど。)BONES Season1 Episode1 (Pilot)
offer up something of yourselfは、自分自身の情報や気持ちを差し出す、という意味の言い回しです。ブースの助言のすぐ後にブレナンが見せた行動が、そのまま反例になっている場面です。
you get zilchのzilchは「ゼロ、何もない」を意味するくだけた語で、何も見返りがないことを軽い調子で表しています。相手に何かを求めるなら、自分からも差し出す必要があるという、対話の基本がこのやりとりに凝縮されています。
「家族の話」を避けるブレナン
射撃訓練場からブースの執務室に移る場面では、ブースがブレナンの態度の変化に気づきます。
Booth: That something you don’t like to talk about? Families? Temperance, partners they, share things, builds trust.
(話したくないことなのか? 家族の話は。テンペランス、パートナーというのは、いろいろ共有するものだ。それが信頼につながる。)BONES Season1 Episode1 (Pilot)
share things, builds trustという短い言い方に、ブースの考え方が凝縮されています。何かを共有する行為そのものが、信頼を築く土台になるという発想です。
ブレナンは家族について多くを語らない人物として描かれており、ブースの指摘は単なる世間話ではなく、パートナーとしての距離の詰め方を提案する場面として機能しています。
葬儀で交わされた、それぞれの過去
エピソードの終盤、Ellerさん夫妻の葬儀を見送りながら、ブースとブレナンは初めて重い個人的な事実を口にします。
Brennan: I know exactly how the Eller’s felt about Cleo. My parents disappeared when I was fifteen and nobody knows what happened to them.
(エラー夫妻の気持ちが、痛いほどわかるの。私は15歳のとき両親が失踪して、今も何があったのか誰も知らないから。)BONES Season1 Episode1 (Pilot)
ブレナンが自分の過去を口にしたのは、このエピソードの中でこの場面が初めてです。offer up something of yourselfという、ブース自身が語った言葉どおりの行動を、ブレナンが実践する形になっています。
このやりとりの直後、ブースも自分が経験してきたことの一端を口にし、ふたりのあいだに新しい距離感が生まれます。どちらも事件の真相そのものには踏み込まない、人物同士の背景に関わる会話です。
まとめ|心を開く行為が、信頼のかたちを作る
offer up something of yourself、zilch、share things builds trustという表現は、いずれも「何かを差し出す」という行為が信頼につながる、という考え方でつながっています。ブースの助言をブレナンが実践する流れをたどると、フレーズの意味がより実感を持って伝わってきます。
信頼は一方だけが差し出すものではなく、少しずつお互いに開いていく中で築かれていく様子が、ふたりのやりとりから見えてきます。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。
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